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ざつおん♪  作者: 罰罰目玉
1/1

宴開演

午後18時32分。とある小学校の校門前に一台のクラウン(スーパーデラックス)がアイドリングしている。スーパーデラックスと言ってもピンクの丸いヤツではない。アイドリングと言ってもアイドルグループの事ではない。運転席に乗っている男は、レイバンのウィナーをかけ、ボサボサのヘアースタイルに口ひげを生やし、(さっきそこで拾った)煙草をふかしている。この場所に停車して1時間が経過した。自分の好きな曲で構成されているオリジナルCDも聞き飽きた。仕方がないので、エッチな画像でも集めようとスマホを開いた瞬間、後部座席の扉が開いた。


モヨコ「ちょっとお父さん!!」


昭雄「遅かったな」


モヨコ「遅かったなじゃないわよ!!私の学校はこっちじゃないって言ってるでしょ!!」


昭雄「なんだと」


モヨコ「小学校は油価(妹)、私は中学校だって何度言ったら分かるの?何なら来週から高校生なんですけど」


昭雄(あ、この運転しているおっさん)は無言で車を出す。ジャージ姿の女子中学生は腕を組み、ふて腐れている。黒髪のショートヘアにぺったんこの胸、これといって特徴的なポイントは全くないが、顔は普通よりやや良いくらいだ。部活動はテニス部に所属。やけに弾む黄色いボールをポコポコ打つあれだ。窓を全開にし、あからさまに、見せつけるように煙を手で仰ぐ。


モヨコ「煙草やめてよ!制服に付いて臭いんだから!」


昭雄「おい、寒いから閉めてくれ」


モヨコ「分かったわよ」


昭雄「……」


モヨコ「何かフラフラしてない?運転大丈夫?」


昭雄「待て、このモンスターは見たことがない」


モヨコ「携帯渡せ!この!」


昭雄「おっ!こら危ないだろう!!」


モヨコ「危ないのはアンタだ!!テレビ見てないのか!!」


昭雄「モヨコ!お父さんに向かってなんて口の利き方を!!」


モヨコ「前見て前!!」


ガンッ


昭雄「……」


ブーン


モヨコ「いやブーンじゃないって、車止めなさいよ」


昭雄「部活動はどうだったんだ?」


モヨコ「急に話を逸らせるな」


車を停止させる。電柱の下にエプロン姿の主婦が仰向けに倒れている。頭から血が流れ、口からも血がドバドバ…というよりチョロチョロ、よりももう少し多いくらい出血している。慌てて駆け寄る昭雄とモヨコ。


昭雄「何だ、母さんじゃないか」


モヨコ「人轢いといて何だじゃない、お母さん!お母さん!」


母が薄っすらと目を開ける。頭と口からの流血が止まらない。


母「…お父さん、モヨコ…」


昭雄「はっはっは、母さん、こんなところで寝てたら車に轢かれてしまうぞ」


母「あらやだ。私ったらつい眠くなってウトウトしちゃったみたい」


モヨコ「お父さんが轢いたんじゃない!!」


昭雄「さぁ、油価がお腹を空かせて待っている。帰ろう。」


母「そうね、今日はモヨコの好きなパトゥルジャン・イマム・バユルドゥよ」


昭雄「よかったじゃないか!!気絶するなよ?あっはっはっは」


モヨコ「何それ怖い、食べたことないんですけど」


母は吐血しながら助手席に座り、モヨコも後部座席へ座る。モヨコは心配そうに母を見つめた。しかし、母は血塗れの自分の顔を自撮りし、画像編集アプリを使って血塗れの犬に画像加工をして遊んでいた。


母「出来たぁ~。お父さん、見てくださいよ。可愛いでしょ?」


母が運転中の昭雄にスマホの画面を見せる。


昭雄「あっはっは、こりゃあ傑作だ!!母さんがい、い、犬に!!あっはっはっは!こりゃいいや!!モヨコ、お前も見て見ろ、ほら、母さんが、くく、か、母さんが、はは、犬になってるぞぉ、は、は」


画像がツボに入ったのか、涙を流しながら声も出なくなってくる。昭雄は母からスマホを受け取ると後ろを振り返り、モヨコにスマホの画面を見せようとする。


モヨコ「こっち見ないで、前見て前、危ない」


ドンッ ガシャーン


昭雄「フロントガラスが粉々だなぁ…母さん!!その血!!」


母「さっきの血でーす」


昭雄「あちゃーやられた!さすが母さん!」


フロントガラスの上に乗っかってる血塗れのデブ「あちゃーじゃねえ馬鹿野郎!!」






続ける

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