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11話 揺るぎない思い

何か書いていてファイアーエムブレムの世界にいる様な感じになりました。

 行く手を阻まれ足踏み状態のセリカ達、戦う道を選ばざるを得なかった。


「おぅ!この中で皇帝派はイーストガンドに戻り、これを機に陛下を助けろ!そして皇后派は今この場で俺が始末する・・」


「しかし・・」


「いいから行けっ!」


 バサラは兵を退かせ、皇后派の兵もバサラに恐れをなして皇帝派と共に退却、この場にはバサラとシャロンの二人とセリカの部隊だけとなっていた。


「兵を退かせるとはどういう事だ?」


「こっちにはこっちの事情があるんだよ!」


 カイトが問いただすとバサラはそう答える。


「一刻を争うならこんな事している場合じゃないのではないのか?」


「確かにな・・・けどお前から強者の匂いがしてな・・・俺の血がたぎってしょうがねーんだよ!知りたければ俺に勝つ事だ!」


 ーーカイトあいつの鎌、もしかすると神器ヴァルキリーじゃぞーー


「何だって!?」


「オラッやるのか!やらねーのか!どっちだ?どの道俺を倒さねーと先には行けねーぞ」


 バサラの挑発に敢えてカイトは乗る事にした、当然セリカはそんなカイトを心配してしまう。


「カイト・・お前・・」


「大丈夫さ・・この命はノースディアの為、一番はセリカの為に使うと約束したのだから、死ぬわけにはいかないさ!」


 心配するセリカの肩にそっと手をあて優しく語りかける、それは兄への復讐を心の奥にしまい、セリカの為に生き抜くと言うカイトの固い決意でもあった。


「ならワタシも戦う!」


 セリカが剣を抜こうとした先にシャロンがセリカの前にあらわれ、腕を後ろに組まれ直ぐ様腰の双刀を取り出しセリカの喉元に突きつけ動きを封じられた、これではヒルデを呼び出せない。


「男と男の真剣勝負に女がしゃしゃり出てはダメよお嬢ちゃん大人しくしててね」


「き、キサマいつの間に!」


 ーー私の出る幕じゃないわね・・リーシャとカイトに任せるしかないわーー


「ヒルデ!」


 ーーあのぼーや、あなたの為に生き抜くと言う決意は本物よこういう時って意外と力を発揮するのよーー


「わかった・・・カイト、ワタシの為に勝ってくれ」


 ****


 カイトがバサラに歩み寄り名を名乗る。


「赤き義勇軍!カイト・バンガードだ!」


「イーストガンド将軍バサラだ!お前らノースディア軍じゃなくて赤き義勇軍だぁ?ま、どうでもいいや!ちなみにあっちの女は俺の嫁だあの赤髪の女はお前のこれか?」


「なっ何だ急に?」


 バサラが小指を立ててからかい出し、カイトは赤面し始める。


「時間がないのはこっちも同じ!来てくれリーシャ」


 カイトがリーシャを呼び出し強風が吹き荒れ出した。


「お前!神器ヴァルキリー使いだったのか!こりゃおもしれー!」


 カイトを見るなり笑い出すバサラだがその笑みも直ぐに消えた。


「こっちも絞めてかかんねーとな!行くぜローズ!」


 ーーバサラっち♪待ってましたーー


 バサラがナイフを取りだし、自分の手を切りその血がデスサイズに滴り落ちると赤い霧がバサラを覆い出した。


「こいつは神器ヴァルキリーデスサイズ!神姫名はブラッディローズ略してローズだ」


 ーーローズじゃと!カイト気を引き締めろよローズは強いぞーー


「わかった」


 バサラの気合いにより、大地が揺らぎ出すカイトも負けじと周囲に風を巻き起こす。


「さぁ!命のやり取りを始めよーぜ!!」


 ーー来るぞ!構えろーー


 キーンと金属のぶつかり合う音がこだまし、二人のつばぜり合いが始まる。


「つ、強い・・・何て力だ押される」


 ーーローズ、随分と熱かましい男と契約したのぉーー


 ーーバサラっちの血は熱く煮えたぎって燃えるですよ~リーシャお姉様ーー


 つばぜり合いの中でリーシャとローズも会話をしている、カイトは相手の力を利用して難を逃れ再び距離を取る。


「やるじゃねーか!だがこれはどうだ?」


 バサラのスピードが増しカイトの背後に回り込み一撃を浴びせようとしたが、カイトもうまく回避する、腹部にかすり傷を負ってしまうがカイトもその隙にカウンターを浴びせバサラの腹部にキズを負わせたがバサラもかすり傷程度に過ぎなかった。


「カイトーー!!」


 セリカの叫びがカイトの耳に響きカイトに力が沸きだし始める、セリカは隙を伺いバルムンクを抜こうと試みるが、シャロンの双刀がピンポイントでセリカを捕らえているため、やはり迂闊には動けない。


「それにしても・・カイトと言ったか?さっきの優しい目とは違い、良い目じゃねーか戦う男の目だ」


「それはどうも・・・」


 ーーカイトまだ行けるか?ーー


「ああ!状況が状況だけに時間がないから一気に決める!」


 ーーよう言うたワシが必ず勝たせてやるぞ勝利の風をくれてやるーー


 バサラっち!向こうの雰囲気何か変わるよ!ーー


「上等だ!受けて立つ!」


 ゲイボルグの切っ先に風が集まりだし塊となり始めた、対抗するかの様にバサラのデスサイズにも切っ先が赤く染まり出した。


「行くぞ!俺の一撃に迷いはない!」


「ハッハッハッ!おもしれー来な!」


 カイトはゲイボルグを握りしめ直し、踏ん張り出し気合いを入れている、バサラはかかってこいと言わんばかりに身構えていた。


「ハアァァァアッ!!」


 カイトの渾身の突きがバサラに向かっていく、バサラも受け止めるがゲイボルグの切っ先に集まっていた風の塊が気流となりバサラを襲う。


 ーーバサラっち!!ーー


「なんつう一撃だ重みが違う・・ローズこっちも反撃するぞ!」


 バサラもカイトの攻撃を跳ね返し反撃に転じるが。


 ーーバサラっち避けて!ーー 


 ーー残念じゃのぉローズもう終わりじゃーー


「いっけぇーーー!」


 カイトがさらに突き攻撃を繰り出すとバサラを襲っていた気流が嵐となりバサラを吹き飛ばした。


「ハァッハァッ・・・やるじゃねーか・・・ぐっ!」


 立ち上がったバサラだがもう戦う気力がない、立っているのがやっとの状況、それを見かねたシャロンがバサラの元へ駆け寄る、当然セリカもカイトの元へ猛ダッシュする。


「カイト!カイトーー!全くお前は!」


「約束守ったぞ・・セリカ、て言うか・・い、痛い」


「ああ!見届けたぞお前の勇姿」


 カイトが生きていた、約束を守ってくれた嬉しさのあまり我を忘れカイトに抱きつくセリカ。


「悪い・・・負けちまった・・」


「良く生きてたよあんたは・・」


 シャロンも負けたとは言えバサラが生きていた事に安堵していた。


「カイト!俺の負けだ!行きたきゃ行け!殺すなら殺せ!」


「バサラ今イーストガンドで何が起きているんだ?良かったら教えてくれ!」


 呼吸を落ち着かせバサラがゆっくりと語り出した、それはまるでノースディアが内乱に襲われた時と同じ様な光景であった。


「セリカ・・・俺・・」


「皆まで言うな!わかっている助けたいんだろ!ワタシも同じだ!でなければ何の為の赤き義勇軍だ」


「き、協力してくれるのか?」


「他人事には思えなくてね」


 呆気に取られた顔をするバサラに対して、セリカとカイトはノースディアで起きた同じ悲劇を繰り返させたくない為に親身になった。


「恥を忍んで頼む・・・陛下を助けてくれ・・」













俺の一撃に迷いはない!がカイトの決め台詞になりそうな・・・(笑)

読んで頂きありがとうございました

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