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10話 仕組まれた戦い

閲覧ありがとうございます

最新話です

 イーストガンド皇后からノースディアに偽の書状が届く、当然ノースディアは偽物とはまだ知らないでいる、内容はウラル族がイーストガンドに狙われているのでノースディアに救援とノースディアの入国許可を得たいとの事だった、書状の真意を確かめるためキルを密偵として、ウラル族とコンタクトを取るのだったが。


「その書状は我らは知らぬ・・書いた覚えは一切ない」


「では一体誰が!?」


「ノースディアの使者よ、恐らくイーストガンドに騙されたな!急ぎ国へ戻りこの書状は偽りだとお伝え下さい、イーストガンドはノースディアを攻めるとお見受けする」


「万が一ここが戦場なったらどうするのですか?俺と一緒に一時避難しましょう」


「それには及ばん我らは雲のように風のように流れて行く心配無用」


 ウラル族の決意は固くキルは諦めてノースディアに戻り、この事を報告したのだった。


「イーストガンドの皇帝は我らと思想は違えどむやみに侵略や略奪はしないはず・・」


 国王のセルシオが頭を抱え悩み始める。


「父上!それでもノースディアに攻めて来るなら民を守らねばなりません!」


「陛下!私も姫様の意見に賛成です」


 セリカとベリルが同意見で話を進め、ノースディアとイーストガンドの国境にて迎え撃つ事にした、カイトはシルビア女王に呼ばれお茶と共に話相手をしているのだった。


「呼び出してごめんなさいカイト、あなたとゆっくり話できなかったからこの機に是非とね」


「い、いえ見に余る光栄です」


「そんなにかしこまらなくて良いのよ・・私を母と思いなさいと昔言ったはずよ」


「は、はい」


「ところで、セリカとはどこまで進展したのかしら?」


「ぶはっ!!」


 いきなりの凹凸こうとつな質問に飲みかけのお茶が気管支に入りせてしまったカイト。


「あの子お転婆だから、昔縁談の話があっても嫌がっていたの・・自分の夫は自分で決めるって」


「そんな事が・・・」


 カイトの知らないセリカの過去を知らされて新鮮な気分であった。


「それでねカイトあなたが良ければだけど・・・セリカをあなたのお・・・」


「母上、何を話してるのですか?」


「あら?セリカどうしたの」


 セリカをカイトのお嫁さんにしてと言いかけた時にセリカがやって来た、カイトは当然話の最後はわからず終い。


「カイト!出陣だ今度はイーストガンドが相手だ」


「わかった!女王様ありがとうございます」


 そう言って足早に出撃準備をするカイト、赤き義勇軍は5000の兵でイーストガンドを迎え撃つ為国境付近にて陣を張る。


「攻めるならどこからだと思う?」


「セリカ、ベリルさん、マーベルランドを経由する可能性もあるでも、地形的に考えるとノースディア側は広い平野部だから戦いやすい、逆にマーベルランド側は岩肌に面した荒野だから奇襲をかけるならこっちかな」


 セリカの問いかけに、カイトが地図を広げ周辺の地形を話し始める。


「思い切って二手に別れるか・・カイトは当然ワタシとだ!お前はワタシのモノであり、ワタシの直属の騎士だからな!それにお前を1人にすると何をしでかすかわからんからな!」


「すっかり忘れてた・・」


 この会話にベリルはくすりと笑っていた、セリカのカイトに対する思いが見え見えだから。


 ****


 部隊を2編成し、セリカとカイトは兵を1000連れてマーベルランド側にベリルは4000の兵でノースディア側に陣を張る事にした。


 予想通り両側にイーストガンド軍があらわれ、ひとまず様子を見る事にしたがカイト達のいるマーベルランド側の敵部隊はこっちに向かってくる気配はなく、進行方向とは逆に動いている。


「しまった!本命はノースディアか」


「カイトどうする?」


 相手の出方を伺いつつカイトに意見を求めるセリカ、ふと雨が振り出し荒野に霧が発生し始めた。


「この霧を利用して相手の背後を付こう!ノースディアに行くならこの荒野を越えるはず、わざわざマーベルランド経由していたら遠回りだ」


「そうか!敢えて別動隊と合流させて、向こうが知らない内にワタシ達が現れる作戦だな!」


 カイトの作戦は一か八かの大博打だった、霧を利用して身を隠し相手を尾行するのだが、こちらも相手が見えないだけあって不安だらけと帝国がいつ動くかも注意が必要だからだ。


 セリカは伝達の為、兵を1人ベリルの部隊に向かわせた。


 ****


「そうか・・ご苦労だった」


 ベリルに伝達が届き、相手の出方を待つベリル部隊、ついにお互い姿が見える所まで両軍の睨み合いが始まる、向こうにはバサラとシャロンが先頭にいた。


「向こうも動かねーな」


「アタシ達の動きに気づいたかしら?」


 バサラの言う通りセリカ達が伝令を派遣したため動きを察知されている、だがイーストガンドもノースディアの動きを読んでいた。


「チッしゃーねーなシャロン俺達は後ろから来る敵を迎えるぞ!」


「バサラ将軍勝手な行動は控えて頂きたい」


「アァッ!何だって?」


 今回の戦の指揮官がバサラを制止するが、バサラの一睨みでその場が凍りつき、バサラの部隊はその場を後にする。


 バサラが陣を離れた数分後、先にイーストガンド軍が動きだし、ベリルの部隊に襲いかかり始めた。


「撃てー!」


 ベリルの合図により鉄砲隊が一斉に発射、イーストガンドも負けじと火矢を放つ。


「皆持ちこたえろ!姫様達が必ず何とかする」


 ****


「セリカ!あの先から煙が上がっている戦闘が始まったぞ」


「くっ!ベリル何とか持ちこたえてくれ」


 敵の背後をつくため霧の中をひたすら進むセリカの部隊、次第に雨が止み霧が晴れだし見晴らしが良くなってきた。


「見えた!もうすぐ平野地帯に出るぞ!向こうも合流したらしいな・・」


「カイト!仕掛けるか?」


「ああ!やるなら今だ」


 セリカ達の鉄砲隊が威嚇射撃をし、注意をこちらに惹き付けるとイーストガンド軍がこちらに向かい怒濤の勢いで向かってくる。


「こちらも行くぞ!出てこい!ヒルデ」


 セリカが神器ヴァルキリーをかざし炎を発生させ、突撃開始。


「セリカ!危ない」


 突然地面が地走りし始めた、とっさにカイトがセリカをかばい難を免れたが目の前にバサラとシャロンがあらわれた。


「よう!ノースディアの連中、悪いがここからは行かせねーぞ」


 セリカ達の前に立ち塞がるバサラとシャロン、どうやら先ほどの地走りはバサラの仕業だった。


















ネタをバラしますが今回はかの有名な戦国武将武田信玄と上杉謙信が川中島で戦った際山本勘助のキツツキ戦法を参考にしました。

実際はキツツキ戦法は上杉軍に見破られ武田軍は手痛い奇襲を食らうて歴史です。

長くなりましたが読んで頂きありがとうございました

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