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レッド・クイーンズ ~天織灯のあくまな怪盗生活~  作者: 麻莉
1章 4月~5月 新米女怪盗は1歩を進む
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13話 恐怖の限界値を超えると人は変わるわよ

 路地裏というものは、表通りで毎日祭りのように騒がしい反面、人の数はそんなに居ず、閑散としており、目立たない場所であり、陽の光もあまり当たらず、薄暗いイメージが定着しているため、積極的に入りたいとは思わない。なので、ここに人ではない異質な存在、人ならざるものがいても誰も気に留めない。


 路地裏の更に奥に行くと少し開けは場所があり、そこに影が2つ点在していた。


「オマエソノテドウスルンダ??」

 不意を突かれてしまい、黒服に手を切断されてしまったガイコツは特に気にしていなかった。


「アンシンシロ ボスガナントカシテクレル」

 そうこうしている内に2体に迫る影が1つ。


「やあやあ、2人とも災難だったね」

 2体は声がする方に身体ごと向けると眼鏡をかけたおさげの女の子が姿を現した。

 彼女は背負っていたリュックから写真を収納するバインダー式アルバムを出し、目的のページにむかって捲り始めると1枚の写真を取り出した。


 そこには、目の前にいるガイコツ型のソドールの等身大の姿が映す出されていた。ドッペルゲンガーのように瓜二つであるが、一箇所だけ、間違い探しでは初級レベルで分かる違いだった。


「手、見事にやられたね」

 体格差があり上を向く事しかできない女の子がニヤニヤしながら言った。


「手、出して」

 そう言われ、切断された右腕を目の前に出し、女の子の方は写真を右手の切断面に付着させた。

 すると、切断面が目を開けることができくらいに光が輝き出した。

 輝きが収まり、先程、目視していた光景に戻ると切断されていた右手は切断される前、何もなかったかのようにそこに現れていた。


 手を開いたり、閉じたりと動作確認をし、正常に動かせると分かった。


「修復完了したし、人間に戻っても良いわよ」

 そう言われ、2体は2人に戻った。

 先程まで、かなり丸みもあり重量もそこそこあると思われたアルマジロからヒョロガリの男が現れ、反対に、骨のみで肉と呼べるものがないガイコツからお腹が重課金して日に日にアップグレードしている男が現れた。

 2人の足元には手作りで作られたような全身に包帯が巻かれた人形が落ちていた。


「2人とも明日の学園新聞仕上げるわよ」


「「了解!!」」


 3人はそのまま、たわいの無い話をしながら路地裏を後にした。




 4月も中旬に差し掛かり、ちょっと前まで至る所に咲いていた桜は、そのほとんどが下に集まっておる。寒さも和らぎ少し過ごしやすい時期になった。


 灯は2体のソドールについてどのような対策をするべきか頭を悩ませながら、登校している時に学生棟入口に人が集まっているのが目に入った。

 学生なら入口に集まるのは当たり前だが中に入るために行動する者は少なく入口前に設置されているそこそこ横に長いアルミ製屋外掲示板に人が止まっていた。


 木ッ菩魅烏学生新聞

[未知と闘う女達]

 今まで、噂されてきた女怪盗の姿を独占入手!!

 『女怪盗は1人での活動ではなく、複数人と判明』

 『休日の街に突如として現れた怪物と闘う女怪盗』

 『彼女達が闘う理由とは?』


 学生新聞一面、私ことレッドクイーンのことが記事になっている。

 今までは、鮮明な画像はなくぼかした程度の写真は出回っていたが、というよりもクロの力で戦闘が行われている場所を中心に薄い膜が形成され、膜の外にいる人にはぼかしした姿しか見えないようになっている。しかし、新聞に載せられている画像には高画質な怪盗服に身を包む私の姿がそこにあった。丁度、捕まっている時の写真を使われていたため、顔には出さなかったが、内心では、赤面一直線になっており、悶えている状況に陥っている。


 新聞の左下には『次号、怪盗の正体に迫る』と予告記事が書かれていた。



 こっちのことも対策しなくては......

 上着ポケットから携帯端末を取り出すとポケットに丸まった紙が出てきた。

 入れた覚えがないと疑問に思いながら広げてみると......


『あなたの正体を知っています』

 放課後、部活棟4階新聞部まで来てください。  ーー親愛なるHより



 徐々に心拍と脈が乱れ始めた。一目散に人気のないところに行き、治るのを待った......


 どうしよう?どうしよう?どうしよう?どうしよう?どうしよう?どうしよう?どうしよう?

 なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?



 いろんなことを考えている内に、頭の中がグチャグチャになり頭痛もめまいもしてきた。

 幻覚や幻聴、手先が少しずつ振動し始め、鳩尾あたりが締め付けられる感覚に近い鋭い痛みを感じた。冷や汗が出るくらいの汗が出てきた。


 正常な判断が出来ずになっており、座っていた椅子に横たわってしまった。




 目を覚ますと、目の前には木製の椅子が一脚置いてあった。

 一脚の椅子を中心に大文字Yのように先端にかけて光が伸びている。その先に1人1人立っていた。



 ✖️✖️:だから、言わんこっちゃない 私しが代わりましょうか


 ▪️▪️:なら、僕が代わるよ!!


 ✖️✖️:あなたみたいな狂人に代わったら灯ちゃんの高校生活が黒歴史になるわ


 ▪️▪️:言ってくれるじゃないのこの痴女がぁぁ!!!


 ✖️✖️:この完璧な身体のどこが駄目なのかしら? お子様?


 ▪️▪️:おぉっ! ケンカなら買うよ!!


 ✖️✖️:来なさい!! 買ってあげるわよ!!


 2人は相変わらず敬遠の仲、水と油の関係。

「2人とも訊いて」

 2人が互いにメンチを切り合っていたので間に入って静止した。


「落ち着いてください」



 ✖️✖️:まず、灯ちゃんが落ち着きなさい......


 ▪️▪️:そうだよ。今の君の精神状態だと2人の内、どちらか代わるしかないと思うんだけど......


「そ、それは......」

 2人が心配するのも分かる。今の私の精神状態では治るまでどっちかに代わる方がいいのかもしれない......



 ✖️✖️:この空間で外の情報は見てるから状況は把握しているわ


 ▪️▪️:だったら、僕の方が適任じゃない? この手紙の犯人を黙らせられるけど?


 ✖️✖️:考えが厳ついんだけど? 私しの方が効率的だと思うんだけど......


 ▪️▪️:男ならイチコロだと思うけど、女だったらどうするのよ。はぁ———(溜息)


 ✖️✖️:女でも大丈夫だけど(真顔)


「ごめんね。私のために」

 皺になる位にスカートを握っていた。


 ✖️✖️:私し達は灯ちゃんを守るためにいるんだから


 ▪️▪️:そうだぜ。まぁ、僕が一番有能だけどね



 ✖️✖️は笑顔で私の頭を撫で▪️▪️はサムズアップをしてくれた。



 ✖️✖️:こうしましょう! 私しが学生生活を戦闘は▪️▪️が担当かな。敵が少なくとも2体いる。あなたは戦闘面では多少、使えることだし......


 ▪️▪️:まぁ、今回はそうしますか〜。おい、多少ってどういうことだ!!!


 ✖️✖️がそのまま中央の椅子に座る。


 ✖️✖️:じゃあ、行ってくるわね!!


「お願い 青奈(せな)ちゃん!!」

 手を振りながら次第に腕の力がなくなり全身が脱力しながら眠りについた。


青奈せな

精神年齢は女子大生位。

大人な女性

灯LOVE


灯は生まれたての赤ん坊。


灯が恐怖や焦りの状態で精神的なダメージが大きい時、それを守るために入れ替わる。

守るだけのために入れ替わるのではなく普段の生活でも出てくることは可能だが本人がそこまで外に興味がないらしい


灯のことになると色々。おかしくなる??



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