過酷な現実
どうしてこうなった………
「俺の胸踊る異世界生活はこんなんじゃなかったぁぁぁーーーー!!」
***
「そろそろバイトしよかっな」
高校2年生にしてバイトしてお金を稼ごうと決心した。
「…まぁとりあえず寝るか。」
眠気に負け目を閉じどんなバイトをしようか考えていると、いつのまにか意識が遠のいていった。
***
「……え?」
目が覚めると中世風の街が辺りに広がっていた。
俺の家は?
なんでこんとこにいるの?
この唐突の展開、もしかして
「異世界転移ってやつうぅぅぅーー!?」
そうだ! きっとそうだ!異世界転移だ!
いやでも待て、今この状況どうすればいい。
周りの冒険者らしき人達はみんなそれなりの装備をしている。
今の俺の装備はパジャマだぞ!この状態で何をすればいい!?
と悩んでいる時、後ろから声をかけられた。
振り向くと不思議そうに俺を見るおにいさんがいた。
「その茶色の髪と目の色、それとその服装、あんたどっからやって来たんだ?」
そっか。俺の格好はこの世界の人達にとっては珍しいものなんだ。
「すみません。自分が何処から来たのかよく覚えてないんです。……ところで冒険者はどうやってなれるんですか?」
「記憶が無いのは残念だな……冒険者はギルドでなれる案内してやるからついて来な」
「ありがとうございます!」
***
ギルドに着いた俺はさっそく手続きをおこなった。
「えー、タナカカケルさん。身長170、体重60キロ、知力、筋力その他ふくめて全て平均ですね。」
わかってた。わかってたよ。こうなることくらい。
でもさ、すこし期待してたんだ。飛び抜けた才能が一つくらいあると。
「職業は冒険者でお願いします。」
「わかりました。」
ギルドの人がそうこたえ、ギルドカードを俺にわたした。
「そのギルドカードを使ってスキルや魔法を習得できます!」
おお、平凡な俺でもスキルや魔法を習得できるのか。
俺はギルドカードを手に取りギルドを出た。
***
異世界生活一日目、さっそく俺はピンチだった
そう。今所持金は0だ。
ちなみにこの世界のお金はギガというコインらしい。
お金がないから泊まる宿が無い。だから俺はそこらへんの道で一日を過ごさなければならない。
どうしてこうなった………
「俺の胸踊る異世界生活はこんなんじゃなかったぁぁぁーーーー!!」