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4話 奪還!!

閲覧ありがとうございます

第8部です

「姫様!敵の数はおよそ3000と思われます」


「向こうもこっちの動きを読んでいたか・・やってくれる」


 正面突破は難しい国王と王妃が城に移された事は、セリカはまだ知らない。


「裏から回り込むかベリル?」


「それが上策かと・・キル!正面と側面の部隊を拡散して欲しい」


「わかりました!腕がなります!」


 キルは側面に鉄砲を、正面に爆弾を投げつける作戦に出た、セリカをそして、後から来るカイトの為にも道を開くのである。


 日も沈みキルの正面突破の合図にセリカ達は裏門に移動し、爆弾による爆発音と、鉄砲の銃声がこだまし、ノースディア城に煙がたち昇る。


 ****


「妙に静かだな・・・」


「明らかに怪しいですね、気を引き締めて行きましょう」


 裏門から侵入し、謁見の間に出たが不気味なくらいに静けさが物語っており、セリカ達は中庭に出た。


「そこまでにして頂きたい!」


 中庭に出た途端に、この戦の首謀者ライフゴッドが姿を現した。


「キサマがライフゴッドか!」


「初めまして!セリカ姫わたくしを存じてましたか・・いやぁお美しいですなぁ」


「そんな事はどうでもいい!父上と母上を解放しろ!」


「まぁまぁそう慌てずに」


 ライフゴッドは手を上げると、縄にくくりつけられた国王と王妃が兵士に連れて来られ、ライフゴッドの兵が集まりだした。


「父上!母上!」


「セリカ?セリカなのか?」


「あぁ・・・セリカ生きていてくれたのね・・」


 港街にいるはずの国王と王妃がなぜ城にいるのか、セリカには疑問だらけであるが、そんな事はどうでも良くなった、目の前の敵を倒し、父と母を助けると言う信念が生まれている。


「皆さん武装を解除して頂きたい、さもなくばこの二人は今すぐ殺します」


 卑劣な策略にセリカ達は武器を捨て、その場を動けず仕舞いになってしまい、反撃の好機を待つしかなかった。


「私とて、美しい姫様を手にかけるのは心元ない・・どうでしょうか?私の妻になるのでしたらお二人の命は助けましょう」


「どこまでも卑怯な奴め!」


「さぁどうしますか?それとも親の前で辱しめを受けてもらいますかな」


 どうする事も出来ず、ライフゴッドの兵が剣を二人の喉元に突き立て始め、ライフゴッドはいやらしい手でセリカに迫ろうとしていた。


 パーンッ!!


 突如銃声が鳴り響き、ライフゴッドの腕に命中。


「ぎゃあー!だ、誰だ!」


 辺りを見渡すと、物陰から傷ついたカイトが鉄砲を持って立っていた、発砲したのはカイトだった。


「カイト!」


「遅くなってすまない・・・」


 カイトの部隊がライフゴッドの兵をとり押さえ二人を保護し、ベリルが反撃の合図をし、セリカ軍の反撃が始まる。


「行くぞリーシャ!」


 カイトが神器ヴァルキリーを振り回し多数の兵を粉砕、ライフゴッドの兵が次々と降参していった。


「ば、化け物だー」


「化け物か・・否定はしないさ・・」


 ザッハとの戦いで傷つき、カイトの体力も限界が近づきカイトはその場で倒れてしまった。


「カイト!カイトーー」


 セリカの呼び掛けにも応えられずに、カイトは意識を失ったままだが、尚も戦闘は続く。


「この小僧!よくもよくもぉー」


「や、ヤメロー!」


 怒り狂ったライフゴッドは意識のないカイトを足蹴にし何度も踏みつけてはの繰り返し、それを見ていたセリカの怒りがついに・・。


「何も出来ないのか!ワタシはカイトを助けたい!」


 ーーあのぼーやを助けたいの?ーー


「あぁっ!カイトはワタシを助けてくれた今度はワタシが・・・」


 ーーへぇ・・・あのぼーやが好きなのね?ーー


「なななな、な、何を言っている?て言うかお前は誰だ?」


 セリカの前に真っ白な景色と赤いバラのような服装、燃え盛るような赤いブロンドの入った長い髪と赤い瞳の女性があらわれた、カイトが5年前に体験した同じ事が起きている。


 ーー私はあなたの手に持っていた物よ、さっきの質問の答えは?好きなのね?あのぼーやがーー


「はっきりとはわからん!けどあいつはワタシのモノだからな!」


 ーーうふふ♪可愛い♪じゃあ人に忌み嫌われるかもしれない、その覚悟はあるのねーー


「カイトを助けられるなら!そして無法者ライフゴッドを成敗する!」


 ーーしかと見たわ!あなたの覚悟!じゃ契約しましょうかーー


「契約?」


 ーー私は神器ヴァルキリーバルムンク!神姫名はヒルデ!ーー


 そう言って、ヒルデと名乗る神姫はセリカに迫り、セリカのファーストキスを奪った。


「なななな、何をするんだお前は!」


 ーーあのぼーやにする予定だった?ごめんなさい♪そんな事はどうでもいいわ、契約完了よ使いなさい!私の力をーー


「よくも、ワタシのファーストキスを・・ワタシの前に出てこい!ヒルデ」


 ノースディアの家宝バルムンクが神器ヴァルキリーだったとは、偶然なのか、はたまた運命なのか。


 その炎は剣となり、その炎は鎧となる、カイトに続きセリカも今、神器ヴァルキリー使いとして誕生した。


 セリカの周りに炎が螺旋を描き、刀身は真っ赤に燃え盛り始める。


「カイト・・お前の辛さワタシも半分背負ってやる!」


 その場にいる全員がセリカに視線が釘付けとなった、それは親であるセルシオとシルビアまでも。


「覚悟しろ!」


「小娘がぁぁー思い上がるなー!!」


 ライフゴッドが剣を抜き、捨て身の攻撃に転じ始めるがセリカは物怖じせず、構えを取りセリカの周りの炎が一段と燃え盛り始める。


「成敗!」


 ライフゴッドの一撃はセリカの炎により防がれ、セリカは躊躇ちゅうちょなくライフゴッドを斬り捨てた。


「父上!母上!」


「あぁ、セリカ・・またこうして会えた」


「すっかり大きくなったな、セリカ」


 セリカは涙をこらえきれず父と母に駆け寄り、カイトは何故か微笑んだまま、気を失ったままであった、ベリルとセリカの迅速な処置によりカイトも一命は取り止めた。


 セリカの神器ヴァルキリー契約により赤き義勇軍の勝利に終わり、この事は各国にすぐに知れ渡る事となる、5年の歳月を経てセリカは城と父と母を取り戻し、ノースディアに再び平和が訪れた、だがこれはほんの一時の平和に過ぎない。




















読んで頂きありがとうございました

次回の更新頑張ります

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