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レッド・クイーンズ ~天織灯のあくまな怪盗生活~  作者: 麻莉
3章 7月 冱蝕の氷龍止めるわ、剣と拳
152/193

35話 『無限』を超えて、この世に降り立つ!!

空戦機動行きます!!!!

 ◇


 建物の最上階へ続く階段を登り終えた緋山は息をする間もなく映画館の中から発せられた怒号で驚く。ここに入ったのはただの勘といっても良いが実はそうではない。昼間にちょっとした事件が発生した。この映画館に入った何十人の客が忽然と消えた。しかも隣にいた人が煙のように消えて誰も気づくことなく神隠しにあったのではないかと思わせる出来事が起きた。


 俺たちはソドールが現場にいれば駆けつけれるが、そうではない時には動くことが出来ない。

 別の課が捜査しても行方不明になっている人は発見されることがなく数時間が過ぎていた。


 不可解な事件で単独で捜査するつもりだったがその前に怪盗や悪魔が出現したので映画館の事件は後回しにしていた。


 先程、怪盗が消えた場所からこの建物は目と鼻の先の距離にある。そして、怪盗のいるところには必ずといっていいほど、ソドールが出没する。何か因果関係あると考え、無断で無人の建物に入ったがどうやら当たりのようだ。聞き覚えのある声が響いていた。


 恐らく怪盗とソドールは戦闘中。そこで何かあったのであろう。

 緋山は臨戦体勢でシアター部屋へ進む。




 ◆◇◆


 青奈の目に鮮緑の閃きがうつる。

(漸く来たわね……)


 クイーンズブラスターの青色スライドキーを外し、翠の陰包徳(リ・エミナァーデ)が自動で差し込めれる。


 純白な巫女服で鮮緑な羽衣を身につけた青奈は空を飛ぶ。

 低空かはか定かではないが衣を広げ滑空する。


 上空に向かう軌道へ進行。自分が空の移動を練習してなかったのがいけないけど、羽衣の扱いに慣れていない。ミドリに飛行を任せるとウサギ型と同じように酔ってしまい後続の戦闘に響く。




「嘘でしょう!?」


 私し達を出したくないのかカメレオン型は無限にビルを生成し落下させてきた。

 1本のビルが近づく。落下してくるビルに当たらないように螺旋を描きながら上昇する。


 斜めに上空宙返りしながら速度を落とすことなく高度を上げていく。


 この身体や翠の陰包徳(リ・エミナァーデ)の巫女バージョンの【ミラバ】があって初めて可能になる飛行技術。飛行機が私しと同じ操作を行うと機体のバランスが取れなくなる。本来は減速しながら方向を変えなきゃらないが一刻も早くこの空間からの脱出が最優先事項なので多少、無理をしながら運転している。速度が増大したことでもう少しで扉へ辿り着く。


「させるかぁ!!!」


 カメレオン型が再び『外』側に入り扉を閉じようとしていた。ゆっくり閉じていく扉。

 現状、時間稼ぎができる手が1つしかない。マガジンを2つ上へ投げる。同時にクイーンズブラスターと将祇陽の護(シャルキリー・シデン)のマガジン差し込み口を投擲されたマガジンにピッタリ合うように構える。落ちてきたマガジンは同時に装填された。




『ボム』!

『スパイダー』!




魔魂封醒(フリーダム)起動!!」


 将祇陽の護(シャルキリー・シデン)の剣身が鮮やかな緑色の閃光が巻き付く。

 正確に決めるためにその場で一時停止し、身体を捻らせる。青奈の身体から波動が色濃く放ち続けた。そして、溜めた姿勢をとっていた緑白色のロングソードを下から上へ振り上げる。



魔魂封醒(フリーダム):【速朱の流(ストライク)】」



 将祇陽の護(シャルキリー・シデン)の剣身から迸る緑色の閃光が放たれ標的目掛けていく。

 鋭い線となっていく閃光は一点へ集中しいく。両開きの扉はその攻撃の餌食になった。



「完全な全開きで無防備な扉なんて泥棒に入ってどうぞの合図でしょう!!」



『外』側へ侵入成功した。ある意味、水平飛行をしていた青奈は急いで宙返りしてシアター部屋の床に顔面直撃を免れる。流石に酔いが限界を迎えそうになったきたので巫女服の【ミラバ】から騎士服の【セファト】の換装した。飛行能力を失った私しは床の感触を感じながら転がる。


 箱のような形のシアター部屋。いくら転がっても必ず終着地点が存在する。背中が壁にダイレクトに当たり上下逆さまの身体で静止した。

 平衡感覚がないので将祇陽の護(シャルキリー・シデン)を杖代わりにして立ち上げる。


 体勢を戻し状況を整理しようとした。ミドリのアナウンスの元、将祇陽の護(シャルキリー・シデン)とクイーンズブラスターに装填した【ボム】と【スパイダー】が力を失う。



 ミドリ:【速朱の流(ストライク)】が終了したわ


 ミドリ:良かった!!! 一時はどうなるかと思ったわ


 灯:心配かけてごめんね、ミドリ


 ミドリ:3人が無事ならあたしは問題ないよ。でも、後でクロはんを労りなさい


 3人:「「「了解っ!!」」」


 青奈:さてと……



ブラック(クロ)は周りにいる人を救出して……」


ブルー(青奈)はどうする?」


「決まってるでしょう!!」


 杖代わりしていた将祇陽の護(シャルキリー・シデン)を未だに天井に張り付いているカメレオン型に宣誓布告をたたき出した。


「……貴方の成分、頂くわよ!!!」




 No.12 ウォーター 紫マゼンタ色 

 No.16 フォックス 煉瓦茶色

 No.35 スパイダー 赤紫色 【 】

 No.40 スモーク ピンクマゼンタ色

 No.47 シャーク 青水色 

 No.48 ボーン 茶橙色

 No.50 ボム 黒橙色 【 】

 No.52 ダイヤモンド 水白色

 No.59 アイヴィー 緑黄緑色








 同時刻———


 星々が輝く空にオレンジ色の光が移動していた——誰かを求めて

 ただ、一直線に飛来していく。



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