シマリスと桜
わたしたちの家族が引っ越してきた家の前には小さな公園がありました。ドングリや栗や柿の木に囲まれた公園の隅っこに桜の木が一本立っていました。
ある日、ペットショップでシマリスを一匹買ってもらいました。そのシマリスにわたしはモモちゃんという名前をつけました。
モモちゃんが、ほっぺいっぱいにひまわりの種をほおばる姿は癒されるというかとっても可愛いいのです。
飼ってどれくらいだったんでしょう。シマリスのモモちゃんは目を閉じたまま体を丸めて動かなくなってしまいました。
悲しかったけれどモモちゃんのお墓をつくりました。
わたしは公園の桜の木の下の土の中にモモちゃんを埋めました。
冬の眠りからさめた春。桜の木の下の土に穴があいています。?
風に舞う桜吹雪。淡く薄いピンク色の桜の花びらがひとひら。わたしの髪にとまりました。
ふと見あげるとモモちゃんが桜の木の枝から、わたしをひょっこり見つめていました。