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【Session3:今も中国に住んでいるトルコ系民族】

Session2を読むことで、“古代中国にはトルコ系民族が暮らしていた”と言うことが理解できたかと思います。


それでは、古代中国に住んでいたトルコ系民族・・・その血筋は、現代に至るまでに途絶えてしまったのでしょうか。


違います。


中国には、今もトルコ系民族が暮らしています。






はい、ここで問題です。


現在の中国で暮らしているトルコ系民族は何と言う民族でしょう。


ヒント:近年、ニュース番組で報道されることが多くなった民族です。






分かりました?


それでは、正解です。






“新疆ウイグル自治区”のウイグル族、ウイグル人がトルコ系民族になります。


今、世界が注目する“ウイグル問題”。


偶にではありますが、日本国内でもニュース番組で報道されているので正解した方も多いかと思います。


2018年の9月11日には、BBCが『国連、中国政府がウイグル人100万人拘束と批判(https://www.bbc.com/japanese/video-45480237)』と言うタイトルで記事を、2018年12月6日には、CNNが『国連、ウイグル族「再教育施設」の直接調査求める(https://www.cnn.co.jp/world/35129745.html)』と言うタイトルで記事を、そして、2019年の1月8日には、AFPが『国連のウイグル視察受け入れ 中国、条件付きで(http://www.afpbb.com/articles/-/3205450)』と言うタイトルで記事を出しています。


興味のある方は、是非読んでみてください。






さてさて、ウイグルと言ってもピンと来ない方も居ると思いますので、ウイグルについて説明したいと思います。


まずは、地理から説明しましょう。


新疆ウイグル自治区があるのは、中華人民共和国の西の端。


隣接している国の名前を挙げれば、トルコ系の民族が暮らしていると言うのも分かりやすいと思います。


北から順番にカザフスタン、キルギス、タジキスタン、パキスタン、インドになります。


ちなみに、カザフスタン、キルギス、タジキスタンが中央アジアで、パキスタンとインドが南アジアです。






中央アジアの人たちがトルコ系の彫りの深い顔立ちをしていると言うことは、ご存知のことかと思います。


それでは、中央アジアに隣接しているウイグル人の顔立ちはどうなのか。


はい、トルコ系の彫りの深い顔立ちをしています。






続いて、文化的な説明に移りましょう。


新疆ウイグル自治区の“新疆”とは、漢民族の呼び方で「新しい土地」を意味します。


続けて言うと、“新しい土地ウイグル自治区”となります。


この新疆ウイグル自治区なんですが、他にも呼び方があります。


東トルキスタン地方です。


トルキの意味がテュルク=トルコ系民族になりまして、スタンの意味が土地になります。


続けて言うと、“東のトルコ系民族の土地”となります。


“新しい土地ウイグル自治区”と“東のトルコ系民族の土地”・・・本当に対照的な名前ですね。


ちなみに、西トルキスタン地方と言うのもありまして、カザフスタン、ウズベキスタン、タジキスタン、トルキスタン、キルギスが西トルキスタン地方になります。






2019年2月9日にトルコの外務省が“ウイグル問題”に対して「(中国の組織的な同化政策は)人類にとって大きな恥」だと強く非難したと言うニュースが耳に新しいですが、どうしてトルコがこのように怒り心頭なのか。


ここまでの説明で既に察しがついてる方も多いでしょう。


トルコにとって、ウイグルとは同じ民族であり、兄弟であり、同朋だからです。






最後に、国旗の話をしましょう。


東トルキスタン共和国をご存知でしょうか。


ウイグルが中華人民共和国の新疆ウイグル自治区になる前の時代、東トルキスタン共和国とは、1933年から1946年までウイグルに実在した独立国家です。


1946年・・・第二次世界大戦の後の話ですね。


東トルキスタン共和国の国民として暮らしたウイグル人もまだご存命のことでしょう。


そう考えると、東トルキスタン共和国とは、つい最近まであった国家のように思えて来ます。






それでは、本題です。


東トルキスタン共和国の国旗とは何か。


青地に“三日月と星一つ”です。


それでは、トルコ共和国の国旗はご存知でしょうか。


トルコと言えば、“月”を象徴とする国として有名ですね。


その通称は、“三日月旗”。


デザインは、赤地に“三日月と星一つ”です。


東トルキスタン共和国の国旗とトルコ共和国の国旗・・・赤地か青地かの違いはありますが、国旗に描かれた三日月と星のデザイン、位置関係は全くと言っていいほど同一です。


もしも両国の国旗を色塗り無しで描いたならば、その国旗が果たしてどちらの国旗なのか・・・それを判別することは大変に難しいことでしょう。






それでは、どうして国旗のデザインが似通っているのか。


この2つの国旗に共通する“三日月と星一つ”と言うデザイン・・・これは、イスラム教のシンボルになります。


トルコ共和国における信仰がイスラム教であると言うことは有名ですね。


では、東トルキスタン共和国・・・現在の新疆ウイグル自治区における信仰は何か。


イスラム教です。


西アジアのトルコと中央アジアのウイグル・・・一見すると遠く離れているように思えますが、そこに住んでいる人たちは、民族的にも文化的にも非常に近い間柄なのです。






はい。


と言うことで、現代の中国にもトルコ系民族が暮らしているということは理解できましたでしょうか。

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