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短編  作者: 月読雨月
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守りたいもの

 守りたいもの


目が覚めた時、私は此処にいた。自分が何者なのか、此処は何処なのかは、解らない。けど、

「守らなきゃ……」

この迷路のような場所に点在する、データを守らないとという思い、そして、この迷路の地図が頭に入っていた。また、頭の中に、

「こちら異常なしです。ドキュメント方面は大丈夫ですか?」

そうだ、ここはドキュメントエリア、なら私が返事しないと、

「ドキュメントエリア、侵入者いません。大丈夫です」

するとゆっくりと、周りが暗くなり、今日の終業の時間を告げた。私達、私そっくりの人たちが寝床に戻り寝る。そして周りが明るくなると同時に、また今日の持ち場を見張るそんな日々が続いていたのだが、ある日考えてしまった。なんで私達はこのデータ達を守っているのだろうと、だから私達は、

「ちょっと私を通しなさいよ。ちょっと中身書き換えるだけだから」

と彼女は偉そうに、言う私は自分の気持ちを確かめるために、

「いいですよ」

「え、いいの?」

「うん。いいですよ」

と通してみた。通したら私は、私の気持ちはどう動くのだろう、このデータなどはどうなってしまうのかというのも興味あったが、一番気になったのは、やっぱり、何故これを守っているのかだった。

「ありがとね、これでノルマ達成だわ。ホームに帰れるわ」

そして少しすると、いつも通りデータの一部が持ち上げられたが、すぐ戻ってきた。そして、辺りが暗くなり、皆休憩に入った。私は眠りに付くと、初めて夢を見た。

「うっ、うっ、ううっ、なんで私の大事なデータ壊れているの? セキュリティは万全のはずなのに……私の作った、人工知能のセキュリティソフトは万全のはずなのに……。明日ちゃんと、セキュリティソフトのメンテナンスしなきゃ、今日はもう寝よう……」

その夢を見て私は分かってしまった。私はこの人の作ったウイルス対策ソフトだという事、私はpcの中にいる事、そして私はこの人を泣かしてしまったこと。

「そうだ……」

私は泣いていた。彼女を泣かしてしまった事、そして何故か少しノイズのかかった記憶の中に、自分の使っているpcがウイルスにかかった記憶があった。多分これは私の人格を形作るために使った、製作者の記憶だろう。私は起き上がるとドキュメントフォルダに向かい、すべての被害状況を見た。

「これなら何とかなるかな……」

私は毎日これの中身が書き換わってないかも見てきた、このあたりの防衛を任されていたから、だから分かる。すべてを元通り、私の中にあるバックアップと取り換え、すべてを元に戻した。そして、pcが立ち上がった時に、

『昨日は守れなくて申し訳ございません。データは修復さして頂きました。どうかアンインストールしないで下さい』

と出るように設定、私は寝床に戻った。これからは何も起こさせない。あの人を守るんだ! と心に決めて。

此方は前の二つとは違う世界観となっております。自分はPCを詳しくは知らないので少し心配なのですが、けど思いついたから書いてみた作品です。楽しんで読んでいただけると幸いです。

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