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5話 一時の休息

閲覧頂きありがとうございます

最新話です

 各国では、セリカ率いる赤き義勇軍の活躍が耳に入る、特に帝国はむやみに動けず仕舞いでいる。


 帰還した国王に政治を任せ、再びノースディア再興の為尽力をつくす、セリカは赤き義勇軍として再び弱きを助けるのであった。


 ****


 ーーあの娘契約しおったぞーー


「セリカが!?」


 ーーお前の為らしいのぉ見物だったわーー


「ずいぶんと楽しそうだな?あんたは」


 ーーお前とあの娘がこの先どうなるか楽しみだ、ヒルデにも会えたからなーー


「夢か・・・夢の中でしか語れないのか・・あいつは」


 目が覚めた、5年振りに帰って来た自分の家のはずだったが・・どうして城の中にいるのだろうか。


「うわっ!!」


「目が覚めたか!」


 驚くのも無理はない、カイトが目を覚ましたらセリカが寝ているカイトのベッドの上に身を乗り出している、それにしても近い・・近すぎる。


「セ、セリカさん・・・ち、近いのですが・・」


「のわぁぁぁぁあー!す、すまん父上と母上が会いたがっているから直ぐに来い!」


 ぼーやの事好きなのか?とヒルデに聞かれてから妙にカイトを意識し始める、カイトに対し赤面してしまう。


「1つ聞くが・・・契約した時・・・し、したのか?」


「な、何を?」


「ききき....き....キス....し...したのか?」


「うっ・・・あれは不意討ちだった・・・」


「し、したのだな!ワタシと言う者がありながら!」


「えっ!?」


「な、何でもない!忘れろ!」


 タジタジになりながらカイトはセリカに連れられ、国王と王妃に謁見する、真っ先に二人はカイトを抱きしめてくれた、息子でもないのにカイトの成長とたくましさに泣いてくれた。


「じゃあ家に戻るよ」


「ワタシも行こう!お前にはまだ話がある!ベリルちょっと出てくる」


 *****


「カイト様!もうお怪我は大丈夫ですか?」


「心配かけた、もう大丈夫さ」


「カイト様、セリカ姫とデート?」


「こ、こらっからかうな!」


 村人は荒れた畑を耕し直し、明るく希望を持って生き生きと輝いている、子供たちはカイトとセリカをからかって遊んでいる。


「あちゃー5年も離れればこうなるか・・・」


 5年ぶりに帰宅した、カイトの家は戦場に巻き込まれ焼け焦げて倒壊寸前だった。


「カイト!お前ワタシに頼みたい事があると言ったよな?」


「ああ!そう言えばあった」


 今夜の寝床に困っている事と関係なしに、セリカが戦の時にカイトが言い掛けた言葉を思い出す。


「さぁ!話してみろ!」


「実はさ・・5年前にセリカが俺に見せてくれたあの場所に行きたくて・・・」


「何だそれか・・よし!行こうではないか!」


 天気も良好絶好の散歩日よりだ、子供の時に行った高台は城からそんなに遠くはなく、森の街道一本道なので迷う事はない。


「着いたぞ!変わらないなここは・・」


「ああ!ここが神器ヴァルキリー契約の始まりだった・・」


「お前が居なければ今のワタシはなかったな!何の因果かワタシも神器ヴァルキリー使いになった」


 カイトは変わらないこの景色に感激した、自分達が取り戻したこの国が今ここにあると、実感している。


「お前の槍とワタシの剣、これも何かの縁だこの国を明るい未来へ導きたい」


「ああ!成し遂げよう!」


 セリカの剣とカイトの槍を重ね合わせ未来を築く事を誓いに立てた、今はただユリウスへの復讐は忘れていたいカイトだった。


 ****


 ーーヒルデ久しいのぉーー


 ーーあら?リーシャじゃないの何百年?それとも何千年ぶりかしらーー


 ーーそんな事はどうでもいいが、あの娘と契約したのかーー


 ーーだってあの娘放っておけなくてね・・あなたこそあのぼーやにずいぶん肩入れしてるじゃないーー


 ーー兄への復讐らしくてのぉ、あやつの兄の剣・・・間違いなければーー


 剣と槍が重ね合わせている時にリーシャとヒルデが会話をしていたなどカイトとセリカは知らなかった。


 ****


「お前そう言えば今夜はどこで寝るのだ?」


「テント張って寝るよ」


「そ、それなのだがな・・・」


 赤面しながらセリカの口がもごもごと。


「お、お前!今日から城に住め!」


「ええーっ!」


「お前はワタシのモノだから・・ワタシの側にいる義務がある・・だから城に住め!わかったな!」


 本当は目を離すと危ないから、目の届く所に居て欲しいと、言いたいセリカ、国王と王妃はあっさり承諾、カイトを歓迎してくれた。


「カイト何をしている?」


「セリカ、昔リンゴを剥いてくれたっけ?」


 そう言ってカイトはセリカにリンゴを手渡す。


「食べてくれ」


「ワタシより剥くのが上手いではないか・・」


 セリカは黙ってカイトが剥いたリンゴを食し、お互い笑って一夜を過ごした。


 一時の平和な日々、カイトとセリカは再び赤き義勇軍として戦地に赴く。












読んで頂きありがとうございました

またよろしくお願いいたします

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