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レッド・クイーンズ ~天織灯のあくまな怪盗生活~  作者: 麻莉
3章 7月 冱蝕の氷龍止めるわ、剣と拳
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45話 亀は毛が生えないしウサギは角を持たぬが時刻と時剋の間は存在する

龍虎は未だ幼子であり相を摶つのはいずれ......



 怪訝な顔をする私とは対照的に濃本のうもとは嗤っていた。


「良いぜっ!!! このグローブは【戯剛の挙鍔】(グライ・インダー)。早くしないとアンタ死ぬぜ!」



 【義心の大剣】(ヘルズ・ギドリ)を左手に持ち、【捕食者の影爪】(シャク・ロドエ)を右腕に嵌めたまま【戯剛の挙鍔】(グライ・インダー)なるグローブ型の武器から繰り出される攻撃と対峙していた。


 時間にして数秒の攻防戦に関わらず、永劫の時を歩んでいる感覚を味わう。

 【戯剛の挙鍔】(グライ・インダー)の性能が不明の段階だが【義心の大剣】(ヘルズ・ギドリ)なら最悪、攻撃を喰らっても大剣に能力を保存できる。


 赤い閃光に満ちている【戯剛の挙鍔】(グライ・インダー)の重い一発を【義心の大剣】(ヘルズ・ギドリ)の剣身で受け止めた。


 感触からして普通のパンチ攻撃。しかし、いかんせん重いジャブ。身体が多少、頑丈じゃなかったら吹っ飛んでしまう威力だった。何かに使えるかもしれないと思い持ち手にあるトリガーを引き、パンチの威力を吸収した。


 先日初のお披露目になった【魔魂封醒(フリーダム)硬朱の甲(フィスト)】は【義心の大剣】(ヘルズ・ギドリ)と似たような能力だけどちゃんと差分されている。


 【義心の大剣】(ヘルズ・ギドリ)は3つしか吸収できないストック数の問題や吸収した順番は変更できない問題があるが敵の攻撃手段を自由に擬似的に使用できる。


 【魔魂封醒(フリーダム)硬朱の甲(フィスト)】も無機物のマガジンを2本使用しないと起動できない。起動したらしたで敵のいかなる攻撃をも吸収対象になる。吸収したものは武器の威力上昇のためのエネルギーに変換される。威力が高ければ還元される威力も絶大。少なければ毒にも薬にならないエネルギー変換になってしまう。


 実はカメレオン型や爆橙の想争(ギ・バラッシュ)プラス緋山さんとの戦闘後に璃子さんが言っていたことがある。


 青奈ちゃんは気づいていたから硬朱の甲(フィスト)を使うのを躊躇い渋々発動したかもしれない。硬朱の甲(フィスト)を使っての最悪の運用方法。


 エネルギーを手に入れるのに敵からの攻撃を待つ必要がない。攻撃を身体に覆われている【騎士服(セファト)】か【巫女服(ミラバ)】が受ければ良いのだ。わかりやすく言うと【騎士服(セファト)】状態で車に撥ねられても発生するエネルギーを吸収できる。



 自ら危険な攻撃を受けることでも吸収対象になってしまうとか……



 私とこうちゃんはマゾヒストではないのでそんな運用は余程危険な状況以外では絶対にやらない。えっ!? 青奈ちゃん? 青奈ちゃんは……真性のエムじゃないよ。ちょっと、いやかなり特殊な性癖の持ち主。これを広めると青奈ちゃんからの制裁が降る。実はクロや璃子さんは知らないこと……






 左手に持っている【義心の大剣】(ヘルズ・ギドリ)を振り、刃を濃本のうもとにぶつけた。

 装甲には届かなかった。【戯剛の挙鍔】(グライ・インダー)を盾代わりに使いガードされた。

 トリガーを引き、溜めた能力を解放する。他に貯金している能力がないので1回トリガーを引くだけで【戯剛の挙鍔】(グライ・インダー)のパンチ攻撃を喰わすことができた。


 【義心の大剣】(ヘルズ・ギドリ)から波動が生まれ、濃本のうもとに迫る。

 大剣フルスイング+【戯剛の挙鍔】(グライ・インダー)のパンチ攻撃がナックルを通して衝撃が濃本のうもとの身体に伝わる。


 吹っ飛びこそしなかったが後退していく濃本のうもと。体勢がぐらついていた。強烈な一発を受けたことで【戯剛の挙鍔】(グライ・インダー)に僅かな亀裂が出始めた。


「中々、良い攻撃するじゃね〜か!!!」


 高威力の一撃を受けても尚、笑っている濃本のうもと


 拳を握り、私へ殴り掛かろうとする。【義心の大剣】(ヘルズ・ギドリ)で攻撃を吸収しているので右手にはめている【捕食者の影爪】(シャク・ロドエ)で迎え撃つ。



 再びぶつかり合う両者の拳。

 先程までとは違い、より鮮明に光輝く【戯剛の挙鍔】(グライ・インダー)。衝撃によって【捕食者の影爪】(シャク・ロドエ)が粉砕した。


 【リッキープレイド】が破壊されても貯蓄されている予備の爪が自動的に生えてくる。でも、この機能は【捕食者の影爪】(シャク・ロドエ)拳本体が無事であった場合のこと。粉々になってはどうすることもできない。



「——ッ!?」


 【捕食者の影爪】(シャク・ロドエ)は私たちがそれぞれ使用している専用武器の中でも一番の耐久力を有している籠手。以前は武者型に真っ二つに一刀両断されたがあれは例外的なこと。

 堅牢な籠手を粉砕できる武器を濃本のうもとが持っている事実に驚愕する私。


 右手に持っていた籠手が無くなったことで防御できる手段がない。【太義の蛮輪】(ブロ・ウォーガー)【裁紅の短剣】(ピュニ・レガ)【賊藍御前】(ティア・マ・タル)を出す寸前——


 一瞬の隙を見逃さなかった濃本のうもとが距離を縮め、横っ腹に蹴りを喰らう。




「ガハッ!?!?」


 口から鮮血が出る。身体が曲がった状態で横方向に吹っ飛ぶ私に対して追撃パンチを仕掛ける濃本のうもと。込み上げる痛みを我慢しながら【義心の大剣】(ヘルズ・ギドリ)を前に出して防御体勢を取る。


「逃さないぜっ!!!」


 横向きで低空移動している私を上から下へ叩き下そうとする右の【戯剛の挙鍔】(グライ・インダー)。ナックルからの攻撃を大剣の剣身で受けた。身体への追加のダメージはなかったが、代わりに【義心の大剣】(ヘルズ・ギドリ)が一撃で破壊された。


 なんで!? さっきまでは耐えれたのに……


 右側の【戯剛の挙鍔】(グライ・インダー)【義心の大剣】(ヘルズ・ギドリ)を撃破されたが濃本のうもとには左側の【戯剛の挙鍔】(グライ・インダー)が残っていた。


 私は片腕だけでバク転して【戯剛の挙鍔】(グライ・インダー)からの攻撃を回避する。

 左側の【戯剛の挙鍔】(グライ・インダー)が地面に当たった瞬間、地面が抉られクレーターのようになった。


 絶対におかしい……明らかに威力が増大していっている!? 



 地面に大きな穴が空くレベルのパンチ攻撃ができるなら初めからやれるはず。しかし濃本のうもとはそれをやらなかった。いや、出来ないと考えた方が自然かな。


 濃本のうもととの戦闘で変化が生じたものは……嗤い続ける顔? いや違う。


 なら......時間? 

 時間経過で倍加する能力を持っているナックス型の武器……




 体勢を整える私は右手に碧色の薙刀である【賊藍御前】(ティア・マ・タル)。左手には私の愛短剣である【裁紅の短剣】(ピュニ・レガ)を出現させた。


 二刀流の構えで迎え撃つ選択を取る。



「なんてものを作ってくれたのかしら……」






 嗤っている濃本のうもとの右拳の上には半透明の画面が浮いていた。

 【戯剛の挙鍔】(グライ・インダー)カウント:30/100


No.12 ウォーター 紫マゼンタ色 【 】

No.16 フォックス 煉瓦茶色

No.18 ??? ???色

No.35 スパイダー 赤紫色 【 】

No.40 スモーク ピンクマゼンタ色 【 】

No.46 ??? ???色

No.47 シャーク 青水色 

No.48 ボーン 茶橙色

No.50 ボム 黒橙色 【 】

No.52 ダイヤモンド 水白色

No.59 アイヴィー 緑黄緑色


武器種:ナイフ:【裁紅の短剣】(ピュニ・レガ)

武器種:薙刀:【賊藍御前】(ティア・マ・タル)

武器種:ガントレット:【捕食者の影爪】(シャク・ロドエ)✖️

武器種:大剣:【義心の大剣】(ヘルズ・ギドリ)✖️

武器種:片手剣:【将祇陽の護】(シャルキリー・シデン)



剣と槍(薙刀)の二刀流......大地、風、炎、竜......



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