第3話 強敵!?ホーンラビット!!
誤字報告ありがとうございます!!これからもよろしくお願いしますm(__)m
「グッ・・・ガ・・・・」
【種族レベルが上昇しました】
【種族レベルが上昇しました】
【ジョブレベルが上昇しました】
【ジョブレベルが上昇しました】
【『気配感知』のレベルが上昇しました】
【『足掻き』のレベルが上昇しました】
【『成長回復』のレベルが上昇しました】
ゴブリンの首から血が噴き出し、レベルアップを告げるアナウンスが頭の中に鳴り響く。
「ふぅ、これでレベル0.9・・・あと0.1レべでレベル1になれるわけだ。っと、ステータスステータス、STRとAGIにポイント振って」
◇アバター名:極夜
◇性別:オス
◇種族:紫鬼
◇ジョブ:侍Lv0.9
◇状態:風邪《致命》・疲労《深刻》
Lv:0.9
HP:0.8/0.8
MP:0.5/0.5
STR:2.3
VIT:0(0.01)
INT:0(0.01)
MND:0(0.01)
DEX:0(0.01)
AGI:7
LUK:0(0.01)
◇ステータスポイント:0
◇ノーマルスキル
▽アグレッシブ
・練気Lv2・気功Lv2・隠密Lv1
▽パッシブ
・刀術Lv1・HP自動回復(小)Lv2・忍び足Lv2・奇襲Lv1・気配感知Lv2
◇種族スキル
▽特性
・貧弱(極大)・病弱(極大)・脆弱(極大)
▽アグレッシブ
▽パッシブ
・足掻きLv2・成長回復Lv3
◇スキルポイント:8
◇装備
左手:なし
右手:錆びた小刀
頭:なし
胴:なし
腕:なし
腰:布切れ
足:なし
アクセサリー:なし
◇称号
『ユニーク』『紙装甲』『弱きを極めた者』『三大弱』『真の最弱種族』
「あー、やっぱりレベルアップでステータスが上昇しない。本来は初期値×レベルのステータスになるはずだからなぁ。レベル1未満は論外ですってか。きびしーねー、おい。まあ、ステータスポイントとスキルポイントは貰えてるんだから、儲けもんか?」
ステータスポイントは種族レベルが上がるたびに六、スキルポイントはジョブレベルが上がるたびに一、ポイントが獲得できる。
あー、でもポイント振ってもきっちり十分の一になるんだよなあ。おっ、スキルポイントが8も溜まってる。次でレベル1になれるだろうし、何かとっておこうかな?っていう訳で選んでみた。
・識別Lv1:種族とレベルが分かる。レベルが10レベル以上離れていると見ることが出来ない。スキルレベル上昇で制限は緩和される。消費ポイント5ポイント
・転がるLv1:転がる時の反応速度・移動速度が微増する・・・・ただそれだけ。消費ポイント2ポイント
【条件:『気配感知』Lv1かつ『識別』Lv1を達成しました】
【『気配感知』が『気配察知』に変化しました】
条件達成だぁ?スキル取っただけで条件達成できるスキルってどんだけお得なんだよ。まあいいや、性能は確認しとかないとな。
・気配察知Lv1:気配を感知する。気配感知とは違い一度会ったことのある種族ならばその気配を覚え、特定することが出来る。また、気配の大小で強さが分かるようになった。レベルが上がれば、個人の特定、殺気の有無の判別も可能。レベル1で半径20m。―条件:索敵系スキルと鑑定系スキルを取得していること。
使えるな、このスキル!特に種族の特定と敵の強さが大雑把に分かるのは良い。2匹目を倒した後、3匹目を探してる最中に人族の気配とゴブリンの気配の違いが分からなくて苦労してたんだ。まあ、強さに関しては直感で何とかしてた。そろそろ、直感系スキルが手に入ってもいいと思う。
さて、探しやすくなったことだし、もう行くか!成長回復がレベル2にレベルアップしたお陰で回復量が20%になったとはいえ、時間が無いのは変わらない。さっきの戦いでレベル3になったし、今の回復量は30%ってところか。こんなにレベルが上がりやすいと救済措置感が半端ないな。因みにHP自動回復(小)はレベルアップしても時間が一秒短くなっただけだった。マジで効率わりー。
取り敢えず、移動しつつ、気配に集中して・・・。あー、ダメだ。弱いゴブリンの近くにプレーヤーっぽい気配が必ずいる。
そう、ここグリール大森林南東部の浅い場所はそのレベルの低さから初期プレイヤーの絶好の狩場となっている。そのため、俺も移動中に何度か初期装備のプレイヤーを見かけていた。はっきり言おう、今の俺がプレイヤーに見つかったら一溜まりもない。
如何やら、レベル2の魔物の周りにもプレイヤーが大量にいるようだな。・・・・埒が明かん、こうなったら俺の探知圏内にいる最強の存在であるレベル3の奴のところに行くしかないようだ。
そうと決まれば、直行直行!善は急げってな!隠密全開で行くぜー!!
俺は森の少し開けた場所にいる敵を視認した瞬間に感じた。うん、ヤバい。あれはヤバい。完全に俺の天敵だ。何故なら相手は
ホーンラビット Lv3
そう、ホーンラビット、どう考えてもAGI重視のエネミーです。ありがとうございました。しかも、レベル3とか死ぬわ!!だが、ここまで時間を消費してしまったら後は戦うしかない。くっ、運営マジで殺す!
隠密をフル活用して背後に回り、少しずつ近づいて行く。そっとだ、そっとだぞ、俺。ここで死ぬとかマジ勘弁だぞ。そう慎重に慎重に、あと少しで剣の間合いだ。ゆっくりと構えを取って・・・おっ?耳がピクピク動いて?グルんとこっち向いた!?うお!!
俺が横に転がると同時にさっきまで俺がいた場所を白い毛玉が通過した。
・・・あ、あっぶねー!あともう少しで串刺しになるところだったんですけど!?死ぬ死ぬ死ぬ死ぬー!!マジで死ねるわ!!疲労困憊で病を患っている人に対してなんて仕打ちだ!
「ギュアー!」
可愛い系の見た目で放っていい鳴き声かそれは!?いや、ギリギリセーフ、か?って、おわ!くっ、こんなこと考えてる場合じゃなかった!まさか、こんなにも連続で『転がる』スキルが役に立つとは!?余ってたポイントで役に立てばいいなーくらいで取っただけなのに!
時間がないとはいえ格上と戦うときは、まず相手を観察することが大切だ。体の大きさは普通のウサギの1.5~2倍くらいか?で額からドデカいドリルが一本は得ているわけだ。そして、赤いつぶらな瞳・・・・ケモナーを殺しに来てるな。このウサギの討伐以来とかケモナーどもは絶対に受けないと確信できる見た目だ。エンカウントしても嬉々としてやられそうだ。
カウンター一択しかないな。このクソウサギ脳筋そうだし、そろそろ俺の体力も1%になる。すれ違いざまにカウンターを一撃首に入れる。チャンスは一度きり、まあ、分の悪い賭けは嫌いではない。それに『気功』がレベル2になった際に、気の圧縮ができるようになった。ただ、レベルが低いせいか今の最大値二百秒を一秒に圧縮して漸く、上昇率が100%になる程度だったが、それで十分だ。
ホーンラビットが屈んでためを作る。丁度、こっちの『足掻き』も発動した。ホーンラビットとの睨み合いが続く。俺は下段の構えを取る。来るっ!
「ギューッ!!」
飛びかかってくるホーンラビット。ここだ!気を圧縮して強化してから、左にホーンラビットの突撃を交わし、すれ違いざまに首へ一閃。
「シッ!!」
血を吹き出しながら飛んでいくホーンラビットの首。ドサーっと音を立てて地面を転がる首無しの身体。ああ、これはケモナーに見せたら、俺殺されるわー。
このゲーム、血までリアルだな。因みにこの血のエフェクトはきっちり15歳以上でなければ出るようにすることはできない。つまり、14歳以下は強制的に切った部分に赤い線が入るだけのエフェクトになるようになっている。
ただ、態々血のエフェクトを採用してるプレイヤーは狂人だとは限らない。俺みたいにリアルな戦いがしたいだけの奴もいる。それにこのゲームのNPCはこれと同じのを見ているはずだ。それを見ることでこの世界で生きてるって実感が湧いてくる。まあ、理由はそれだけだ。
【種族レベルが上昇しました】
【進化可能レベルに達しました】
【ジョブレベルが上昇しました】
【『刀術』のレベルが上昇しました】
【新たな技『袈裟切り』を習得しました】
【新たな技『水平切り』を習得しました】
【条件:『袈裟切り』の習得かつ『気功』Lv1を達成しました】
【新たな技『気斬|袈裟』を習得しました】
【条件:『水平切り』の習得かつ『気功』Lv2を達成しました】
【新たなる技『気斬|水平』を習得しました】
・袈裟切り:基本中の基本の技。斜め上から斜め下へ切り払う。習得条件は『刀術使用系ジョブ』Lv1以上かつ『刀術』Lv1。
・水平切り:袈裟切りよりも難易度の高い技。ブレのない軌道で横に薙ぐ。習得条件は『刀術使用系ジョブ』Lv1以上かつ『刀術』Lv2。
・気斬|袈裟:気によって強化された袈裟切りを放つ。気の使い方次第で刃渡りを伸ばすこともできる。また、『気功』のレベルに応じて威力も上がる。習得条件は『袈裟切り』の習得かつ『気功』Lv1。
・気斬|水平:気によって強化された水平切りを放つ。気によって刃渡りを伸ばす。多対一で役に立つ。『気功』のレベルに応じて威力も上がる。習得条件は『水平切り』の習得かつ『気功』Lv2。
「ふぅー、漸く進化できるのか。まあ、それより先に安全そうな場所探して一旦ログアウトするか。あっ、ホーンラビットの死体はインベントリに入れとくか」
ホーンラビットの死体に触れてインベントリへっと。ほんと便利だなインベントリ。容量少ないけど。人外プレイヤーに対してはチュートリアルを受けられる施設が無いとかで、事前に情報を集めておかないといけない。本当に不遇だな。因みに、ゴブリンの死体はどう考えても無価値っぽかったから回収してない。
さてと、適当に高い木を見つけて、その上の方の枝の上でログアウトだな。このゲームはログアウト後にもアバターがその場に残り続ける。ログアウト中は異常状態では死なないけど、攻撃されたら普通に死ぬ。特に人外プレイヤーにとって安全にログアウトできる場所の確保は死活問題だ。
あー、クッソ怠いし、頭どころか全身が痛いし、早くログアウトしてー!