2話 東領死守!
青年編第2話です
登場人物
カイト 18歳になり神器ゲイボルグを使う
セリカ カイトと同じく18歳家宝バルムンク
ベリル 26歳 騎士団団長
キル 25歳 5年前セリカ暗殺を雇われたが失敗し捕まるがセリカ達に協力する事で命を助けられ密偵役になる。
見た見茶髪の短髪で悪人らしい目付き頭に鉢金を巻いている。
ライフゴッド軍はキルの隠れ里を通過し、着々と東へ進軍している。
指揮官らしき人は列の後ろに護衛されながら馬に乗っていたのだった。
「隊長間もなく中腹に差し掛かります!東領はすぐそこです」
「うむご苦労!皆の者ここで休憩を取りその後一気に東領を攻める!帝国に仇なす者を討ち滅ぼす」
余裕の現れか中には酒を飲み騒ぎ立てる兵士もいる。
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「来やがったな!天気も良好ぶちかますぜベリル姉さん見ててくれ!」
側面の岩肌にキルの暗殺部隊いや密偵部隊と言うべきかライフゴッド軍の進行を待っていた。
キルの部隊は例えるなら忍者である、キルは一度は死んでもおかしくはなかったがベリルに協力を煽られ、助けてもらった命、ベリルに恋心を抱きベリルの役に立ちたいと願うのだった。
「食らいやがれ!」
爆弾を投げつけ、ドーン!と大きな轟音が響く、キルの部隊の奇襲が始まる。
「何だ?敵か?」
「伏兵がいるぞー!!」
爆撃によりライフゴッドの兵を100人程減らす事に成功、さらに弓矢と鉄砲隊が後に続けと言わんばかりに側面から乱れ打ち、カイトの読みが当たった。
「隊長!伏兵が潜み我が軍は100名程やられました」
「何!?急ぎここを離れ東領に進軍せよ!」
指揮官の指示により、ライフゴッド軍は急ぎ東へ進軍、しかし、キルの部隊が足止めをし東へ進軍した数は150に絞られ出す。
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「姫様!別動隊の奇襲が成功敵兵150ほどこちらに向かっています」
「来たか!ベリル東領の民を説得して欲しい!それまでここはワタシが何とかする」
「姫様!?」
「大丈夫さ!きっとカイトが来てくれる!」
「わかりました姫様ご無事で!」
そう言ってベリルは足早に東領に向かう、セリカは万が一を考え次の手を打っていた。
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「我らも急ぐぞ全軍東へ!」
指揮官が焦りだし動き出すが。
「悪いが行かせるわけにはいかない!」
カイトの部隊が追いつき指揮官に迫る。
「何だ!貴様は!」
「カイト・バンガードだ!行くぞ全員押しだせー!」
カイトの号令によりカイトの部隊が敵陣に向かい突撃し始めた。
「ふんっ!敵は大したことはない!返り討ちにせよ」
カイトの部隊とライフゴッドの軍勢がぶつかり合う、カイトの部隊は50に対し指揮官部隊は200。
「カイト様!さすがにこれはヤバいです」
徐々にカイトの部隊が押され始めて来た。
「やむを得んな・・・来てくれ!リーシャ!」
カイトが神器ゲイボルグを天にかざすと、辺り一面強風が吹き荒れ出した。
カイトの表情は穏やかな優しい目付きが冷静に相手を倒す騎士としての顔になる。
「警告する!死にたくない者は下がれ!!向かってくるなら命の保証はない!」
カイトの発言は裏を返せば死にたい者はかかってこい!殺されても文句は言うなと言う意味である。
「な、生意気な若僧め!かかれぇー!」
指揮官の号令で兵士達が数人カイトに襲い掛かるが・・・。
「しょうがないなぁ・・・ハアァァアッ!」
カイトが槍を振り回すと鬼神の如く数人の太刀筋を軽く受け流し体を旋回させると、風圧が発生し兵士達を吹き飛ばした。
「なんだコイツ無茶苦茶だ!退却だー」
カイトの強さに怯えだす兵士達、中には命を落とした兵士もいる、生き延びた者は東へ逃げ出した、そっちはセリカが陣を張っている場所だ。
「えーい情けない!たかが若僧1人に何をやっている」
指揮官が罵声を浴びせると剣を抜きカイトに刃を向け出そうとした、残ったのは指揮官含め約50人くらいだった。
「さっきも言ったが向かってくるなら命の保証はない!」
「百も承知だ!」
指揮官が決死の覚悟でカイトに向かってきた、激しい剣と槍の打ち合う音が響く!
「みんなは急いでセリカと合流してくれ!退却した兵士が増援したらいくらセリカでも!」
「カイト様しかし!」
「大丈夫俺には神姫がついている」
カイトの部隊はカイトを信じ東へ向かいセリカと合流を目指す。
「若僧がいい気になるな!」
指揮官が捨て身の攻撃をするがカイトも負けじと応戦するが・・・。
「悪いが俺にも時間がない!退いてくれ!」
「誰が退くか!せめて貴様の首貰ってやるわ!」
グサリッ!
カイトの一撃が指揮官の腹部に刺さり、呆気なく勝負はついたが指揮官はまだ生きていた。
「はぁっはぁっ!お前の様な若僧に殺されるなら自分から死を選ぶわ!」
カイトが止める間もなく指揮官は自害し呆気ない幕切れに終わる。
「すまない・・来世で幸せになってくれ」
カイトは指揮官含む、殺してしまった兵士に祈りを捧げセリカの元へ急ぐのであった。
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その頃、セリカは前線を押し上げる敵の軍勢を向かえ討っている。
「放てー!!」
セリカの号令で鉄砲隊が発砲し弾を補充している間に弓矢隊が交代で放っている、辺りは火薬の匂いと、撃たれた敵兵の血しぶきが舞い散っていた。
「姫様!増援が現れました!」
「くっ!こんなとこで!皆持ちこたえろ!ベリルがカイトが必ず来てくれる!」
足止めを食らっていた敵兵が、セリカの部隊に流れ込んで来た、セリカ達もそろそろ限界が近づいている。
「ウオォッ!セリカ様無事ですか?」
追うようにカイトの部隊とキルの部隊がやって来てくれた。
「皆!無事か!」
「はいっ!間もなくカイト様もこちらに向かって来ると思われます」
セリカの軍は一気に士気が高まり敵兵と交戦。
「セリカーー!」
「カイト!」
カイトも合流しセリカ軍は勝利目前、カイトが指揮官を倒した事を報告、それを知った敵兵は降伏しセリカ率いる赤き義勇軍の勝利に終わる。
敵兵は一時捕虜となりセリカとカイトは東領の村へ行きベリルと合流するのだった。
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「ベリル!この戦ワタシ達の勝ちだ!」
「姫様!カイト!よくぞご無事で」
「そっちはどうだ?」
「兵や民衆は帝国のやり方に確かに不満を持っています、そしてまたライフゴッドが攻めてくるのではないかと不安に思っています」
どこで聞いたかわからないがセリカ達がライフゴッド軍を撃退させた事を知り兵や民衆がセリカ達に集まりだした。
青年編2話まで来ました
読んで頂きありがとうございました