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レッド・クイーンズ ~天織灯のあくまな怪盗生活~  作者: 麻莉
3章 7月 冱蝕の氷龍止めるわ、剣と拳
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43話 この世界はゲームではない

どうも、ビーストウォーズでテンションが少々おかしくなっている麻莉です。

このままセカンドもやってくれて良いんですよ! 

「いや〜、俺の出番がないとは……」

 次の日。平日の昼間、私は零冶さんの探偵事務所へ事後報告をした。


 カゲ型がコピーしても手に入ったのは身体の方だけだったからこうちゃんが蓄積した数々の戦闘経験とぶっつけ戦闘技術は二重に歩く者をモチーフにしているカゲ型でも対応できなかった。

 そこをついて無事成分を回収することができた。


 こうちゃんはいつもの無邪気に見えて私達の中で一番冷静に戦闘している。今回は変身後のこうちゃんの身体に失礼を働いたカゲ型のせいでフルボッコされてしまった。


 成分を回収してターゲットの姿が露わになる。

 ターゲットは古居さんたちを付け狙ういわゆるストーカーの類だった。

 ターゲットは記憶がなかったが古居さんたち以外にもストーカー行為をしていたことで別で警察に捕まる。古居さんにも犯人を捕まえたことを報告して一見落着で事件は終了を迎えた。


 しかし……


「それにしても、なんで犯人。あんなボロボロだったんだ?」

 零冶さんはテレビ映る犯人の姿を今朝見て、なんでボロ雑巾みたいに警察に連行されていたのか疑問だったらしい。


「さぁ〜柱にぶつかったんじゃないですか〜」


 私は右斜に顔を向け、零冶さんの視線を見ないようにした。

「……一応言っておくけど、姫が嘘をつく時はいつも右斜に顔を傾けるよ」


 えっ!? そうだったの? 無意識にやっていたから気が付かなかった……


「まぁ、何があったかは知らないけど、事件が無事解決できたから良しとしますか」



「それじゃあ、私は帰りますね」


 扉が閉まり部屋には零冶だけになる。

「しかし、姫は何で()()で来たんだ?」




 横断歩道に着く。歩行者専用の信号が赤信号になっていたため数分立ち止まった。


 青奈:……


 灯:……


 黄華:……2人とも何か言えよ


 青奈:黄華さまが行った所業は機密事項な案件。一介の高校生である私したちが拝見するなんて畏れ多いです……ふへへへ!


 灯:(自分の目を隠す)何も見てません。お許しください。黄華さま……ふふん〜


 黄華:もう知らん……


 灯:ごめん、こうちゃん。ちょっと揶揄っただけだよ


 青奈:だって、貴方が見るなって言うから私したちはその通りにしたのよ


 黄華:灯は許す。青奈はお仕置きだぁああ!!


 青奈:コラッ!? 来るなぁああああ!!!!!


 2人は相変わらず逃走したり捕獲からの処刑されたり、偶にガチバトル? を行なっていたりと仲が良いのか悪いのか私は時々、わからない心情に陥る。


 しかし、私も今朝、テレビを見ていたけどあんなに人の顔が変形してしまうとは夢にも思わなかった。人は暴走が加速するとああなってしまうのだと考えに耽る私。


 2人が戯れている光景を頭の隅っこに置きながら私は一緒に立ち止まっている人波にのって歩き始めた。今は平日の昼間。零冶さんの探偵事務所も周りは駅周辺ほどじゃないが騒乱のような賑わいだった。1人1人少なくのを気にせず、人通りが少ない道を歩き始める。

 しんと静まり返った道を1人淡々と歩き目的地へ進み。


 歩きこと15分。


 黄華:しかし、僕らの家は実はここじゃないかと思う時があるんだけど?


 妙にスッキリな顔をしているこうちゃんが私の視界をかえして景色を見る。

 私が到着したのは廃工場。何十年も使われている形跡がない。放置状態の土地なので周囲は背の高い草木が生い茂っている。こうちゃんが言ったことは何となく分かる。ソドールとの戦闘場は何故か廃工場か薄暗い路地裏が多い。市民に危害が加わらないから問題ないけど……


 室内に侵入する私。誰もいない室内は不気味な雰囲気が漂う。今が昼間で本当に助かっている。もしも夜に廃工場に入るもんなら暗黒の世界に誘われるかもしれない感覚を味わってしまう。


 足音が響く。私ともう1人。クロではない。クロは現在、復旧して数日が経過したみいうら学園でしっかり仕事している。

 私? 私はちゃんと休みました。まぁ、今日はどうしても学校に通う訳には行かなかったから。


 理由は……


「随分、歩かせてくれたな……」


 聞き覚えがない声だったけど明らかに私に対して声を出している。振り返る私。工場の正門付近に知らない男の子が立っていた。

 当然ながら、見知った顔ではない。完全に初めましての子ども。


「まぁ、いいや。ようやくアンタと戦えるんだから良しとしますか」

 ニッコリ笑うのは、私の胸部分くらいしかない身長の男の子。12歳〜13歳くらいの見た目。中学校に入るか入らないかそんな所。

 黒のシャツに黒のズボン、黒のブーツ。その上からこれまた黒のコートを着ている。左の手首には赤と青色のバングルみたいなアクセサリーを着けており、目に入ってしまう。



 零冶さんや近藤さん、そしてこの男の子も全員そうだけど……もう7月だよ。何のこだわりか知らないけどコートを羽織るのは遠慮してほしい。暑い季節にそんなコートを着ているもんなら周りの人々は余計暑く感じしてしまうこと間違えない。


 一応、言っておきますけど私たちが変身中に着用しているコートはちゃんと温度調整がされている代物。何より軽い見た目。


「私に何かご用ですか? ……ぼく?」


 色々怪しい風貌をしている男の子は笑う。

「それはないんじゃないですか? 僕がずっとつけているのを分かっていたから、こんな人気のない場所に来たんでしょう……」


 昨日、カゲ型の成分を回収した時にターゲットのポケットから1枚の紙を発見した。

 中身は古居さんたちを襲うこと。時が来ればおかしな格好の女が登場するから倒すことだった。


 人を襲う人は限られる。キレた隣人やストーカーの類。それが現代を生きている人の認識。もしその認識を超える者が現れた場合はどうするか。初めは警察に助けを求める。だが、事件が発生しないと出動しない。では、どうするか?

 答えは簡単。そういうのを相手にしている専門家を訪ねる。その中でも経験値が豊富な人を依頼人は調べる。さまざまな情報を入手し最後に辿り着くのが最も信頼されるもの。


 人ならざる者に襲われた。同様な事件が発生しても立ち所に解決してくれる人が存在する。その情報を得た何某さんは古居さんを襲うであろう人を見つける。今回はカゲ型のソドールのなった人がそれに該当する。元カゲ型の人はおかしな格好した女——つまり私たち。


 その私たちが出てくるまでは欲望の限りを尽くす。私たちが動き始めたら攻撃する。私たちが負ければ自分のモノにしても良いとでも目の前の何某さんは元カゲ型に行ったんでしょう。元カゲ型が負けても何某さんと一度あっただけの関係。


 更にソドールになった最中の記憶が高確率で消えるから下手に口を滑らせても問題ないと確信を持っていたと思う。


 だけど、敢えてポケットに手紙を入れたのは恐らく何某さんは……


「あんなに多額の金を渡したんだからそれに見合った成果を出して欲しかったよ。結局、奴は外れってことか」


「『ソドール人形』を彼に与えたの……?」


「それは違いますよ。元々、彼を狩る予定でした。だが、速攻で狩るより貴方を誘き寄せる餌にしようと考えに変更しました。1個を手に入れるより大量に能力を入手した方が効率が良いし自分が1番と誇れる。自分の努力がすぐ結果に結びつけれる。こんな楽しいことはない」


「君は何のために『ソドール』の力を集めているの……」


「シンプルですよ。こんな規格外の化け物の力を全て手に入れれば僕は誰よりも強い者になれる。人間を超えることができる。ゲームと同じだ!!!」


 私は怪訝な顔をする。

 私には分からない野望。何某さんはソドールの力を手に入れるのをゲームと勘違いしている。そんなもののためにソドールは存在してない……


 青奈:灯ちゃんの言う通りよ……実にくだらないわ


 黄華:良いね! 世間知らずのお子様にはちょっとお灸を添えないと……


 灯:私がやる……いや、私がやらないといけないの


 私には過去の記憶が一部を除いて存在してない。記憶が戻る兆しもない。私の頭に残っている過去に関するわずかな記憶……





 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 研究者が慌てている。

 太陽の光も入らない真っ白な部屋。ただ唯一他の景色が見えるガラス張りの窓から見えるのは私以外のクラスメイトが完全に化け物になっていく場面。これで何度目か分からない。来る日も来る日も人が背けたくなるような非人道的な人体実験。

 最初の5人くらいで化け物になってもう2度と人間には戻れないと結論が出ていても、最高責任者はそれでも実験を続けた。人体実験を強行したのだ。その結果、人間の形を保てているのは私を含めて5人。


 今も1人、化け物になり広々とした部屋で暴れていた。自我もなくただ目の前のモノを襲うだけの獰猛な化け物に成り下がる。



 一発の銃声。

 通常の火器ではあの化け物に太刀打ちできない。絶命できなくても動きを封じることは出来る。研究員の1人が使用したのは化け物を眠らすためのものなのかもしれない。麻酔銃か分からないが化け物に命中し私の部屋のガラスに顔から倒れた。


「ア”……な……た”……ダ……け”……で……モ”……イきテ……」


 その化け物は真っ白湯気に似た煙を身体から排出される。そして……


 私に前には気汚い人形が2つ出現した。人形を回収する研究員。

 私はそれをただ泣きながら見ることしか出来ずにいた。


「ごめんなさい……」

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜






「そう言えば、名乗ってしませんでしたね。僕は濃本竜胆のうもとりんどうです」


 濃本竜胆のうもとりんどうと名乗った男の子は手首に嵌めているバングルに手をのばす。

 左右に青色・赤色に分かれている腕輪型のアイテム。濃本竜胆のうもとりんどうは赤色の方を右に回す。


『POWER GORILLA』!!


 バングルが光始める。濃本のうもとの全身を包み込むように赤いSFチックな装甲が形成されていく。顔も機械的なマスクをかぶっているので変身前に見ていた表情が見えなくなった。

 腕にはゴリラの刺青っぽいものが刻み込まれているナックルが両腕に覆われている。


「早速、やりますか! この超業能魔(デカロ・イビルス)であんたを討ち取ってやるよ!!」


「そうね……貴方の持っている力、回収させて頂きます」

No.12 ウォーター 紫マゼンタ色 【 】

No.16 フォックス 煉瓦茶色

No.18 ??? ???色

No.35 スパイダー 赤紫色 【 】

No.40 スモーク ピンクマゼンタ色 【 】

No.47 シャーク 青水色 

No.48 ボーン 茶橙色

No.50 ボム 黒橙色 【 】

No.52 ダイヤモンド 水白色

No.59 アイヴィー 緑黄緑色

new

No.46 ??? ???色


濃本竜胆のうもとりんどう

No.13 ??? ???色

No.31 ゴリラ 橙黄色


紫色の名前しか入ってねえ......


哀れなカゲ型。

でも、あんな不届き者は槍で刺せばいいんだ......止めを指したのは鉤爪だけど


黄華:鉤爪とガントレットが融合→究極の勇気

緋山:籠手→ROOK

濃本:ナックル→クルミ


拳系が多い......


灯たちと濃本の戦いだし、璃子と丘螺の戦いでもある。

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