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【Session7:縄文時代②~活火山と縄文土器~】

世界最古、或いは、世界最古級の歴史遺物が次々と発見される縄文時代。


先に挙げた世界最古、世界最古級の中には近年発見された物もありますが、普通なら教科書に載せますよね。


それでは、どうして教科書に縄文時代が先進的な時代であったと書かれていないのか。


これには、第二次世界大戦で日本が敗戦したこと・・・つまり、GHQによる日本占領と深く関係しています。


GHQが日本でどのような占領政策を行っていたのか。


説明していると長くなってしまいますので詳細は割愛しますが、平たく説明しますとGHQが行った“公職追放”や“教職追放”で人材が入れ替わった結果、今日の日本の歴史教育は“日本の先進的な文化や技術”、“誇らしい歴史”、“海外に対する日本の影響力”と言った「日本って凄いぞ!」と思わせる内容がスッポリと抜け落ちた自虐的な歴史教育となっています。






“GHQの日本占領”なんて言葉を使ってしまったので、皆さんの中に「え、この作者は反米思想家なの?右翼とか左翼なの?」と思われた方もいるかもしれません。


しかし、私は、反米思想家ではありませんし、右翼とか左翼でもありません。


念の為に強調しておきますが、私は、あくまで“古代史”が好きな民間人です。


趣味で古代史を勉強していく日々の中で「どうしてこんな重要なことを教えないのだろう」「なんか習ってきた歴史と少し違うぞ」と日本の歴史教育に疑問を持つようになって“戦後史”を調べた結果、このような結論に至ったまでなのです。


「縄文時代なんて興味ないよ」という方も多いかもしれませんが、現在の歴史教育が「日本って凄いぞ!」と思わせる内容をガッツリ削除している現状ですので、縄文時代からの人や文化の流れを順番に説明していかなければ「日本人のご先祖様が、かつてトルコ人と一緒に住んでいた」という伝承を紐解くことができないのです。






少し話が逸れてしまいましたね。


それでは、縄文時代に話を戻しましょう。






世界最古級の歴史遺物が次々と発見される縄文時代。


それでは、どうして世界最古級の歴史遺物が次々と発見されるのか。


これに関しては、大学受験予備校の日本史講師をしている竹内睦泰氏がYOUTUBEの動画内で言っていたことが興味深かったので、それを紹介したいと思います。


<YOUTUBEチャンネル『chinopos』より『竹内睦泰 縄文時代①』URL:https://www.youtube.com/watch?v=VSYEaJ5hnjs>






竹内睦泰氏いわく、「土器とは“土を焼くと固くなるという化学変化の発見と利用”であり、一見すると当たり前に思える“土を焼くと固くなるという化学変化の発見”は、火山国でなければ気付くことができない。だからこそ、日本では“土を焼くと固くなるという化学変化の発見と利用”が早かったのだ。(要約)」と解説しています。


「なるほど」と思いました。


確かに、世界に存在する活火山の総数は、およそ1500。


その中でも、日本には129もの活火山が存在しています。


これは、国別の活火山数で世界4位にあたる順位です。


ちなみに、日本より活火山の多い国の順位は、1位アメリカ、2位ロシア、3位インドネシアの順となっております。






また、世界中でおよそ1500もある活火山の内の129が日本にあるわけですから、これは、世界中に存在する活火山の約8.6%が、この狭い日本に集中しているということを意味します。


加えて、日本よりも多くの火山を有するアメリカやロシア、インドネシアは、各国ともに日本より遥かに巨大な国土面積を持つ国々ですので、日本の国土面積が地球の陸地面積の僅か0.25%しかないことも含めて考えれば、私たちの暮らす日本という国は“世界で最も活火山の密度が高い国”と言うことになります。(※インドネシアの国土面積は日本の5倍以上。)


世界で最も活火山の密度が高い国・・・思わず「ひぇっ」ってなる話ですね。


ですが、これが大事なことなのでしょう。


なぜなら、“世界で最も活火山の密度が高い国”とは、この日本が“世界で最も土を焼くと固くなるという化学変化を発見し易い土地”だと言うことを意味しているのです。






古代人は、“自然”を読み解くことで生活をより豊かにする為の知識を手に入れ、その知識を必要に応じて使ってきました。


前回、青森県の大平山元I遺跡から発見された縄文土器が、2009年まで“世界最古の土器”だったと言う話をしたのを覚えているでしょうか。


土器とは、初期の文化形成において必須となる発明・・・そして、“土を焼くと固くなるという化学変化”を読み解かなければ手に入れることのできない文明の利器です。


世界最古級の土器や陶器が出土し、世界最古の釣針や漆器、ヒスイ製品が発掘される縄文時代。


この世界最古級の歴史遺物が次々と発見される縄文時代とは、この日本が“世界で最も土を焼くと固くなるという化学変化を発見し易い土地”だからこそ興りえた、世界に先んじた土器を契機とする文化の発展だったのかもしれれませんね。






【おまけ】

土器づくりの技術が中国から伝播したという説もあります。


2012年に世界最古の土器が中国で発見されていますので、可能性としては考えられます。


しかしながら、中国で最古級の土器が発見されるようになったのは比較的近年で、中国で発見されている出土物の数も日本より遥かに少ないというのが現状です。


加えて、中国最古の文化である彭頭山ほうとうざん文化の年代は長く見積もっても1万1000年前。


それに対して、縄文文化の始期にあたるのが1万6千年前・・・日本全国で土器が出土するようになる時期が1万2000年から1万3000年前になります。


土器に端を発する文化形成において日本の方が中国よりも千年以上早かったこと。


また、陸続きの大陸内での土器伝播が不十分な1万2000年から1万3000年の昔に、海を隔てた日本列島で土器製作の技術が既に日本全国に広まっていたこと。


これらを合わせて考えると、土器製作の技術が中国から伝播したという可能性は低いと考えるのが現段階での私の見解です。


※考古学の世界ですので、全ては今後の発掘調査次第です。


※海を隔てた日本列島と書いてますが、縄文時代の始期は北海道の先と大陸がくっついてます。

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