まかろんカラー
マカロンはお好きですか?
お見舞いに、マカロンをいただきました。
娘がマカロンコック(マカロンの本体でもある生地、メレンゲとアーモンドパウダーなど粉類をマカロナージュして焼いたもの)の食感が嫌いだと云うので、我が家ではあまり食しませんが、いただき物ならば話は別のようで、さっそく箱は開けられました。
中から現れたのは、マカロンカラーに彩られた5色の個体。
マカロンの楽しみは、味はもとより、この愛らしい色合いです。パティスリーによってはビビットな色合いのものもありますが、いただいたお品は、白を多めに混ぜたような淡く薄い色合いで、彩度は低く薄い発色。
マカロンカラーと言えば――で思い当たる、あの優しい色合いのものでした。
きれいにデコレーションされ、箱の中にお行儀よく並べられたマカロンは、まるでアクセサリーかジュエリーのよう。目にも美味しい、とでも言いましょうか。コロンとした形を愛でつつ、色合いからお味を想像してみるのは、口の中に運ぶ前のお楽しみです。
娘とふたり、きゃいきゃいと喜んでいたら、そこへ夫がやってきました。
夫もスイーツ大好き(わたしより大好き)な人ですが、あまり馴染みのないマカロンですから、お味の想像は難しかったのかもしれません。特に、並んだ5色の真ん中、緑色のマカロンのお味は謎だったと見えました。(野菜嫌いだし)
ピーナッツやアーモンドならまだしも、ピスタチオまでは思い至らないようです。
「なんだ。この緑色はなに味だよ、ずんだか?」
惜しいっ!
同じ豆類、緑色だけど。
イタリア発祥の素朴な焼き菓子が原型だという説がありますが、いただいたのは「マカロン・パリジャン」と呼ばれるフランス菓子。枝豆を潰した宮城銘菓「ずんだ餅」味は無いと思います。いいえ。だとしたら、かなり攻めたお味ではないでしょうか。むしろ、食べてみたいかも。
前日のテレビ番組でずんだ餅を観ていましたから、ピスタチオよりそちらが脳内に浮かんだのは想像に難くはないのですが。
……にしても、マカロンのずんだ味。
娘とふたり、大爆笑をしてしまったのは仕方ないですよね。
さて、その後。
息子がやってきて、やはり同じように緑色のマカロンに興味を示しました。
「これ、なに味?」
と問われましたので、いたずら心が動いた母。つかさず、
「ずんだ味!」
と答えてしまいました。さらに面白がった娘が畳み掛けます。
「黄色がきな粉、赤が梅味、オレンジはミカン味で茶色は小豆!」
さすがに息子も「そんなことは無い」と思ったのでしょうが、一番安牌のオレンジ色を手に取りました。例え姉の言ったとおりの味だとしても、ミカン味ですから大ハズレは無いと踏んだのでしょう。
結局、問題の「ずんだ」色のマカロンは娘が取ったのですが、一口含んで、不思議な顔をしました。
おい、まさか。ホントに「ずんだ」だったのかよ!?
「ん~。ちょっとメロン味かなぁと思ったんだけど。やっぱりピスタチオだったわ」
娘よ。
ピスタチオとメロンでは、だいぶ違うと思うぞ……。
風邪をひいているから味が分かり辛いのか、天然なのか。
わたしが食していた赤色のマカロンが、なんとなく梅味に思えてしまった一瞬でした。(ラズベリーです!)
ご来訪、ありがとうございます。
「オレンジ色はみたらし餡味」って言えばよかったかも、とか今頃思いつきました。どこかの前衛的なパティシエさんが作らないものかしらね、和風味のマカロン。
う〜ん、売れないかぁ。
和風味にしたら、マカロンじゃなくて最中よね。きっと。