55話 三重奏の絡み?(自身の中だけど)
「璃子さん、ごめんなさい」
私は深々と頭を璃子さんに謝罪した。
謝罪されている璃子は両頬に手を当てて絶叫している。
「わ、私の作った強化アイテムがぁぁぁぁぁぁっ......」
そのまま四つんばえになり目の前には広げられた布の中央にバラバラになっている
【太義の蛮輪】があった。
「敵の全力攻撃をまともにくらったのが原因だけど......」
「これはーーまさか、1日かそこらかで壊れるとは......」
璃子さんは四つんばえの状態から立ち上がり、【太義の蛮輪】を持ち、千鳥足で研究室の奥に歩いていった。
「なんとか、修復できるか試すわ......」
今、私とクロは夜空を見ながらバルコニーに居る。
バルコニーには木製のガーデンチェアが置かれており、優しい雰囲気の色合いで落ち着く。
「はぁ〜、灯、やっちゃったわね」
クロは屋上に備えられ付けられている欄干を背もたれのようにしていた。
「あれは不慮の事故といいますか......」
私は手をモジモジしながら何かを弁解しようと不思議な挙動をしていた。
「まぁ、いいわ」
欄干から身体を剥がすクロ。
「灯、何か飲む?」
「うん? じゃあ、ホットコーヒーで」
「了解!!」
そう言って、クロは一旦、中に入っていった。
クロがいなくなり、バルコニーには私だけ、いや、私達だけになった。
黄華:灯、こっちに来てくれ
灯:青奈ちゃんはまだ......
黄華:あぁ
私は心の中にきた。
いつもの1つの椅子だけの空間ではなく、なぜか天蓋付きカーテンのキングサイズベットが姿を表していた。確か、私達の想像したイメージで出現し実際に使用できる。
シンプルなキャノピーであり、独創的なベッドカーテンのデザインは、プリンセスのファンタジーを満たすためのアートワークになり、優雅さの雰囲気を作り出し、ロマンチックな寝室の装飾でこのベッドの天蓋をぶら下げて、部屋にロマンスと優雅さが際立つ。
深赤のカーテンをくぐり、中に入る灯。
中央には100%シルク・深青パジャマを着て、足を組みながら体育座りしていて、顔を隠している青奈ちゃん。
下のロングパンツは履いていなく素肌が露わになっている。
こうちゃんも青奈ちゃんの色違いのスタイリッシュな深黄色のエレガントで気品溢れているパジャマを着ていた。勿論、こうちゃんは上下ちゃんと着用している。
因みに私は、シルクサテンクレープ生地を使用しているシルク100%のダークレッドのパジャマ。
勿論、私とこうちゃんは上下ちゃんと着用している。
「青奈ちゃん......」
私が声をかけても顔を上げることがなかった。
「ねぇ、こうちゃん。どうしようか?」
「はぁ、仕方ないな......」
そう言ったこうちゃんは青奈ちゃんの背後に移動し、青奈ちゃんの脇横をくすぐっている。
「ち、ちょっと、や、やめてぇぇぇぇッ!」
こうちゃんにくすぐられて、青奈ちゃんは本能的に身体を丸めて避けようとしますし、蹴ったり身をよじったりしていた。そしてやたらエロい声というか喘ぎ声のような声が出てしまっている。
同時に笑顔で笑っていた。その表情を見たこうちゃんの目が光るように見え、青奈ちゃんをもっとくすぐっていた。
「おい、灯もやってみろよ」
「いいよ、私は......」
「えぇ!? 灯ちゃん、そこにいるの、見ないでよぉぉ」
「なんだろう、青奈ちゃんの姿を見ていると何かが込み上がってくる。不思議な感じ......」
「あのな、灯。僕達は心は違っても、一応、同一人物だから。変な気、起こさないでよ」
「だ、出さないよ......」
「取り敢えず、お疲れ様、灯ちゃん!! ここ2週間位は特に忙しかったよね?」
「それなりにね......」
「今日も、私しを抱きしめてもいいわよ」
「いいです、てか、抱きしめたことは一度もないわよーー変なこと言わないでよ」
不意に青奈ちゃんの顔が暗くなっている。
「ごめんね、いつもの口調で話すのがまだあまりできなくて......今日のはみっともないかったわ......」
「......」
灯はなんとも声がかけづらい状況になっていた。
「無言か......、そうだよね。幻滅したよね、あんな行為を見たんだから......」
「あれはーー私達の為だったんだから、青奈ちゃんは悪くないよ......」
そこからベットが少し静寂になった。
「あぁぁぁぁぁ、めんどくせぇぇ!!! 灯、ちょっと来い!!」
こうちゃんの側に赤ちゃん歩きで進んだ。
「灯はこうして」
こうちゃんの指示でベットの上で女の子座りをした。
「お前はこうだ」
こうちゃんに肩を押され、青奈ちゃんは私の膝の上に顔がのった。
初めて、膝枕しちゃった。妙にくすぐったいな。
「灯ちゃんの膝に私しの頬がーー幸せ!!」
こうちゃんは無言で私にうなづく。
少し、恥ずかしいけどやるしかない。
私は青奈ちゃんの頭を撫で、髪を軽く触った。
「青奈ちゃんの髪、サラサラだね。大丈夫だよ、青奈ちゃんのおかげで私達はこうして生きてるーーありがとう!!」
灯ちゃんの言った、たった5文字の言葉が心に刺さり、私しは涙が込み上がってくる。
「うっうっ」
次第に自分では抑えることができない感動が高まり、思わず大泣きしてしまった。
そして、溜め込んでいたものを一気に放出してしまった。
「なんなのよ、あいつはぁぁぁぁ。こっちのことを碌に知らないのに勝手なことを言って、何様なのよ。守る守るうるさいのよぁぁ。あんたらが捜査を辞めたおかげで私し達がどれだけの仕打ちを受けていたのか。お前が分かるわけないでしょうねぇぇ。あんたらが使えないから、私し達が命懸けでやってるのよ。邪魔をするなぁぁぁぁっぁぁ」
「あぁ!?」
青奈ちゃんが顔を上げた。
「ごめんなさい、灯ちゃん、汚いものを付けちゃって」
「気にしないよ、青奈ちゃん、さぁどうぞ」
灯ちゃんは自分の膝を手で叩きながら誘ってきた。
再度、膝に顔を乗せた。
「改めて、灯ちゃんの膝に顔を置いたけど、柔らかいね。いい気分ね、これ!! 灯ちゃんのニオイとか落ち着くね」
「もう〜 そんなに言うならいつでもやってあげてもいいけどさ......」
「本当に!! ありがとう、灯ちゃん。それと......、迷惑かけてごめんね黄華」
「まぁ、お前がああなるのは、いつだって誰かのためだからな。ありがとうな、青奈」
「ただし、これは楽しいからやるぜ!!」
そう言って、黄華は私しの足を抜け出せないように自分の足でホールドしていた。
そして、黄華の手が私しの足裏に伸びていた。
「ちょっと......、まさか......、止めてよね......」
「ごめん、無理! 灯もしっかり抑えとけよ!!」
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
「灯、コーヒー持ってきたわよ!!」
自分の分と灯の分を両手で持ってきたクロ。
「あぁ!?」
そこにいたのは椅子で寝ている灯だった。
「はぁ〜、全く」
微笑しながら、机にコーヒー2つを置いて、また中に入っていったクロ。
しばらくして、毛布を持ってきて灯にかけた。
「いくら、5月だからって風邪を引くかもしれないのに......」
灯の左頬に軽くキスをしたクロ。
「お疲れ様、灯」
「はぁ!?」
「どうしたの、青奈ちゃん」
「今、何やら殺意が湧くようなことがあったかもしれない......」
「おぉ、話を逸らして逃げようとしているなーーその手には乗らないぜ!! さぁ、第4ラウンド目いくぜ」
「待って......」
「なんだ、命乞いか?」
「もう終わりにしよう、ねぇ!」
「灯......、しっかり持っとけよ。行きまぁぁぁぁぁすぅぅぅぅ!!」
「いやぁぁぁぁぁぁ、あっ!!」
(何やってるんだろう、私達......)




