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【Session9:縄文時代④~漆塗りとヒスイのアクセサリー~】

武器が出土しない平和で豊かな縄文時代。


今回も引き続き縄文時代が豊かであったという話をしたいと思います。






【Session6:縄文時代①~世界最古と最古級~】で、世界最古の“漆器しっき”が縄文時代の遺跡から発掘されたという話を覚えているでしょうか。


漆器とは、読んで字の如くうるしの器。


これは、世界最古の“漆塗りの技術”が日本にあったことを意味します。






世界最古の漆器が見つかったのは、北海道函館市・・・垣ノ島遺跡かきのしまいせきという縄文時代の遺跡から6つの漆器が発掘されました。


その漆器の放射性炭素年代測定の結果は、およそ9000年前。


世界最古の文明と言われるシュメール文明が6000年前ですので、漆器の利用開始時期がいかに早かったのか分かると思います。






この漆塗りの技術は、縄文時代の生活用品の様々なものに利用されました。


例としては、漆塗りの土器、漆塗りの急須、漆塗りの紐、漆塗りの腕輪、漆塗りの肩あて、漆塗りの髪飾りなどが挙げられます。


中々原始時代のイメージが抜けきらない縄文時代ですが、縄文時代の人々が漆塗りの腕輪や髪飾りなどの“アクセサリー”を身に着けていたと想像すると、縄文時代が文化的な時代だったということが分かりますね。


“アクセサリー”とは、生活に必要のないもの。


アクセサリーを身に着けられる時代であったと言うことも、縄文時代の豊かさを示す一つの証拠となります。






生活に必要のないアクセサリーを作っていた縄文時代。


他にも縄文時代の遺跡からは、勾玉まがたま大珠たいしゅと言ったヒスイを加工したアクセサリーが発見されています。


勾玉の曲線や勾玉に糸を通す為の孔を想像して下さい。


宝石を加工する研磨機など無い時代ですので、全て地道な手作業で加工されています。


大変な労力と時間が必要な手作業でのヒスイの加工・・・縄文時代の人たちの生活って本当に余裕があったんですね。


※富山県の小竹おだけ貝塚から発見されたヒスイ製の装飾品が“世界最古の装飾品としてのヒスイ利用”で“世界最古級の宝石の利用”だと言う話も思い出して上げてください。






当時としては先進的で、平和で豊かな縄文時代。


縄文時代の人々は、漆塗りのアクセサリーでお洒落を楽しんだり、十分な余暇の時間を使って硬い宝石であるヒスイをアクセサリーに加工したりしていました。


遥か昔の縄文時代・・・私たちのご先祖様は、本当に豊かで文化的な生活を営んでいたのですね。






【おまけ①】

Youtubeチャンネル『ChGrandStrategy』の『元祖和風スイーツ!? 縄文クッキー 〜縄文「文明」を探る〜【CGS 日本の歴史 1-3】』では、動画内で漆塗りのかんざしを紹介しています。


綺麗なかんざしですので、興味のある方は見てみてください。


URL(https://www.youtube.com/watch?v=4uZbwGbFbFw&list=PL6mu43UnNThBwVLAR-7zl2hHZFAFfnAiB&index=5)






【おまけ②】

実は、ピアノの黒色も漆塗りです。


今でこそ黒色が一般的なピアノですが、昔のピアノの色は茶色(木の色)でした。


ですが、日本の漆塗りが西洋で人気になり、ピアノにも漆塗りが施されるようになりました。


ですので、今でもピアノを作る職人さんは、ピアノを漆で黒く塗る作業のことを「ジャパニング」と言うそうです。


日本の漆塗りが西洋で人気になったのは、縄文時代からの伝統と技術があったからなのかもしれないですね。






【おまけ③】

皇室に伝わるの“三種の神器”の一つに“八尺瓊勾玉やさかにのまがたま”があります。


いやはや、流石は現存する王室の中でも最も長い歴史を誇る日本の皇室。


縄文時代からの文化を継承してくれていたんですね。

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