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レッド・クイーンズ ~天織灯のあくまな怪盗生活~  作者: 麻莉
3章 7月 冱蝕の氷龍止めるわ、剣と拳
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25話 清浄ノ极巨水流刃

ようやく......

 マスケットタイプのクイーンズブラスターにマガジンを装填した。


『ウォーター』!





 毒毒しいマガジンから外に出てきたのは毒とは正反対な色で透明度が高く水に濁りが全くない。

 そんな澄んだ水が将祇陽の護(シャルキリー・シデン)の剣身に纏わりつく。



 もしかしらシンソ状態ではない、本来の武者型はこうだったかもしれない。刀に水が癒合ゆごうした状態。


(こう言っちゃ悪いけど実現ができたかな……)




 ミドリ任せの移動は私達の先程の状態を察して威力を弱めてくれた。それでも音速レベルになりマスクで防いでも感じてしまう。風が顔を殴りつける感覚。


 それでも私は怯まず進む。

 ウサギ型も光速移動を警戒してか煙弾を放つの止め煙ランスで防御の姿勢で向かい打つ。


 防御している煙ランスを無視して打ち合うことしなかった。斜めに踏み込みながら将祇陽の護(シャルキリー・シデン)を水平に旋回させる。ウサギ型も想定していたのか将祇陽の護(シャルキリー・シデン)の動きに合わせて煙ランスの向きを変えた。


 煙に少しでも当たれば将祇陽の護(シャルキリー・シデン)であっても動きを封じられる。

 多少賭けだけどこれしかウサギ型に近づけない。


 当然、煙ランスを引き寄せることは予想できた。だからこそ、【ボム】をつけた状態で将祇陽の護(シャルキリー・シデン)を振ったのだ。将祇陽の護(シャルキリー・シデン)が煙に触れた瞬間に【ボム】を起動した。



 ウサギ型の腕に巻き付いている煙は綺麗さっぱり無くなった。

「——ッ!?」


 あまりのも不可解な現象に驚くウサギ型だった。


(賭けはどうやら私達の勝ちのようね!!)



 煙というものは色々な色を持っている。有名なのは黒色・白色。

 黒色の煙は煤が混じった状態の不完全燃焼。固形物や不燃成分があると発生してしまう煙で有害である。もしウサギ型がこちらなら【ボム】の爆弾で吹き飛ばす選択もあった。


 酸素が足りないならそもそも酸素を無くせば良いのでないかと考えた。爆弾を投げることで爆風が生じる。爆風でかき消されたことで周囲の酸素が一気になくなる。黒色の煙の中は炭素と酸素が上手く力を合わせて燃やすことができなかった状態。

 炭素とマイナス酸素で黒色の煙が発生してしまうなら酸素なんて無くせば良いわけ。本当は燃焼の出力を減らせば幾分か黒い煙をなくせるが生憎、その手の装置やマガジンは持ち合わせがない。


 白色の煙の場合は黒色の煙よりかは有害物質が少ない。今私がいる空間が屋外なので気にしないが白い煙が屋内にあり、密閉された空間で充満していたら酸素が足りなくなり呼吸困難を引き起こしてしまう。所謂、一酸化炭素中毒になる。



(本当に外で助かったよ……)

 外の状態の白い煙なら二酸化炭素と水蒸気で構成されている煙。水蒸気……水なら【ウォーター】の出番。




 No.12 ウォーター 紫マゼンタ色


 クイーンズブラスターに装填することで起動可能。

 発動と同時に起動者の武器か起動者本人に水が纏わりつく。水流の様になった武器には水を放出・吸収の攻撃方法が追加される。クイーンズブラスターに【ウォーター】を纏わせると水の塊を撃てる。それぞれの専用武器に纏わせると【放出】は文字通り水の塊を打つことができ、敵を撃ち貫くことが可能で風穴が容易に開く威力。訓練すれば槍状に水を変形させ放つこともできる。水でできた斬撃も放つことができる。


【吸収】では水を吸収する。僅かな水溜まりも海でも水がある所に量を選んで吸収可能。返却可能。吸収された水達はそのまま養分となりクイーンズブラスターか起動者に纏わせることもできる。転用設定されている量はクイーンズブラスターで1トン。起動者に纏わせるためには100トンの水が必要になる。


 この量はあくまで複数箇所に【ウォーター】を使うためのもの。単体では量は関係なく使用できるが砂漠などの干上がっている場所では【ウォーター】の水分量が減少していく。


 将祇陽の護(シャルキリー・シデン)に【ウォーター】を纏わせたことで白い煙を対処できる。

 水蒸気、つまり水が入っている煙。専用武器に纏わせ時に使える能力【吸収】で煙の中の水を奪い去る。水蒸気を失った煙は形を保つことができなくなり無になっていく。


 ウサギ型は急いでベルトに嵌め込まれているショットシェル型の煙弾を取り出そうとするが将祇陽の護(シャルキリー・シデン)を円弧に描きながら1回転してショットシェル型の煙弾を上と下に両断した。ついでに残りの銃弾も使用不能にした。


 これで煙を生成できる銃弾は全て使えなくした。残るはウサギ型本体。

 煙の能力に注意していたが筋肉モリモリのウサギであった。ボディービルダーも歓喜の仕上がりを見せている身体が貧弱な訳がない。




 一気に突っ込んで私の胴体に突撃するか足を持って放り込もうとしていた。

 私はジャンプして空中で身体を縦に回転させて踵落としを実行する。

 飛び上がった状態でミドリの操作で音速の回転が可能になり、そのまま鋭角に降下しながらウサギ型の脳天を蹴り落とした。

 強烈な踵下ろしをくらったウサギ型はふらふら、酒を浴びるように飲んだ人に起きる現象——酔っぱらいに似た動きを見せた。




 そして、将祇陽の護(シャルキリー・シデン)を下方から横に薙ぎ払う。

 将祇陽の護(シャルキリー・シデン)の軌跡を車輪の様に回転させた。そのまま足のつま先を180度回転させる。斬られたことでその場に後ろへ倒れていくウサギ型、倒れるウサギ型に背を向ける私。


 背を向けたのは一種の勝利宣言。これ以上、ウサギ型は起き上がれない確信を持ったからこそ取った行動。




 大の字で地面に倒れたウサギ型。白目をむき完全に戦闘不能になっていた。


 急がなくても良いが成分を抜く。抜かれたことでウサギの姿から人間に戻っていく。


 ウサギ型状態では上半身の衣服は弾け飛んでいった。しかし、人間に戻った時にはどういう原理かわからないが衣服も修復され変態前の状態になってる。





「ウサギ型の成分採取成功!!」

油田消火......



No.12 ウォーター 紫マゼンタ色 

No.16 フォックス 煉瓦茶色

No.35 スパイダー 赤紫色

No.47 シャーク 青水色 

No.48 ボーン 茶橙色

No.50 ボム 黒橙色

No.52 ダイヤモンド 水白色

No.59 アイヴィー 緑黄緑色


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No.40 ??? ???色

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