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1話 侵略と裏切り

大河ドラマ見ていたらふと思いついて

書いて見ました。

初回は拡大版でお送り致します(笑)。

気に入って頂けましたらブックマークお願いします感想、評価もして頂けたら幸いです。

 マーベルランド王国、東西南北に大きく強大な国に囲まれた小さな国。


 この国の領土を狙う東西南北の強国の驚異に怯えながらも国民は日々一生懸命生きている。


 国と言っても小国ゆえに国王ではなく、領主と言うべきか・・当然城もなく領主は館住まい、領土面積は現代で言う東京都と同じくらいと言っていい。


 この国は森と山に囲まれ木材や鉱山採取に最適な土地、火薬技術にも力を入れている。


 領主の名はジョシュア・バンガード鋭い目付きと威圧感のある髭を生やし、武術で鍛えた筋肉質な体つきであるが妻に先立たれ息子二人を男手1つで育ててきた。

 よって弟の方は母の愛情も知らずに育ったのだ。


 ******


「兄上お願いします!」

「いつでも来い!」


 木剣を手に剣の鍛練に励む二人の少年、長い黒髪を一縛りし父親のジョシュアそっくりな目付きをしたのが兄のユリウス・バンガード18歳。

 黒髪短髪の優しい目と顔立ちをしたのが弟のカイト・バンガード13歳、顔立ちからして母親似であろう。


 カンッ!カンッ!


 木剣のぶつかり合う音が鳴り響き、ユリウスはカイトを負かす。


「さすが兄上参りました!」

「ハハハッ!カイト大分腕を上げたな!」


 仲むつまじい兄弟の会話だが一人の年老いた使用人が慌てた表情でやってきた。


「モハメッドどうしたんだ?」


 この使用人の名はモハメッド、ユリウスが不思議そうに尋ねるが。


「二人とも、父上様がお呼びです館にお戻りください」


 モハメッドに連れられ館に戻った二人は父の書斎に呼ばれた。


「父上、お呼びですか?」

 ユリウスが尋ねるとジョシュアが地図を広げ重い口を開き出す。


「この国は、四方に取り囲まれているのは知っているな?」


「はいっ特に西国のブルガンド帝国は勢力を拡大していると、聞き及んでます」


 今度はカイトが父の問いかけに答え、ジョシュアの話はまだ続く。


「そのブルガンドがついに、こちらに向かって進軍し始めたらしい!」

「何ですって!父上ここが戦場になるのですか?」


 二人はあたふたし始めるもジョシュアは何故か冷静に話を進め、足元から鉄砲を取り出した。


「我らには、この土地で取れる資源やそして鉄砲これがある!これは他国にはまだ出回っていない!だからこそ、やつらは死に物狂いでこの土地を狙うのだ」


 そうは言っても、マーベルランド王国は他国に比べれば強い武力を持っているわけではない、カイトが再び問いただした。


「父上!それでこの戦は勝ち目があるのですか?」

「報告によれば向こうは5000の兵を引き連れているらしいだがここを使えば勝てない相手ではない」


 そう言ってジョシュアは自分の人差し指をこめかみに当てた。

 幾ら兵力が劣っても知恵を絞れば打開策はある、それがバンガード家の生き方だと二人の息子に叩き込ませたのだ。


「そしておそらく、敵をここまで招いた内通者がいる!ワシは国境まで敵を迎える、ユリウスはここの守りを、カイトはモハメッドと共に領民を避難させつつお前も避難していろ!内通者は見つけ次第斬る!」


 ジョシュアの策通り西国の帝国軍を迎え撃つ為、ジョシュアは兵2000を率いて国境付近にやって来た、中には鉄砲隊も居るが狭い森に誘い込み敵を蜂の巣にする作戦、戦力が減った所でユリウスの部隊が奇襲を掛ける予定のはずだったが。


「ジョシュア様!もうすぐ誘い込み地点入ります」


 部下の一人が報告をしつつ森の中に入る、帝国軍もこれに応戦しジョシュアの軍勢を追う。

 追いつかれるその時、ジョシュアの兵がマーベルランド王国特産の爆弾を投げつけた。


 ドーーーン!!


 轟音と共に敵の戦力を減らし森に入るジョシュアの軍勢、予定通りユリウスが別働隊を率いて待機していたのだ。


「ユリウス!予定通り頼むぞ」


 父の言葉に耳を傾けるもユリウスは動かない。

「ユリウス?」


 ジョシュアの軍勢が足止めされ、帝国軍が間近に迫ってきた。

 同時にユリウスが片手を上げると、ユリウスの軍勢がジョシュアに向かって武器を構え始めた。


「父上、そろそろ舞台から消えてもらいましょうか・・」


 パンッ!パンッ!パンッ!


 森に待機していた鉄砲隊がジョシュアにめがけて発砲、急所は外れたがジョシュアは瀕死の状態となってしまった。


「ち、血迷ったか・・ユリウス!」

「このままでは、この先我が国は孤立しいつかは我らは滅びましょう」


 力なき者は滅びる・・そう言いたいユリウスその為に父ジョシュアにクーデターを決行したのだ。


 そこまでに至るに、ユリウスは幾人かの兵を自陣側に引き入れていたのだった。

 瀕死のジョシュアを見下ろしながら更にユリウスは口を開く。


「帝国の力は日々増していく一方、これ以上足搔いて何になりますか?」

「そ、そうか内通者はお前だったか・・ユリウス」


 ユリウスが背中に背負っていた大太刀を取り出し、ジョシュアの喉元に突きつけると同時に、ユリウスの体が黒い禍々しい霧に覆われていた。

 この太刀はユリウスが18歳の成人の証として父ジョシュアから渡された物、その武器で今ユリウスはジョシュアを斬殺した。


「この太刀けんが実は神器ヴァルキリーだったなんて・・まさか父上も知らないでいたとはな」


 ******


 北の集落の教会まで避難したカイト達、とりあえずは身を潜める事にしたが、領民は皆この国の行く末が気になってままならない。


 ユリウスが父を殺し、ブルガンド帝国に加担した事はまだ知らないカイト達にユリウスが帰還した一報が届き、カイトとモハメッドは一足先にユリウスに会いに館に戻った。


「兄上!よくぞご無事で!父上はいかがされました?」

「父上は、帝国を相手に勇敢に戦われた・・・だが」


 これ以上は言わなくてもわかったカイトだが、ユリウスの様子が明らかにおかしい事に気づいた。


「カイト丁度良い!お前にも教えてやる!」


 ユリウスは館のテラスから広場に集まる兵士達に演説を始める。


「我が同士達よ!これより我らはブルガンド帝国の傘下に入る!そしてワタシは父上を死に追いやった!強者は生き!力なき者は滅びる!この弱肉強食の乱世を生き抜くために!父上にはにえとなって貰った」


 衝撃的な発言にカイトとモハメッドは呆然と立ち尽くす、ユリウスの野望の中で父ジョシュアの理想が邪魔だった、だから父であるジョシュアをこの手にかけたと言い切ったのだ。


「お前達に選択の余地を与える、従う者は残れ!従えぬなら即刻この国を出ていけ!さもなくば殺す!」


 ーープツンとカイトの中で何かが切れた。ーー


「ユリウスゥーーー!父上をよくも!」


 カイトは怒りの余り我を忘れ、父の書斎から箱にしまってあった1本の槍を持ち出しユリウスに襲い掛かるが、ユリウスはこれを嘲笑うかの様にカイトの一撃を受け流した。


「この世を支配しているのは結局は力だ!力なき者は滅びるのみ!だが俺はなカイト!手に入れたのさ力をな!」


 そう言ってユリウスは神器を取り出し、カイトに見せたと同時に太刀が黒光りし剣圧によりカイトを吹き飛ばした。


「くっ!」


 なす術なく、ユリウスとの力の差を見せつけられたカイトにユリウスは実の弟であるカイトまでもこの手に掛けようとした。


「カイトお前も刃向かうなら容赦はせん!死ね」


 グサッ!


 殺られたかと思ったが、モハメッドが身を呈してカイトを守り父の遺言状だろうかそっとカイトの胸元に入れた。


「モ、モハメッド・・・」

「お逃げ下さいカイト様、生きるのです!生きていれば必ず・・・ぐわあぁー」


 パニックになりながらも、カイトは逃げ始め涙を流しながら走った。

 ユリウスはカイトが所詮一人では生きてはいけないと思ったのか、モハメッドの命と引き換えにあっさりとカイトを見逃すのだった。


 ****


 もう日が暮れかけている中、走り疲れたカイトは道中少し座り込んで胸元に入っていた遺言状を読んだ。

「そ、そんな事が・・父上・・」


 内容はカイトが持っている槍は、カイトが成人の証として与えられるはずだったが、偶然にもカイトはその槍でユリウスと戦いそして敗れた。

 ユリウスの太刀とカイトの槍は採掘場で発見され、それをジョシュアが貰い受けたらしい。


 ーー生きなきゃ・・今をーー


 この遺言状により、カイトは生きる勇気を出し避難した集落に向かった、成人の証として与えられはずだった槍を父の形見として。

 着いた先に帝国軍とは違う軍隊が陣を張っている、国旗を見た瞬間一目でわかった北方のノースディア王国だ。


 そっと近づき様子を伺うと、避難民がノースディア軍に集まっていた。


「あっカイト様!」


 カイトの姿を見た一人の避難民が声を上げてカイトに指を指すと、一人の女騎士が歩み寄って来る。


「ノースディア王国騎士団長ベリルだ!お前がバンガード家の息子か?」


 金髪のブロンドヘアーに身に纏った鎧と剣を携えた姿でカイトに問いかけ、カイトは黙って頷き兄ユリウスの反乱により起きた事と震えながら説明をする。


 帝国軍の進軍を耳に聞き入れたノースディア軍は、誰に頼まれた訳でもなく己の義の為に動いたと皆に説明をし、決して侵略ではない事を皆に説明をした。


「皆聞いてくれ!兄ユリウスは我が父を殺し西国ブルガンド帝国に付いた!もう俺は帰る場所も行き場もなくなった!兄は遅かれ早かれこの村も制圧するだろう」


 カイトは涙ながらに一大決心をした、国を追われ行く当てもない、あるのは兄への復讐心と義に熱いノースディア王国に亡命する事。


 カイトの言葉に心をを打たれた民衆はカイトに付いていく事に決意し、カイトは民を代表しベリルに頭を下げるのだった。


「お願いします!俺達をノースディアに連れて行って下さい!」


 ベリルも心を打たれたのかあっさりと承諾してくれて、国王に掛け合ってくれると約束をしてくれた。


 この日を境にカイト・バンガード13歳、父を失い、兄に裏切られ復讐を糧に生きていく事を誓いノースディア王国へと足を踏み入れるのだった。












































前書きにも書きましたが大河ドラマ真田丸を見ていたらふと思いついてしまい書いてみました。

頭の中で真田丸OPをBGMにして書いてました(笑)

てのはウソです、すいません。

読んで頂きありがとうございました。

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