14話 灯ちゃんの敵は私しが排除するわ
目が覚めると、そこには満天の青空があった。
前にこっちに来た時はあの浮遊ヤロウの時か......
うん?? 頭がやけに柔らかい??
身体を起こし、後ろを向くとそこには、あの悪魔がいた......
「大丈夫? 灯? あの掲示板に載っていた新聞だけど、生徒が集まりし過ぎて中々、動かなかったから撤去になったわ。でも、写真を撮られたのは痛かったけど、私達の正体は気付かれてえいないわ」
私しは悪魔に皺だらけの紙を見せた。
「失態だわ」
「そうね 私しならこんなミスは起こさないわ」
うん?? 声質が変わってる? 私し?? まさか......
「久しぶりね 悪魔。早速だけど、ヘアゴムある?」
私は灯にヘアゴムを渡した。受け取ると後ろへ一纏めしてポニーテールにしている灯。
ここに天織灯ではなく,天織青奈が降臨した。
「さぁ!! この私しを脅したやつを潰すわよ」
碧眼で満遍の笑みで笑っているが、目じりを吊り上げながら殺意的なオーラが洩れていた......
▪️▪️:わぁ〜。相手は誰か知らないけど、相当、怒ってるな......
灯:黄ちゃんも怒ってない???
黄華:まぁ、ここまでコケにされちゃ〜ねぇ......
さあさあ、例の女の子はどうしてるかな?
天織灯 半年前にこの学園に転入してきた子。周りから”天使” ”女神”などを言われている。
転入してから半年経った今でも、人気が落ちるところか鰻登りのように人気が出ていた。
少し寡黙な所を除けば、完璧な女子高生......。
この前の休日に張っていた甲斐があったわね
あの2人には言っていない。男どもに言ったら何するか分かったもんじゃない。ちょっと、したイタズラのつもりだったがひどく乱れていたな〜
彼女がいるクラスに着き、クラスの中を扉越しで見つめてみた。
そこに居たのは、1つ結びにしたストレート髮にとても友好的にクラスメイトに話す天織灯がいた。
「へぇ〜。これが今、流行りの化粧品か〜。良いね〜」
「そ、そんなんです天織さん!!」
「天織さんはすごいお洒落ですよね!! 何か特別な事してるんですか?」
「灯で良いわよ!! 特に特別な事はしてないかな。強いていうなら母の友人から新作の化粧品をモニターと称して貰っている位!!」
「灯さんのポニーテール姿、素敵です!」
「ありがとうね。嬉しいわ!」
「あ、灯さん!! 彼氏とか居るんですか?」
その質問にクラスの生徒だけではなく、偶々、廊下に居た生徒も聞き耳していた......。
私しは顎に右手の人差し指を当てて微笑む。
「どうかしら————想像にお任せますわ!!」
女子からは黄色歓声が、なぜか男子はギスギスして変な顔していた......
あれは、誰??
この私、橋間すずが思った率直な感想だった。
この数十分で何があった??
明らかに、別人みたいな仕草をしている。
「ちょっと、失礼しますわ」
こちらに向かって歩いてきた......
「これ、落ちていましたわよ?」
「えぇ?」
そう言われ、折り畳まれた紙を渡された......
「会いたかったわ!! Hさん———放課後が楽しみね!!」
血の気が引きまくって青白い顔になりながら振り向くと......
そこにはこちらが絶対に見るであろうと予想してたかのような凍りついた目で見つめていた。