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27話 反帝国派救出作戦1

 帝国が更に西の大陸を進行し、領土を拡大し始めた。

 カイト達と戦う為に、クロユリはユリウスを操り進軍する。

 ブルガンド帝国の西の大陸は帝国領だが、帝国に反旗を翻す者がいる。

 帝国の戦力強化に西の領土を制圧する必要があった。


「ガンドルフ、貴様を生かして正解だ」


「ユ、ユリウス様」


「アロー戦車の量産を急ぎ、西側を完全制圧しろ、今度はしくじるなよ」


「ハハッ」


 サウザンドでの制圧を失敗したガンドルフ、ユリウスがまだ使用価値があると見て生かしていた。


 ****


 ノースディアに戻り、一週間が経ちカイト達は帝国の動きを監視しながら、いつもの平穏な日々を過ごしていた。


「カイト、これ・・」


「ん?俺の服」


「破れていたからな・・見繕ってやったぞ」


 意外だった、セリカが裁縫をするとは、カイトと出会う前に色々と習い事はしていたらしい。


「あ、ありがとう」


「また、何時でも見繕ってやるぞ」


 久しぶりにした裁縫、セリカに自信がついてきた。


 ーーおぉセリカの奴やりおるのぉーー


 ーーカイトちゃんも照れて可愛いわよーー


「お前達からかうな」


 セリカが照れながら、リーシャとヒルデに釘をさす。


 ****


 ユリウスの命により、帝国の西側を完全制圧に入る、ガンドルフ率いるアロー戦車隊は反帝国派を見つけながら進軍する。


「もう、失敗は出来ん、全軍反帝国派を捕らえ降伏する者は生かし、反抗する者は抹殺せよ」


 帝国軍が西の領土の街を次々と制圧、人々は帝国の驚異に恐怖で押さえつけられ、やむを得ず従う人が次々と増えてきた。

 捕らえられた反逆者は、公開処刑され帝国の力が益々強大となり始める。

 生き残った反逆者は、助けを求めるためサウザンドに足を運ぶ。


 ****


「アイラ様、アイラ様に助けを求める者が謁見を希望しています」


「わかりました、早急に通しなさい」


 アイラに謁見を求めた者は、軍人には向かず華奢な体つきで学者向けの容姿だった。


「お初にお目にかかれて光栄です、アイラ様に助けを求めるため、ブルガンド帝国の西の街から参事ました」


「何があったのですか?」


「帝国を率いるユリウスが、世界を手中に納めると宣言しました・・」


「・・・・帝国がついに本格的に動き出しましたね」


 勢力拡大、全てを手中に納める、帝国の、いや、ユリウスを操るクロユリの野心がついに牙を剥き出した。


「そうなると、貴方達の仲間を助けなければなりませんね・・ノースディアとイーストガンド、それとサーシャにこの事を伝えて下さい、事は急を要します」


 反帝国のリーダーの救援を受諾し、直ぐにカイト達に伝わり、マーベルランドにて会談を行う事となり、反帝国のリーダーはサウザンドにて体を休める事になった。


「カイト様ぁ、また会えて嬉しいですわ」


「アイラ様・・あまりくっつかれると」


 言った矢先にセリカの視線が恐ろしく、アイラを見つめる。


「アイラ殿、戯れはその辺にして頂きたい」


「えー良いじゃない、減るものじゃないし」


「おーっカイト相変わらずモテモテだな」


「バサラ!」


 イーストガンドからバサラが駆けつけ、全員集合となったが、肝心の話に持っていけない。

 サーシャが歯止めをかけ、ようやく話が始まった。


 先ずは帝国に反抗する者が処刑された事から、反帝国のリーダーをサウザンドでかくまっている事、彼等を救出しこちら側に引き入れる作戦だ。


「策は練りました、カイト様達はノースディアから帝国に、バサラ様はこのままマーベルランドから突撃して下さい」


「アイラ様はどうするのですか?」


 アイラの策に、カイトとバサラが同時に問いかけるが、アイラは微笑みながら、話を進める。


「貴方達が帝国と戦っている間に、私達は反帝国派を救いだします、これには、カイト様、セリカ様、バサラ様、3人の神器ヴァルキリー使いにかかっています」


 プレッシャーがカイト達に、重くのし掛かるのがアイラに十分に伝わったが、それでも帝国の力を削ぐには、この作戦が鍵を握る。


「それでね、ノースディアとイーストガンドが結託して、帝国に宣戦布告をしたと言う情報を帝国に流しました」


 ーー手が早いのぉ、アイラーー


 ーー本当呆れるくらいーー


 ーーリーシャお姉さま、ヒルデお姉さま、頑張るのですーー


 ーーお前らにかかっているからな、頼むぜーー


 ーーキルケこそ、頑張りなさいよーー


 ーーお前に、言われるまでもない、ヒルデーー


 神姫達もやる気になり、作戦決行の為カイト達はノースディアに帰還し、戦支度を始める。


「カイト、姫様、こちらはいつでも行けます」


 ベリルが出陣の準備が出来たと報告に来る、赤き義勇軍は兵を5000連れて、帝国との国境付近までやってきた。

 アイラの挑発に乗ったのか帝国側も、軍を引き連れ、20000の兵を連れてノースディアの国境付近にあらわれた。


「数が多いな・・やはり」


「あの変な乗り物は居ないな・・」


 周辺の地形を見渡すカイトとセリカ、そこは開けた大地と草原が広がり川も流れていない。


「真っ向から行っては勝ち目はないどうしたものか・・」


 両軍のにらみ合いが続く中、そこにはユリウスの姿は見当たらなかった。

 お互いの動き牽制し合う両軍、ただ、時が過ぎていくばかり。


 ****


 マーベルランド側から陣を貼るイーストガンド、こちらも帝国軍の数は10000を越え、そこにはアロー戦車隊が前衛に構え、カイト達と同じくにらみ合いが続いていた。


「妙だな・・数なら向こうが有利だが、掛かってこねーな」


 ーーバサラっちが怖いのですよ、きっとーー


「えっ?俺有名人?」


 ーーさぁ?・・・ーー


 イーストガンドの兵5000、数では劣るも、真っ向勝負するつもりだったバサラ、その間サウザンド軍は静かに行動を開始していた。














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