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レッド・クイーンズ ~天織灯のあくまな怪盗生活~  作者: 麻莉
1章 4月~5月 新米女怪盗は1歩を進む
54/193

54話 FREEDOM VS JUSTICE 5月29日 Ⅳ

『ブルー』!


「............変身」

 低く、重く、胃の底から落ちるような声をしていた。

 青髪を後頭部で一つにまとめて垂らしたポニーテール姿。烏の羽のような艶のある黒色のワンピース・ドレスに包まれている。ドレスの上に羽織っている深みのある華やかなブルーのコート。


 【濃藍の矛】(トライブ)【鉄藍の刀】(アイルタ)の柄部分を合体させ、身長よりも少し長い薙刀武器【賊藍御前】(ティア・マ・タル)になり、器用に【賊藍御前】(ティア・マ・タル)を回し地面に刺した。



「貴方に何がわかるのよ……」


 ただ静かに発した。しかし、目は激昂している青奈。

 【賊藍御前】(ティア・マ・タル)を抜き、右で構え、両手をクロスして頭の上に持ち上げる。上に上げた段階で左手に持ち替え【賊藍御前】の中心を持った。そのまま【賊藍御前】(ティア・マ・タル)を回し続け、【賊藍御前】(ティア・マ・タル)の後ろ側(【鉄藍の刀】(アイルタ))が左脇の下にある所まで回し続けた。そのまま大きく【賊藍御前】(ティア・マ・タル)を外に振って身体を前に倒し、背中から通ってきた【賊藍御前】(ティア・マ・タル)を掴んだ。腕を大きく伸ばす。首に巻き付ける前に持ってきて首を右脇にある【賊藍御前】(ティア・マ・タル)を掴み、そのまま首を巻き付けるようにし、右手で【賊藍御前】(ティア・マ・タル)を掴んだ。右手で上に持ち上げ左手に持ち替えた。これを高速でやるとダイナミックに【賊藍御前】(ティア・マ・タル)を回している様子が他の者から見えている。


 一直線に向かってくる緋山にはそんなことはお構いなしの状態だった。


 そして、緋山の頭に激痛が走り頭から地面に倒れた。

 【賊藍御前】(ティア・マ・タル)【鉄藍の刀】(アイルタ)側で叩きつけるかのように怒りを込めて緋山の頭に向かって下ろした。


 間髪入れずに倒れている緋山の顔を左足で蹴り上げた。


 蹴り上げられた緋山は体勢を整え、何度も向かってきている。



 【賊藍御前】(ティア・マ・タル)を地面に刺し、【賊藍御前】(ティア・マ・タル)を利用して青奈自身が回転した。

 今度は鞭のようにしならせ右足で蹴り、緋山の左耳に直撃した。


 そこから青奈の一方的な戦いになっていた。

 右側で構え【賊藍御前】(ティア・マ・タル)【濃藍の矛】(トライブ)側を上へ振り、そのまま【濃藍の矛】側を引き戻り下へ逆に【鉄藍の刀】(アイルタ)側を前に出した。引き戻した【濃藍の矛】(トライブ)側を再度前へ今度は下へ払うように前に出し、右から左へ身体全体を回し遠心力を利用して【濃藍の矛】(トライブ)で垂直に攻撃してから、左から右へ逆回転して今度は【鉄藍の刀】(アイルタ)側に持ち替えこれも垂直に攻撃した。


 相手に一切の隙を見せず相手を優位に立たせないためただ機械的に動作1つ1つに一切の迷うがない攻撃を繰り出していた。


 緋山が装着しているアーマーがズタボロになっている。

 所々、装甲が剥がれ中のコードが剥き出しになっていた。


「ハァ、ハァ、ハァ......ハァ、ハァ......。ま、だ、ま、だだ......」


「いい加減に倒されてくれるとありがたいんだけど」


「ぐはっ!」

 激痛が緋山を襲った。


(こんなところで、まだ、戦えるんだ......)


「うぉおっぉっぉぉぉぉぉおぉ!!!」

 『真理必義』(フルチャージ)

 舞っている煙を吸収していたのか緋山の必殺技がすぐに発動していた。


 その音声と共に緋山が持っているボロボロの警棒が『真理必義』(フルチャージ)を使用したことでその先端、三番目のパイプが紅色に輝きオーラが伸びている。

 その状態の武器を持ち、こちらに向けてオーラを飛ばした。


 青奈は少ない動作で『真理必義』(フルチャージ)の攻撃を回避していた。


「な、なぜ......」


「それ、確かに強力な技よ。でもね、一直線にしか来ない。なんの捻りのない技なんて数回見れば余裕で避けられるわ。もう、貴方に興味が無くなったし、とても、つまらなかったわーーさようなら」


 高速で距離を詰め、緋山の目の前にたどり着いていた。

 勢い良く【賊藍御前】(ティア・マ・タル)【濃藍の矛】(トライブ)側で突いていた。


 膝から落ち、そのまま仰向けで倒れた緋山。

 近くには橙色のカプセル。そして、衝撃で左腕から取れた警察の装備が2つ落ちていた。


 青奈は倒れている緋山の前でヤンキー座りになり、髪を掴んだ。

「いいかぁ、テメェは2度と私しの前に現れるな。次はこうはいかない。私し達の邪魔をするな」


 その場から立ち上がり、近くに落ちている物を全て拾い去る青奈。

 青奈は顔だけ向けた。

「こいつらは頂くわーー永遠にさようなら」


 顔を前に向き淡々と歩く青奈。

 その顔は憤怒に歪んでいた。







「まさか、ここまで貴方達がやられるとはね」


「申し訳ございません」

 緑川は鬼寵玲奈きちょうれいなに頭を下げた。


「七上君はそのまま研究室に戻って装備の修復。回復して戻ってきた緋山君はまた入院生活......」


「それに、緋山君は私達戦力部隊の貴重な装備を全て怪盗に奪われた」

 そう、燐兎れんとは自身が装備していた『アヒェントランサー』と『Pパス』

 あの怪盗に奪われた。


 遠くから燐兎れんとと怪盗の戦いを見ていたが、絶句していた。

 あんな攻撃をさせてしまうとは燐兎れんとは何をしたのか。


 目が覚めてから問いただせばいいかと緑川は思った。


「唯一の救いは連続強盗犯を逮捕したことだけね」

 立体駐車場の近くに倒れている女性を発見し、素顔を見たところ、屋上で戦っていたソドールの人間態だった。

 彼女を逮捕してようやく事件は一応、解決した。


 だが、俺達は負けた。あらゆることに......


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