37話 FREEDOM VS JUSTICE 5月23日
林間行事が終わり、即仕事を行なった。
とは言っても、隊長である緋山燐兎は現在、病院直行命令を受けていた。
橋から落ち、そのまま強打。いくら戦力部隊に導入されたパワードスーツであっても無傷とはいかず1週間ばかし入院させられている。
で、俺こと緑川颯と七上賢人はソドール対策本部室で駄弁っていた。
ソドールが出現しないと俺達は出動できないが一応、警察官である以上、出勤はしないといけない。出勤しても、パソコンで報告書を書くか、トレーニングするしかない。
一応、警察官という仕事はしているが暇している。
勢い良く対策室のドアが開いた。
「よぉ〜 緑川、久しぶりだな!!」
入ってきたのは、捜査3課の刑事、向宿烈。
捜査第三課は、全刑法犯の約4分の3を占める窃盗事件の捜査を担当している。
窃盗事件は盗犯と呼ばれ、空き巣、引ったくり、万引きなどを担当している。
そして、俺と燐兎の同期。
「どうした、烈?」
「暇なお前らに仕事を持ってきたぜ」
皮肉っぽく俺らの方を見て話した。
「ソドールなんているかどうか分からねモノに金かける必要ねってのによ」
烈は机に資料を置いた。
「最近、ここいらで暴れている窃盗犯だ。手口が不明で被害者もいつの間にか持っていた金品がなくなっていたと。中には、猫のような顔をしたやつを見たという目撃情報まで出ている」
「猫?」
「ただの猫じゃない。人間サイズの顔が猫だ。で、そういった訳わからないモノを専門に扱っている部署があったことを思い出してここにきたわけだ。もし、そんな化け物が実在しているのなら、俺ら普通の警察の手に余る事件だーーそんな訳でよろしくな」
そう言い放ち、烈は対策室から消えた。
「すごい嫌な人ですね」
「まぁ、そういうな。いるかどうかわからないやつのために福利厚生が充実しており尚且つ、この対策室に予算をつぎ込んでいるのが面白くないんだろう」
「いや、それにしたって......」
「まぁ、ここであいつがソドールを目撃したら少しは信じてくれるんじゃないかな」
「じゃあ、行ってくるわ!!」
「分かりました。僕はここで颯先輩のサポートします!!」
そして、調査を進めて5月23日......。
「さてと、どうしようか......っと」
俺の目の前の2人、いや、1人と1体の怪人が対峙していた。
お互い手段は同じだが、目的はそれぞれ違う。
赤の衣装に身を包んだ煌びやかな姿で、最近、燐兎が少々、熱を上げている女怪盗。
片やもう一方は人間サイズのネコの姿をした怪人。こっちもこっちで、奇抜な姿をしていた。全身ブルーグレーのネコ型のソドール。毛色はブルーグレーのみで統一されており、瞳の色はゴールド。目の前にいる猫型のソドールには美しい猫からは想像もできない位の滑稽な笑みを浮かべていた。
右手には猫の手を模したと思われる熊手を所持しており、左手には指先まで伸びている鋭い爪を展開していた。
身体の各部に黄色の装飾品を身につけていた。
胸部分には車のヘッドライトをアーマーの様に纏っており、手の甲、肩、足には黄色がペンキで塗られたようになっていた。
「あの時の女の子じゃない!? また、やられにきたのかしら」
「この前のようにはいかないよ!」
「ふう〜、楽しみね。で、怪盗ちゃんが警察と繋がっているなんて驚きだわ!!」
「繋がっていないわ。こんな連中となんて」
「まぁ、正体を知られたからには2人とも生かしておかないけどね」
「今度こそ、あなたの成分頂くわ!!」
俺はどちらかというと遠くからサポートする担当で、接近戦は燐兎が担当のはずなのに生憎、奴はいない。賢人もこの場にはいなく、俺に指示を出すために対策室に籠っている。
「ーーーーーーどうして、こうなるのかな」
俺はため息しか出なかった。




