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妖精姫

妖精姫と結婚した凡人の話

作者: 左右

「悩みがあるなら聞くぞ?」


 知らぬ間にため息をついていたらしい。同僚に声をかけられて気が付いた。

 気遣わしげな視線。ホワイト企業の社員は心に余裕があるからか皆優しい。あるいは経営者の影響か。前職とは比べものにならんなと思いつつ口を開く。


「まぁ、悩みっていうか、そうだな。あー、……妻のことなんだが」


 言い慣れない呼び方に座りの悪さを感じながら歯切れ悪く答えると、同僚は察したような顔をする。


「あぁ、最近結婚したもんな。あの妖精姫と。お前は異世界から来てるし、色々大変だろう。文化の違いもあるからなぁ」


 同僚が渋い顔で頷いたのには理由がある。『妖精姫』は有名だからだ。一般にとても悪い意味で。

 その呼び名の意味する所は、顔だけは良いが中身が伴っていないというものだ。そう呼ばれる人は時代によって移り変わるが代々そんな揶揄を込めて呼ばれているらしい。

 表向きはその美しさを讃える言葉として、裏では舌を出すための言葉選び。人間らしい面倒臭さだ。それは世界そのものを超えても共通らしい。いや、封建的な社会風土で貴族と平民なんて身分が存在するこの世界だと当然とも思える。


 度々異世界人が迷い込むというこの世界は、前作主人公みたいな奴らのおかげで若干色んなものが緩和され、俺の世界のその時代よりもよほど過ごしやすくはされているが、それでも身分の差というのは大きな壁として残っている。

 まぁ、前作主人公たちも基本的にその貴族の権力があったからこそ色々なことができた側面もあるわけで、力あるものに都合のいいものは残るってことなんだろうな。


 ここ、魔法研究所の社員は基本いいやつだが、元々貴族ともそれなりに関わりがあったり、末端でも貴族というものが多い。研究職らしく変人は多いが、それでも本物の社会不適合者みたいなやつはここには入れない。曲がりなりにも貴族が経営している研究所らしく、それなりの腹芸は必須科目のようだった。


 さて、今代の『妖精姫』の噂といえば、銀の髪にアイスブルーの瞳という高貴な見た目と、人を選んでキツい言葉を吐く性悪さで有名だった。

 高位貴族の一人娘。立ち振る舞いこそ貴族の中の貴族と評されるが、夜会への参加も少なく派閥に属さない。また、口の悪い彼女が珍しく甘言を吐く相手は悉く不幸に見舞われるなど不吉を呼ぶとも噂されていた。まぁ、要するにぼっちの性悪趣味悪女って感じの評価だ。


 そんな彼女は今、俺の妻となっている。いくら彼女の評判が悪かろうと異世界から来た、ただの平民の俺が彼女を娶る訳もなく、当然のように婿入りだ。しかし、お貴族様が俺のような奴の婿入りを許したのは当然、裏というか目的がある。


 それは、彼女にかけられた呪いを解くことだ。前の世界でホワイトハッカーをしていた俺は、この世界にある魔法とかいうシステムと俺の知っている知識との類似性から魔法革新ってやつの一端を担っている。この職場で召し抱えられているのもそのおかげ。その中でも特に既に構築されたシステムの脆弱性を確認するのが専門分野だ。今回はそのシステムが呪いってわけ。


「……昨日、『この先何があっても私があなたを愛することはありません』って言われてさ……」


 俺の言葉に同僚は目を丸くする。


「それは……なかなか」

「あぁ、凄まじい愛の言葉だろ?」


 同僚は言葉を失い、俺は思わず笑って肩をすくめる。おかげさまで呪いを解くという気持ちが削がれてしまう。今でさえこれならば呪いが解けたなら彼女はどうなってしまうのか。いや、逆に俺が保つだろうか?

 それが俺の悩みだった。


 仕事を片付け、早々に家に帰る。


「あら、もう帰って来たのね。不愉快だわ」


 帰って早々妻の歓迎を受ける。眉は顰められ、つり目がこちらを睨みつけるように真っ直ぐ射抜いてくる。


「あぁ、愛する君の顔が見たくてね」


 俺は貴族だと念じながら彼女を見て昂る心を押さえつける。貴族なら腹芸くらいできてなんぼだ、営業活動してると思え! 前職では本当に色んな仕事をさせられたので謝罪行脚もお手のものだ。あの頃を思い出せ、乗り切れ、自分。


「あら、私は二度とその顔を見せるなと申しつけなかったかしら」


 彼女は眉根を寄せ、吐き捨てるように言う。その態度に俺は深呼吸をして心を落ち着ける。


「そっか。じゃあ、夕飯の時間までに少し良いかな。システムを確認したい」


 俺が事務的な話に持って行くと、彼女は渋々といった表情で首肯した。



 部屋を移し、俺の書斎ということになっている作業場に移動する。魔法とやらの解析に使うための色々なものが置いてある。

 先人たちのおかげで紙とペンだけでも文明が生かされていて本当に助かった。流石に半導体の発見までは至っていないようでパソコンは望むべくもないが、いつかできると良い。

 この世界特有の魔法というものも組み込めれば、元のシステムとは違えど案外何とかなるのではと最近は希望を持っているのだが。その研究も確かに心惹かれるが、最優先にすべきは彼女の呪いだ。


 指示するまでもなく彼女はちょこんと椅子に座ってこちらを見ている。この部屋には魔力を持たない彼女の侍女も側に控えている。これは俺たちは一応夫婦なんだけど、呪いを解くという契約の元の結婚だから、間違いがないように、という義父様のご意向だ。俺としてもありがたい。人目があると感情に流されにくくなる。


 俺は開発した魔道具の眼鏡をかけ、彼女に向き直る。

 こうして見るとやはり彼女にはたくさんのコードがまとわりついている。魔力の強い人間はこんなものがなくても見えるらしいが、俺は凡人なんで、大人しく文明の利器に頼るよ。

 この視界を漂う文字列が呪いを引き起こす。彼女自身のエネルギーに根付くように仕込まれたそれは幼い頃に向けられたものらしい。

 コードを引っ張って平面に貼り付けてしまいたいという衝動と闘いながら書き写したコードと見比べ間違いがないか確かめる。

 いつ見てもとんでもないスパゲッティコードで怒りが湧いてくる。これで解除させにくくしているところもあるんだろうが、取り回しが悪すぎる。これ、多分一回きりの呪いなんだろうな。コスパ悪いわ。

 そしてそれはこの呪いの主の悪意がそれほどのものであるという証左でもある。

 しかし、時間はかかったがようやく全容が理解できた。ここまで来れば、突破口が見つかるまで試すだけだ。


「うん、ご推察の通り、二種類が混ざっているので間違いなさそうです。無理に剥がそうとするとあなたの魔力そのものを失う形になっている。だからこそこれまでの解除者はここで諦めたらしいですが、……やりようはある」


 俺は出来るだけ自信を持って見えるように笑う。


「安心してください、呪いは解けますよ」


 俺の目の前で彼女は目を丸くし、それからぽろぽろと涙をこぼす。美しい瞳から流れる雫は真珠のように輝いて見えた。


「その言葉を違えば、生かしておきません。その下賎な命を私のために使えることを光栄に思いなさい」


 俺の手を両手で取り、彼女は顔を歪めながら俺を見つめる。ふわりと良い香りが漂ってその手の柔らかさに一瞬くらくらするが何とか踏み止まる。


「はい。この命に替えても」

「……よろしい」


 首を振りながら彼女は微笑む。


 やはり、彼女の呪いを解こう。我儘な彼女のために、ちゃんと。俺はそう腹を決めた。



 我が妻が呪いを受けたのは幼い頃。彼女は当時その容貌の愛らしさと聡明さで有名だったらしい。お茶会で挨拶をした歳の頃の近い王子も一目惚れするほどだったとか。それで焦ったのは彼女の家の政敵。

 結果、それらは彼女に呪いをかけた。そして、彼女は今日まで孤独な生活を送っているというわけだ。瑕疵のある彼女が王妃になれるわけも無く、その王子様はどこかのお嬢様と婚約している。そのお嬢様が彼女に呪いをかけた犯人かは分からない。

 だが、俺の国には昔からこういう言葉がある。人を呪わば穴二つ。およそ碌な死に方はするまい。



「早く呪いから解放されてあなたと離縁したいわ」

 

 彼女は言う。


「あなたみたいなものに命運を預けるだなんて怖気が走る」

「顔も見たくない。早く消えなさい」

「ただでさえひどい顔が見るに耐えない有様ね。本当に私のために死ぬ気なの? 良い心がけじゃない」


 朝食で顔を合わせる度に近づいて顔を顰める。その手が震えているのが分かって俺は反省する。俺は彼女を微笑ませたくはないのだ。



 勘違いされることもあるが、ホワイトハッカーの仕事はポテチ食いながらパソコンに向かって高らかにタイピングをしてターン! とエンターキーを押すようなものではない。地道なものだ。脆弱性を検知してこう攻められたらどう守れば良いのかを検討する。あの頃はそれをコンピュータに何千回とやらせていた。

 それがない今は手動で一回ずつ試すしかない。失敗すれば彼女の魔力が失われ、そして俺は職を失う。俺の立場は能力を発揮し続けてきたからこそ与えられたもので、もし俺が無能だと思われれば直ちにそれは奪われるだろう。だから、着実に一歩一歩探していく。



 そして、その日は来た。


「……どうですか?」


 手応えは、あった。彼女の周りを回る文字は明らかに減った。


「……えぇと、……真剣なあなたの顔も素敵だなと思っていました」


 彼女は俺を見て微笑みを浮かべる。その美しい笑みに俺は思わずハンカチを差し出すが、予想に反して彼女は目を丸くし、見る見るうちに赤くなっていく。


「……やりましたわ。話せます、私。ちゃんと、思ったことが口にできます……!」


 頬を紅潮させ、彼女は俺に抱きついてきた。淑女らしからぬ行動に侍女も咄嗟に止めるのが間に合わず、俺は初めて彼女の体を抱きしめた。うっわ、良い匂いがする、柔らかい、と一気に煩悩が脳を巡ったことをここに懺悔する。



 難しい顔の義父上が俺の前に座っている。彼女はニコニコ顔でその隣にちょこんと座っている。


「……では、呪いは解けた、と?」

「いえ、正確にはまだ完全ではありません。……妻……いえ、お嬢様がご自身で解析された通り、彼女には『自白』の魔法が掛けられています。これまではそこにさらに『反転』の魔法が掛かり、実際の感情とは真逆の感情と言葉の発露をしていた形です。今回解けたのは『反転』の側だけですので」


 妻と呼んだ途端に飛んできた義父上の視線の冷たさに思わず言葉をひっこめた。相変わらず氷の視線だ。


「……つまり、娘が今こうして微笑んでいるのは『本来の通りの意味』で良いのだな?」

「はい。何度も確認し、ご本人にも解析を依頼しましたが、そのようです」

「はい、その通りです。お父様。私は今、嬉しいから笑っているのですわ」


 光り輝く天使のような笑みを浮かべて彼女は胸を張る。そんな彼女に義父上は幼子にするように頭を撫で、彼女はころころと鈴を転がすように笑った。


「……あぁ、変わらないな」


 優しい眼差しはかつて、彼女が呪いを受ける前の姿と重ねているのだろう。


「もう、お父様。私は子供じゃありません。結婚もしていますのに」


 彼女はやんわりと義父上の手を外し、彼の膝の上に手を戻す。彼女の言葉に義父上の動きが止まる。


「……君」


 鋭い眼光がこちらを貫く。目力の強さに血を感じる。


「はい」

 背筋を伸ばして答える。


「……まず、一つ、君が呪いを解除したことについては感謝を述べよう。だが、契約は二つの呪いの解除だ。ゆめゆめ忘れるな」

「もちろんでございます」

「……そして、この解除はもう一つ問題を生み出している。分かるな?」


 義父上が厳しい表情で見据える。俺は顔を引き締めて頷く。


「はい。今の彼女は無防備です。問われたことに常に正直に答えてしまう。それはおろか自らの感情を隠すことができません。以前はそこに『反転』が加わり、隠れ蓑となっていましたが、今は子供のように感情と思考を露わにしてしまいます。非常に危険な状態です」

「そうだ。故に娘は連れて帰る」

「そんな!」


 断固とした義父上の発言に俺は奥歯を噛みしめる。確かに、今俺一人で彼女を脅威から守り切れるかといわれると自信はない。

 しかし、彼女は目を吊り上げて父に反駁する。


「嫌です! せっかくの新婚夫婦なんですよ!?」

「お嬢様、そこじゃない」


 思わずシリアスを忘れてツッコんでしまった。


「あ、ごめんなさい。でも、せっかくちゃんと言葉にできるようになったのに。あなたにも、侍女たちにもちゃんといつもありがとうって言えていないし、それに。……あ、今思いつきましたけど、私の呪いはあなたしか解けないのですから、一緒にいて呪い解除の試行回数を増やす方が、結果として早くこの呪いから解放されるのではなくて?」


 心の声が駄々漏れ過ぎる。そういう呪いなんだけど。危険性を確認するとともになぜか口角が上がってしまうのは何なんだろうね。


「駄目だ!」


 義父上がこぶしを握って一喝するが、彼女も同じ勢いで問い返す。


「なぜですか!」


「こんなに可愛いお前を前にして、あいつが我慢できるわけがない! 男はけだものなのだぞ!!」

「それはそう!!!」


 俺は思わず義父上に全面的同意をしてしまった。いや、これまでですら可愛すぎてごめんの騒ぎじゃすまない可愛さだったのに、呪いが解けてからの彼女ときたら俺を見るたびにふわっふわ笑って「どうしたんですか」と聞いたら「あなたと一緒に過ごせることがうれしいのです」とか言ってくるから、本当に、大変で、大変だったんだよ……!!


「けだものがなんですか! 夫婦なんですよ、私たち!」


 子供みたいなぷんすかって感じの怒り方で彼女が言うが、何を言っているのか分かっているのか本当に!?


「義父様、毎日お屋敷に通いますのでそこで解除させてください」


 俺は危機感を覚え、土下座する勢いで頼んだ。


「君にまだ父と呼ばれるつもりはないが、そのつもりだ」


 結婚して初めて義父上と俺の心が一つになったところで、納得がいかないのは彼女だ。


「嫌です! ……じゃあ、折衷案で、私たち夫婦が実家に帰るという形は? それなら試行回数を増やせますし、周りの目があるのでお二人の心配することは起きないでしょう? それに、あなたに私の大好きな家族を紹介したいですわ」


 いいでしょう? と甘えるように顔を覗き込まれ、俺たちは陥落した。


 正直、最初にその案を出されたら絶対緊張して無理だと断っただろうが、義父上と心の繋がりを感じた今なら正直やっていけそうだと感じてしまった。これも彼女の策ならば男二人は盛大に彼女の手の中で転がったらしい。



 かくして、俺は彼女と共にしばらく彼女の実家で過ごすこととなった。義母様はニコニコ笑う娘を見て歓迎してくれた。

 それからはひたすら彼女の呪いを解く方法を探っている。これまでは他の仕事もしつつだったが、今はこれよりも優先することはないと、大株主で在らせられる義父上の鶴の一声で俺は研究所への出所が不要になった。まぁ元々、彼女の呪いを解く方法を探すことが運営していた大きな目的でもあったらしいので話としては分かりやすいかもしれない。

 解除の方法を試行錯誤し、彼女の愛の言葉にひっくり返りそうになりながら正気を保ち、度々義母様に呼び出しを喰らってお話をしたり忙しい日々を過ごした。

 あの、なんか義母様は本気で俺を婿にしようとしてません? 義父上は契約の延長みたいな言い方で、呪いを解くために俺が彼女の周りにいなければならなくて未婚の娘の側に平民の馬の骨が彷徨くのは醜聞になるからいっそのこと対外的には結婚という形をとった、と言っていて俺も呪いが解けてほとぼりが覚めた頃に俺に責めがある形で離婚するのかと思っていたんだが。

 彼女は、まぁ好きでいてくれているのは分かるが、貴族的なパワーバランスとしてはそりゃ認められないよなと思っていたんだが。これは、夢見ていいのか……?


「……あの、何を?」

「見て分からないの? 私、不機嫌なんです」

「……はぁ」

「だって、最近目を合わせてくれないでしょう、あなた。昔は見てくれたのに。……昔の、反転した私の方が好みでしたの?」


 そっぽを向いていた彼女はそう言って不安げな顔をした。かつてならば微笑みに変換されていただろうその表情。あぁ、俺は彼女を不安にさせたくなかったのに。

 俺の恥など彼女が悲しむことに比べたら瑣末なことだ。ため息を呑み込み、彼女の目を見る。


「我慢してるんです。あなたが、大変に魅力的だから。抱きすくめてしまいたくなる気持ちを抑えています」

「あら。私は良いですわよ」


 彼女はそう言って悪戯っぽく微笑んだ。迎え入れるように軽く両手を広げる。あぁ、もうこの人は、と俺は激情が込み上げる。


「……それは、是非、解呪の褒美とさせてください」

「えぇ。そうしたら、改めて私から言わせて頂戴ね」




 そして、その日は案外普通に、昨日の続きのような顔で来た。


「……消えたわ」


 呆然と彼女が己を見下ろしている。俺の視界からも彼女にまとわりついていた不愉快な文字列は消えていた。


「……あなた、私に好きって聞いて?」


 彼女が俺を向いて言う。


「……俺のこと、どう思ってます?」


 心臓がどくどくと跳ねている。


「世界で一番、愛してないわ」


 とびきりの笑顔で彼女はそう言った。


「あぁ、私、嘘も取り戻した!」


 自らの言葉に飛び跳ねるように喜んで、彼女は俺の手を掴む。


「ねぇ、あなた。愛しているわ。大好きよ。……嘘をつけるようになってしまったから、どうやったら信じてもらえるか分からないけれど、本当よ」


 キラキラした瞳が一瞬で翳る。しかしすぐに胸を張って『妖精姫』は断言する。

 俺は思わず笑ってしまう。感情を隠すこともできるようになったはずなのに、嬉し過ぎて隠せなくなっているらしい。

 俺は精一杯の貴族らしさを込めて礼をして彼女の手を握り返す。


「知ってますよ。俺も、愛しています」


 二度目のプロポーズは俺から。彼女の答えは抱擁だった。




 それからしばらくは、いくらお人好しの同僚であっても、俺がため息をついたところでどうしたと聞いてくれなくなった。曰く、「己の妻が可愛過ぎることに悩んでいるに違いないから」とのことだ。流石の慧眼である。

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[良い点] 主人公と妖精姫は可愛かったです。妖精姫の母も良かったけど、利用する事だけしか考えておらず例も言わず威圧ばかりする礼儀知らずで非常識で他者を見下している父親には腹立たしさしか感じませんでした…
[気になる点] 呪いをかけたのは誰だったのか 解けた時に呪い返しされてたらいいなあ〜 [一言] この後、娘夫婦を別れさせようとして娘に「お父様嫌い!」と言われて泣き崩れる父が目に浮かぶようですw
[良い点] 妖精姫が可愛い 呪いが半分解けたところで最初の方を読み返すと最初から好きだったのがわかるのもまた善きですね [一言] お義父様ファイト
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