剣の能力
アリシアは大空の剣を強く握った。
これから始まるであろう激闘に向けて。
「はああああああぁぁぁぁぁあ!!!」
アリシアは剣握りながら正面から突撃する。
「馬鹿が………」
ジ・オンドは剣も抜かずにただ立ち尽くしている。
アリシアはジ・オンドに少し近づいた後、少し後ろに下がり、7連撃の突き技を放つ。
「………」
ジ・オンドは一言も喋らずにアリシアの突き技をかわしながら近づき、片手でアリシアの顔を掴む。
「馬鹿が……俺に効くわけ無いだろ。」
その言葉を発すると同時にアリシアの顔を床に叩きつける。
「剣士が使える7連撃技『スタースライト』剣士が使う剣技は全て見切れる」
「くっ………!!」
頭をつけられるながらもアリシアは力に抗い立ち上がろうとする。
「動くな。お前はもう終わりだ。」
そう言ってジ・オンドはアリシアの左肩を強く踏みつける。
「あああっっ!!あああああ!!!」
「大人しく消えろ––––」
ジ・オンドがとどめを刺そうとする時アリシアはふとカケルの言葉を思い出した。
『いざピンチになった時はこの剣にこの言葉を言うんだ。–––––』
「……ソードメモリーズ・ネクサス!!!」
その瞬間、アリシアの体から光と風溢れる。
ジ・オンドは後ろに後退し、様子を見る。
大空の剣から出てくる何かがアリシアの体を包み込んでいく。
「……鎧?」
光が消えジ・オンドが見たものは白い鎧を纏ったアリシアだった。
***
前にいる気怠そうな態度を見せる女性。マリン・コニアに狙いを定める。
このまま狙撃してもいいのか?あいつ、何も構えて来ない。罠か?クソ……どうすればいい?
「したら?まぁ、絶対に当たる事は無いだろうけど。」
「……なめるなよ」
矢を離す。それと同時に勢いよく飛んだ矢はマリン・コリンの前でぽろりと落ちた。
「……なんでだ?ちゃんと狙いは定まってたはず。」
「……私の周りには特殊な物が張られていて私が求めない限りは絶対に当たらないんだよ。」
「それじゃあ–––お前から俺の攻撃に当たりに来ない限り、当たらないのか!?」
「そう言う事」
そう言って少しマリンコリンは悲しそうな顔をした。
***
「たかが、鎧を纏っただけで何になる?」
「はぁ–––!!」
アリシアが大空の剣を振り下ろす。
すると大空の剣から光の線がジ・オンドへと一直線に向かっていく。
「……この程度…」
ジ・オンドは軽々とそれを避け、アリシアへと向かっていく。
「……何?」
アリシアへと向かっていたジ・オンドは何か避けるように後ろを振り向くとさっき避けた線がジ・オンドを追尾して、追って来ていた。
だが、ジ・オンドの反応は少し光の線より遅かった。線はジ・オンドの頰を擦り、通りすぎていった。
「…………面白い!」
ジ・オンドは遂に剣を抜く。
その瞬間、恐ろしいほどの風がジ・オンドから吹き荒れる。
「闘技祭の時と剣が違う……?」
抜き終わった後剣を見ると先程試合で使っていた両手剣ではなく長剣だった。
「あぁ、あのレイダー・ファンと言う奴に使っていたのはただの両手剣だ。だがそれも使う事なく終わってしまったがな。」
じゃあ、ジョニーが感じとったやばい感じは剣じゃなくジ・オンド自身から出てた物だったの?
「今度はこっちから行かせてもらうぞ」