表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/36

16話 初めての同棲生活とこれから

閲覧ありがとうございます。

このお話は生きた!愛したをモットーにお送り致してます。

 無事に帰還した、セリカとカイトは積る話もあるが、一先ずはゆっくり休む事にした。

 幸い、帝国も、サウザンドも今は、大人しくしている。


 翌朝、二人の交際を認めて貰うため、カイトとセリカは国王と女王の元へ行く。

 本題に入る前に、カイトは帝国との戦いで、バーン王子の事を話し出し、国王はこれを了承した。


「ち、父上、母上、ワタシは・・・カイトが好きです!ワタシ達の交際を、認めて欲しいと思い、話をしに来ました」


 セリカが勇気を振り絞り、思いを全て話し始める。


「カイト!お前の気持ちを今一度、聞かせてくれ」


 カイトを試すかの様な、国王の口ぶりだが、カイトは自信に満ち溢れた表情で質問に答えた。


「正直、俺は一国の姫である、セリカを好きになって良いのか?と疑問に思いましたが、だけど、自分の気持ちに嘘はつけません!俺はセリカが好きです!」


 本人の前で、堂々と答えるカイト、セリカは赤面して下を向いたままだった。


「セリカ、ワシはカイトを息子として、改めて迎え入れたい、二人が良ければ結婚も考えた上で、お前達を認めたい」


 つまりは、結婚を前提に交際をしろと言いたい国王、女王は当然二つ返事で了承済。

 そして、一週間二人で同棲生活をしろと言われ、神器ヴァルキリーを取り上げられた。

 結婚まで約束された二人、認めて貰う為には、この試練を乗り越える事を決意したのだ。

 用意されたのは、かつてカイトが、ノースディアに来た時の村の集落、戦闘で焼けたはずだったカイトの前の住まい。


「えっ!?直ってる・・」


 いつの間にか、前に住んでいたカイトの家が直っていた、村人に話を聞いたら万が一の為に、村人が修復したらしい。


「みんな・・・ありがとう」


 中に入ると、一応生活に必要な物は揃っていた、いつか、こうなるのをわかっていたらしく、国王と女王が、こっそり準備をしていたなど、二人は知る由もない。


「さて、とりあえず・・・掃除からか・・・」


「カ、カイト・・ワ、ワタシは何をすれば・・・」


 トントン拍子に、話が進みすぎて、結婚など考えていなかったため、照れ隠しできない二人。

 国を追われ、一人暮らしを経験したカイト、お世話係がいてほとんど家事が未経験なセリカ、対照的な二人だが・・・。


「セリカ、5年前の事を覚えているかい?」


「えっ?・・・」


 セリカと共に、5年間寝食を共にした時の事をカイトは思い出した。

 あの頃はベリル達、大人の力を借りて五年間共に、同じ屋根の下で暮らしてきた、あの時に学んだ事を今、実現する時がきたのだ。


「そ、そうか!わかった!カ、カイト頑張ろうな」


 顔を赤くし、照れるセリカとカイト、試練の一週間の同棲生活が始まる。

 慣れない手つきで一生懸命になるセリカ、カイトはこんなに苦労をしてきたのかと、思い知らされ、自分は何て幸せ者なんだと思い知らされた。


「難しいものだな・・・色々と」


「最初から、上手くできる人なんていないさ、ゆっくりでいいから、ちょっとずつ、歩んで行こう」


「カイトは、ワタシと結婚するのは嫌だったか?」


「セリカはどうなの?」


「ワ、ワタシは、お前に命を助けてもらったあの日から、徐々にワタシの中で、お前の存在が大きくなり、気づいたらお前の事が・・好きになってしまった・・だからな!こ、これからも、カイトと一緒に居たい・・」


 質問に質問で返すのは感心しないと言い返しながらも、セリカは、カイトとの結婚を前向きに考えてくれている事が伝わり、カイトも返事を返した。


「最初は戸惑った、でも、セリカは俺に命の大切さを教えてくれた・・だから、俺も隣に居るのはセリカしか居ないって、思ってる・・」


 ユリウスへの復讐は、忘れたと言えば嘘になるが、今この時、この瞬間を大事にしたいとカイトの胸の内を全て打ち明かし、すっきりした気分になった。


「ワタシも、得意料理とかを身につけて、お前を幸せにしたいぞ!」


「ありがとう・・頑張ろうな!俺もセリカを幸せにしたい!」


 いつもの覇気のある、セリカに戻り、二人は身を寄せ合いながら、一夜を過ごした。


 ****


 カイトとセリカが同棲している間、サウザンドではセリカを誘拐しようとし、失敗したギースが戻っていた。


「ギース団長、随分と勝手な真似をしましたね」


 ギースを問い詰めるさらりとした瑠璃色の髪に、一縛りしたポニーテールがチャームポイントの一人の女性がいた。


「ア、アイラ様・・お、お許しを」


「私はサウザンドの女王として、奴隷の人身売買を見過ごす分けにはいきません!人身売買をし挙げ句の果て、あなたは勝手に人を誘拐しようとし、奴隷として売りつける、その諸行は許しがたい行為!」


 このアイラと言う女性は、サウザンド公国の女王で父が病で亡くなり、このアイラが最近になって女王につく、年齢は22歳、今サウザンドで起きている奴隷問題を排除したいが為、正義に溢れた女性だった。


「いや、あ、あれは・・その・・」


「何か弁明があるのですか?」


 私欲で動いたギース、弁明の余地が全くなくなってきている。


「ちっ!チックショウーーー!何で、お前の様な小娘に従わなきゃならねーんだ!!これじゃ俺の商売あがったりじゃねーか!」


 自棄になり、手元の短剣を手にアイラに襲いかかるギースだが、アイラがサファイアの宝石の様な輝きを持つ弓を取りだし、ギースの胸を貫き、ギースは息絶えた。


「あなたの様な無法者は、この国には必要ありません!天に帰りなさい」


 ****


 カイトとセリカが、同棲生活を始めて5日が経過、カイトは村の仕事を手伝いながら、薪割をし、セリカも村の女性に色々な事を教わり、精神的に成長してきた。


「セリカただいま!」


「お、お、おかえり!カイト」


 照れながら、カイトを出迎えるセリカ、慣れない事をして疲れが溜まっている二人だが、もう大分慣れて、お互いの絆と信頼が高まり苦労は感じていない。


「見てくれカイト!」


「す、凄い・・セリカ一人で?」


「ワタシもやれば出来るんだぞ!」


 普段は、カイトと共に料理をするのだが、料理すらまともにした事がないセリカが、カイトの為に作った料理完璧に仕上がっていた。


「うん、美味しいよ!セリカ凄いな」


「そそそ、そんなに褒められると・・ててて、照れるではないか・・そ、それにな・・も、もし、ワタシとカイトの間に、子供が出来たら・・その子に食べさせたい・・・は、恥ずかしいからこれ以上は言わんぞ」


 改めて二人は、結婚しようと誓い合い、一週間の同棲生活を無事に終え、城に戻り国王と女王に報告をする。


「ち、父上、は、母上、この一週間ワタシは・・色々と学びました・・ワタシはカイトを夫として迎え入れたいと思ってます・・」


「カイトはどうだ?」


 セリカの言い分はわかり、カイトの返事を聞く国王。


「俺も、セリカと結婚したいと思いました・・セリカと結婚させて下さい」


 国王は、にこりと笑い二人を認めた、結婚に関しては、帝国との戦いが終わるまでは式は挙げない事にした。


 結婚とは、如何なる時も夫婦で力を合わせて、困難に立ち向かう事を二人に教えたかった為に、カイトとセリカに同棲生活をさせたのだ。


 神器ヴァルキリーも、無事にカイト達の元に戻り、輝きが一層増していた。


 カイト達が居ない間に、鍛冶職人が磨きをかけてくれたのだ。


 ーーチュッチュッ♪ウフフ♪した感想は?ーー


「ななな、何を言わせるんだお前は?」


 ーーいいじゃない・・聞かせて欲しいわーー


「ひ、秘密だ!」


 ーーカイトぉ・・ワシがこんなにも輝いておるぞ・・ワシが居なくて寂しかったであろう?ーー


「い、いつものリーシャじゃない・・」


 めでたく、恋人兼婚約者同士となった二人、翌朝傷ついた若者が一人の女性を連れて、ノースディアを訪れた。


















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ