17話 ねぇねぇ、何でガイコツが傘持って浮いているの
伸びた右腕が上から叩きつける様に向かってくる。
後ろにジャンプして下がりそのまま1階に落下した。
着地に成功し、そのまま橋間とか言う女を肩に乗せ、工場の入り口に向かった。
流石に、守りながら戦うのは面倒だ。後ろから煙を撒き散らせながら猛スピードで向かってくる物体。こちらに向かってくるアルマジロに向かって引き金を引いた。撃ち出された銃弾は標的に当たらず近くの柱や地面に当たった。
正直言って、僕はそこまで射撃が得意ではない。初めて、【イエロー】になり近接戦闘は問題なくできたが、射撃はものすごく苦手なのがわかった。しっかりと銃を構えて撃っても的の端にも当たらなかった。それを見た青奈が腹を抱えて笑っていたので襲い掛かったこともあった。
目の前の敵と至近距離での戦闘には集中的に慣れるが慎重とか冷静になって何かを取り組むことを毛嫌いしている。向かってくる敵をただ、遠くから狙い勝つより近くで圧倒的な力でねじ伏せた方が楽しいしスカッとする。そういう理由で僕はあまり撃つことはしない。
あくまで、牽制したりソドールの能力を使う位。
入口の扉に着き、橋間すずを開放した。
「僕の仲間が近くにいるから」
そう言い残した黄華は後ろに引っ張られた。
よく見たらお腹にしっかり骨の手がホールドされ工場の中に戻された。
左手で右腕に装着している鉤爪から1本取り外し、骨の手を切断した。
左手に持っている刀剣を同じく宙に浮いているガイコツ目掛けて一直線に投げナイフの要領で投げた。
ガイコツは傘の外側を自分の方に向けるとそのまま後ろに下がった。
勢いを失った刀剣はそのまま落ちていった。
『ホッパー』!
そう鳴り響いた後、怪盗は宙に浮いていた。そして、数秒経つにつれて場所を移動していた。
No.33【ホッパー】
宙に撃つことで即席の足場が作成される。片足が乗る位の大きさしかなく、板の耐久性はそこまでない。
(2〜3秒程)
撃ち足場を作りながら、スピードをつけるために身体を前にして押し出す様に前傾姿勢になりながらガイコツがいる方向に移動した。
先程、言った通り射撃が極端に下手である。変なところに撃てばジャンプしても届かない場所に板が作成される。これを回避する最も簡単な方法は真下に撃てばいい。山なりにジャンプし、予想着地地点に撃てばどんなに射撃が下手でも足場を作ることができる。時々、着地地点からずれて失敗してるけど。
左手に持ってる傘の内側には気流を変える能力があり傘の内側に自分がいれば宙に浮蹴ることができる。
この能力は風の強さでスピードが変わる。今日、吹いている風はあまり強くなく、その結果動きも鈍くなっている。
傘を使って後ろに後ろに後退し続けているが追いつかれるのも時間の問題。
ガイコツは工場内の構造を把握していなかったのか、策を考えている内に壁にぶつかってしまいこれ以上後退することはできなかった。
下に下がるために逆持ちにしようと傘を持ち替えようとした直後、懐に黄色の姿が見えた。
肘を曲げたまま下から突き上げるように鉤爪で切り裂いた。
胴体部分に骨が砕かれ大打撃を受けた。そのまま脱力したかのように仰向けで重力に従って地面に向かって落下した。
ジャンプして逆立ちの体勢になりながら足場を上に作り、屈曲して力を溜めて、伸展して力を放出しスピードを上げながら回転し円錐螺旋状に攻撃した。
ガイコツの身体は貫通し、そのまま地面に叩きつけられた。
砂埃が舞い上がりながら巨大なガイコツのソドールは再起不能になった。
注射器を刺して成分を採取した。
(うまく採取できたね......骸骨だから刺さるか心配だったけど杞憂だったね)
立ち上がり、近くにいたアルマジロに向かって人差し指を天井に差しながら・・・
「まずは1体!!」
アルマジロは外敵から身を守るため、体のほとんどが硬く変化した皮膚で覆われておりお腹は柔らかい生態をしている。
丸まり高速で転がりながら僕に向かってくるが、横にしゃがんで回避。
そのまま、壁にぶつかると思ったが、軌道を変え、転がり続けてこちらに突進してきた。
【捕食者の影爪】で防御した。
加速し続けたため力負けし、僕の方が壁に激突してしまった。
激突し、壁を突き破り外に転がりながら出てしまった。
結構な威力だったが、かすり傷程度で済み大したダメージにはならなかった。
他の2人とは違い、着ているコスチュームの性能のおかげ助かった。
3人が着ているコスチュームは多少、見た目の違いはあるが高い運動能力を保有しており、跳躍力・瞬発力・俊敏性に優れており、敵から攻撃を吸収する構造で攻撃力・防御力に優れており、バランス良い性能になっている。
しかし、これを100%を現時点では使えない。長期間の訓練をして徐々に生身の身体能力を上げないと使うことができない。
僕が最後に出てきた時より多少、動ける様になったので強大な弾丸のような威力でも吸収してくれたので大事に至らなかった。
間髪入れずに丸みを解除し連打してきた。連打してきた手をこちらも『捕食者の影爪』で対応し、殴ってくる攻撃を避けて、脇腹にパンチを入れるがアルマジロは硬い皮膚を持っていたため大したダメージを入れることができなかった。
(やっぱり、正面の腹部を狙うしかないか......)
どうやって、懐に行くかを考えていると同時に右腕の『捕食者の影爪』を見つめた。
月の光で増えそうにないのを感じ落胆してしまう。
・【捕食者の影爪】
右腕に黒のガントレットに【リッキープレイド】という伸縮自在の黄色の鉤爪状の武器が3本備わっている。
取り外しが可能で刀剣位の長さ。一度外した【リッキープレイド】は再装着はできない。射出することができる。刀剣として使用したり、ブーメランの様に投げたりした後の【リッキープレイド】はそのまま、消滅せず残る。他のスライドキーに変更したり『イエロー』を変身解除すると『リッキープレイド』は消える。
爪が無くなってもガントレットには太陽電池が内蔵されており、日光を当てることで3分で【リッキープレイド】1本分が生えてくる。
あらかじめ、日光に当てていたらその分【リッキープレイド】が蓄積される。
戦闘開始0分で3本、その後、日中戦闘している最中に外して刀剣として扱ったり、射出したりせず、3分経過すれば、残機プラス1になる。
ただし、これはあくまで【捕食者の影爪】を使用中に発生する場合であり、『イエロー』以外で戦っている場合、【捕食者の影爪】は日光に当たっていないため3本のままになる。
今回、約3、4ヶ月が経っているため残機は存在していない。
今は、夜のため【リッキープレイド】をチャージすることはできない。
敵目がけて前のめりで前傾姿勢で走った。
丸みを帯びて防御しているその皮膚を破壊し、選択肢を奪っていく。全身の皮膚を剥がすことは攻撃の手数が少ないため、時間がかかるが一部分を削りそこを狙って再起不能にさせる。
頭を使うのはあまり苦手だから考えられた華麗な戦術を使うより、至近距離からの殴り続けた方が性に合っている。
右腕は【捕食者の影爪】で殴りダメージを与えることはできているが、左腕は何も付けていないため素手の状態で殴った。効率良く殴っていてもダメージ差が歴然としていた。
ただ、殴った。ひたすら、殴った。敵の硬い皮膚に亀裂が入りさらに内側の皮膚を露出させるために殴り続けた。
何か折れる音がした。地面に2刃の刃先が落ちていた。刀剣などの剣は使い方次第で簡単に折れてしまうもの。
残ってしまった黒のガントレットのみ。あと1歩のところで攻撃手段の1つが消えた。戦況は絶望だが笑いが止まらなかった。こういう状況こそ僕が求めていたもの。
まだまだ、殴りかかる。そう意気込み、拳をあげた。
17話現在、ソドール能力回収済
No.25 カメラ 黄茶色
No.33 ホッパー 青ピンク色
No.35 スパイダー 赤紫色
No.47 シャーク 青水色
No.52 ダイヤモンド 水白色
No.53 ミラー ピンク赤色
No.59 アイヴィー 緑黄緑色
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No.48 ??? ???色
No.56 ??? ???色




