「湯たんぽ」「時間」「鏡」
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暑い熱を帯びた万象は周囲を暖める。
太陽が地球を暖めたり、人が椅子に座ればそこには温もりが残ったり。
だがしかし、その現象は儚いものである。
どんなに強く確固たる抵抗の意志を持ったとしても、思い通りには決してならないめぐりめぐるモノの経過によって冷めてしまう。
太陽もいつかは滅ぶのだろうし、温もりなど風が吹けば消えてしまうだろう。
それを知ってもなお熱を求めてしまうのが僕達だ。
きっと吹雪の中では例え一本のマッチが灯す小さな炎だとしてもそれに縋りつくのだろう。
周囲の人の心に作用して熱狂的なものにしてしまう圧倒的なカリスマ性を持つ人や物に群がるのだろう。
今、僕がこうして言葉を紡いているのもそうなのかもしれない。
けれど、僕はこの熱を覚ましたくない。
僕の体温が冷めるまでこの熱を持ち続けていたい。
冷たい鏡があるなら、冷たい鏡の中の僕に自我があるなら、彼はどう思っているのだろうか。
もし、彼まで熱を持っているなら僕は嫌だ。
せめて、自分を見つめ直すための自分くらい冷たい鏡に分相応なものでありたい。