レオ、決意する
「リンーーーーー!!」
俺は叫んだ。
腕の中で力を失った最愛の少女の名を。
彼女は言った。
俺を愛したかったと。
笑って生きてほしいと。
次に転生して会うときは、愛したいと。
「ぅあああああああああ」
心は悲鳴を上げる。
リンを失ったのは自分のせいなのだから。
悔んでも悔やみきれない過去がよみがえる。
もうこのセカイに、俺の光はいない。
「殿下」
側近の声が聞こえた。
「っあぁ。--分かっている。」
俺は、叫ぶのをやめて、向き直る。
彼女の顔を見た。
うれしそうな表情に一筋の涙。
こんなにも表情ある彼女の顔に
少しでも歓喜し、泣きたくなるのは自分の行いのせいだと言い聞かせた。
「帰ったら、葬式だ。
そのときに宝珠も葬り去る。
二度と、こんな悲劇が、--起こらないために」
「御意」
ざっと、彼は彼女を抱き上げて前に進んだ。
「殿下ーー」
「なん、だ」
「まだ泣くのは早いです」
「っ、言うなッ」
涙があふれた。
こんなにも誰かを失って泣くのは初めてだ。
ポタッ、ポタッ
と、彼女の頬に伝い落ちる俺の涙。
ッ悔しい。リン、お前を失いたくなかったのに。
俺が未熟なせいでーー・・・。
「殿下、ひとつ提案がございます」
「なん、だ」
「神に、祈られてはいかがでしょうか。
再び、リンさまとめぐり合えるように。
愛し守り抜くことの誓いを。さすれば、いつかーー」
「!言われなくても分かっているッ!行くぞっ」
「御意っ^」
神よ、俺は誓う。
愛するものを次は必ず守り抜いて見せると。
見つけるのがたとえ遅くなったとしても、もう失わない。
守り抜いて、永遠の愛を誓う。
だから、神よーー、
再び、リンとあわせたまえーー。
**こうして、肩書きだけの婚約者であったリンの葬式は
盛大に行われた。それと同時に宝珠も葬り去って。
墓石には、リンの名とレオの永遠の愛が刻まれた。
***それを神が見て、
【汝の願い、叶えてやろう】
と、呟いた。
それが、叶うのは、数百年後の恵まれた幸運の中。




