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第七話 凶鳥と俺と変態と

あらすじ 言いたいことは一つ、死ぬな俺! 以上

 



 「どうしたらいい…」


 俺の日常生活にありえない光景が俺の前で広がっていた、命を賭けた戦い。


 カラクと凶鳥が対峙して火花を散らす。


 そしてこの状況で何も出来ないのに居る俺、いずれカラクの体力に限界がくる、今は互角の戦いを見せているが。


 さっきから「どうしたらいい?」の言葉が何度も浮かぶが最善の策がみつからないのだ。


 カラクは一瞬だけ光喜に視線を移し、舌打ちをした。


 (うかつだった。まさかここまで早く霧が引き寄せられるとは…ッ)


 攻防戦の最中腰についている八個のうちの一つの筒をベルトからもぎ取ると、凶鳥に向かって投げつける。


 空中で蓋がひとりでに開くと、爆音が響く。


 「グギャャアアアアァァァ!!」


 筒が凶鳥の足元に転がる、投げつけられた凶鳥は仰け反り暴れようとするが、苦痛を感じるだけで体は動かなかった。


 凶鳥の足から下半身まで巨大な氷が覆っていのだ。


 剣山のような氷は凶鳥の体を突き刺さり束縛し、その隙にカラクは光喜に向かって走り出す。カラクの背中には不快以外感じられない鳴き声が轟くが気にせず光喜の手を握ると、手を引いて走った。


 そのことに気づいた凶鳥はそれまでとは違う尋常でない抵抗を見せ、自分の体が傷つくのも気にも留めず暴れだした。凶鳥の下半身を覆っている氷は亀裂が走り無理やり割ろうとする。


 光喜は後ろを少し振り返りカラクの手を握る力を無意識に強くした。凶鳥の体の大きさを考え、広い庭園から細い路地を選び入り込む。


 人間には十分だけど凶鳥には狭い路地は直線で路地の先には小さな建物がいくつか見えた。カラクは其れを見据えると。


 「あそこに逃げ込むぞ、ワイン貯蔵庫が見える。地下室があるはずだ!」


 王宮の城とは違って外観は殺風景ではあるが石で作られた頑丈な倉庫だ、多少は崩されるだろうがたとえ凶鳥であろうが全て破壊するのは難しいだろう。とにかく光喜の身の安全を最優先にすればいい。


 その瞬間。


 2人の路地の後ろから壁を削る、凄まじい轟音がした。


 音の正体はやはり凶鳥であった、氷の束縛から力ずくで抜け出したので体のあちこちから血を流し、今度は凶鳥の体にはとうてい無理な路地に体を押し込み身が削られ様がお構いなしに2人の後を追う。


 「クソッ」


 カラクが光喜の手を離し、光喜を後ろへ庇う。


 「行け!今度こそ振り返らず逃げろ」


 光喜はカラクに頷き、路地の先にある建物へ一人で走り始めた。


 悔しいが、光喜にはどうしようもない。先ほどと同じカラクに庇われ邪魔になるだけだ。俺が居ないとカラクは途中で逃げることもできる。


 必死に走る光喜を確認すると正面から再び凶鳥と対峙するため刀を構えた。


 カラクの刀は巨大なため凶鳥もそうだが自分も動きを制限されてしまうが、先ほどの広い場所で戦うより条件はずっとよくなった。


 凶鳥はカラクを見据えたがカラクの後ろに見える光喜に視線を変えて見つめる。


 最初からカラクなど凶鳥にとってどうでもいい存在だった、ただあの小さな少女にしか興味はない。光喜にとってはありがた迷惑な話だろう。


 左右の壁を壊しながら一直線に進む、カラクが負傷した足を狙って刀を突くが、凶鳥は身を壁に挟まれながらも跳んだ。


 異常な脚力から出された跳躍はカラクの頭上を悠々と飛び越え、身を壁で擦りながら跳んだのでその瓦礫がカラクの頭上に降りそそぐ。


 カラクはとっさに腕で頭を守り、振り返ったがすでに凶鳥は光喜のすぐ側まで迫っていた。


 「うげぇ!!」 


 もうすぐ倉庫に着くのに自分の真後ろであの怪物がいるのがわかった。限界まで全力で走って逃げているが、凶鳥との距離はすぐ側まで来ている。


 「ちくしょう!!」


 苦し紛れの叫び声を上げると光喜の世界は真っ暗になった。


 凶鳥は光喜を大きな嘴で飲み込んだ。


 「光喜!!!」


 カラクが叫び凶鳥を追う、凶鳥は狭い路地から身を躍らせながら飛び出る。やっと狭い場所から出られ、一息つくまもなくボロボロになった体に鞭を打って走り出した。当然カラクが追いつけない、あっという間に騒音と振動だけを残して何処かへ消えてしまった。


 倉庫に目をやると扉は開いてない、そしてこの場に光喜の姿はない。となると。


 大きな舌打ちを打つと走り出した。

つたない小説を読んでいただき嬉しいです。

バトルシーンは難しいのですすみません(笑)


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