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第二十二話 アナナ

あらすじ 街中で乱闘騒ぎ、以上!

 



 表で光を浴びて闇の使徒以外に堂々とシナモンと俺の名前を呼ばれたのは、いつぶりだったけな。


 裏路地を背中から傷を背負い、壁伝いに歩くシナモンは荒い息をつきながら一つの場所に向かって歩く。


 女神を信仰しているエグゥテの民がそのように、闇の使徒も世界中に規模は小さいが存在する。


 彼らは独自のネットワークを築き、情報を交換し合う。それが今でも闇の使徒が存在し続ける理由。


 存在自体が許されない闇の使徒はそうやって生き延びていた。


 情報こそ彼らの武器で、すでに女神が光臨しているという噂が闇の使徒の間で微かに囁かれていのをシナモンは知っている。


 まさか自分と出会うとは思っていなかったが。


 あの少女の顔を思い出すと苦いものが胸に溜まる。


***


 俺と妹のアナナは両親が自然災害で死んで、2人っきりだった。


 当時13歳の俺は小さな町で薬草や森の獣を狩って10歳になる妹を最低限には養っていけていた。


 父親は優秀な狩人であり小さいころから生きていく方法を教えてくれていたのが助かった、父親の偉大さが今になって身に染みて分かる。


 幸い、親族は近くに住み可愛がってくれて、何かと俺たちの面倒を見てくれる親切な町の人たちのお陰で何とか暮らしていけた。


 慎ましくしていれば未来に不安はない。


 そんな暮らしの中で今年は新王のモラセス皇帝が王位を継ぎ、高い魔力を持っている人間には援助金を出してくれるという話に俺はすぐに舞い上がった。


 年齢関係なく登録さえすれば魔法の基礎の学習代と精霊を獲得するまでの費用を格安にできる。


 前々から魔力に関しては母親譲りの持って生まれたものがあった母親は昔、冒険者の護衛についていた魔術師で基礎と知識は母親から教わり才能があると褒められて自信はある。

 

 その母親は護衛の仕事で尋ねたこの村で父に会い、恋に落ちて結婚したのをよく話で聞かされたっけな。


 母親から教えられ多少鍛えていある魔力で、上手く精霊と契約すれば狩をしているよりもずっと未来は明るい。

 

 子供だって15歳になれば帝国軍の兵士に雇ってくれる、魔術師を育成したがっていた今がチャンスだった。


 それでも駄目だったら魔法具を作る職人の所へ就職すればいい、そんな選択が精霊と契約すればあるのだ。


 狩をしているときより安定して収入が手にはいる。絶対に。


 そしてアルルにもっといいものを買ってやれる、本当は絵の勉強をしたがってたアルルをもっと大きな街の学校へ行かせることも。


 俺の住んでいる小さな町では芸術を教えてくれる先生はいない、俺は学校を途中でやめて狩人になったから尚の事アルルにはいい学校を行かせてやりたかった。


 せっせとお金を溜めて……本当はアナナの誕生日に買ってやるつもりだった絵の画集代のお金まで使い近くの街へ精霊と契約するために向かった、その街は磁場があり精霊を契約しやすい森がある。


 その街で寝食を忘れて死ぬほど働き、全てを魔法習得に注ぎ。自分と相性のいい精霊を探し出し、精霊を満足させるだけの魔力を得るまで一年もかかった。


 それでも俺は早い方で、ほとんど同じ時期に精霊と契約するために来た貴族の息子は、自分の相性のいい精霊を探す所で前進してない。


 金があってもこればっかりは金で買えない、いい気味だ。


 俺の精霊は風の精霊で刃を持った風の魔法を俺は使えるようになり、もっと勉強すれば色々魔法が使えるはずだ。


 まだ魔法を発動したことはない、だって人が多い場所で使えるはずがない。


 簡単な風を起こすとかは出来るが本格的なのはまだで、楽しみにしていたりする。


 さて、苦労して精霊と契約したのだ。雇ってくれる所を探すためにも今度は皇帝の城がある城下街に行く必要がある、折角魔法を取得したのにどうせならこの国で一番大きな街へ行きたい。


 だから暫くは自分の町へ帰り、狩りをしてまた旅費を稼がないと。


 なに、魔法が使えるんだ。狩りは弓を使うよりもずっと綺麗に簡単に得られるはず。


 それだけじゃない、町から依頼されて簡単な仕事も出来る。たとえば熊や狼の退治とか一人では狩れない大型な動物の狩りなんかも一人で狩り報酬を独り占めできる。


 魔法で矢を作る手間もなくその時間を使って薬草を摘むとか他にあてられる、本当に魔法はありがたい。


 俺は親族に預けていたアナナの元へ帰った。


 アナナは自分の家から持ってきた小さな女神像にお祈りをしてる最中で、俺がアナナの前に現れるとアナナは顔を明るくして俺に走り抱きついた。


 「お帰りなさい!お兄ちゃん!」 


 兄馬鹿といわれるかもしれないが、俺の妹は健気で可愛い。


 俺と同じくよく外へ出かけるから肌はいつも色がつき、灰色のロングヘアーもすぐにボサボサになるが自慢の妹だ。


 「おっと!俺をひっくり返す気か?お前」


 久々の再会に俺たちは抱きしめあう。 


 俺は精霊を獲得するまでいた街で生きて行くため住み込みで働き、雑用をして稼ぎ得た賃金でアナナにお土産の本を渡しアナナは嬉しそうに俺にお礼を言ってきた。


 俺は幸せだった、だってアナナがいる。それだけで幸せだった。


 幸せだった…。


 おばさんが奥の部屋からやってくる、俺の家ではなくアナナを預けている親戚の家だったので一番に挨拶しないといけなかったのに、慌ててアナナを離して頭を下げる。


 「すみません、おばさん。ただいま帰りました」

 「お帰りなさい、何改まって?シナモンちゃんが無事に帰ってくれて嬉しいわ~予定よりずっと早かったんだね?」

 「はい、馬を連れている人に会えて乗せてもらったんです、魔法が使えると言うと代わりに護衛しろって言われたんですが…あれは建前だったと思います」

 「いい人でよかったね、おばさん料理まだ完成してないの。アナナちゃん手伝ってくれる?」


 アナナは元気に返事をしておばさんと台所へ行った、そんなに広い家でないので台所で2人が見えて俺は近くのイスに座らせてもらった。


 「アナナちゃんね、狩りをお兄ちゃんとするって練習しているのよ?」


 おばさんが小麦粉をコネながらシナモンへ話しかけた。


 「え?まさか森にはいったのか!?お前!」


 シナモンの動揺にアナナとおばさんが目を合わせて笑う。


 「ほ~らね?おばさが言っていた通り心配しちゃってるよ、大丈夫森へは行かせてないよ」


 アナナはおばさんに続き。


 「弓をおじさんに教えて貰っているの、おにいちゃんと一緒なら森に入ってもいいよね?」


 おばさんにお伺いをするアナナに俺は安心したため息をついた。


 「お兄ちゃんがいいって言ったら」


 おばさんが、アナナに笑って言う。今度は俺に強請るアナナに、丁度魔法も試したかった。


 それにアナナに魔法を見せてもやりたい、兄として成長した姿も見せてやりたいって見栄もある。


 下手に断って一人で森へ行かれるより怖さも教えたほうがいいかも…。


 「ああ、いいぜ。ただし絶対に言うことを聞けよ?」


 満面の笑顔でアナナは返事をした。


 今思えばその時の自分を殺したくなる。


 おじさんも帰ってきて俺を歓迎してくれた。親戚の夫婦には子供ができず、小さい頃から可愛がってもらっている。


 両親が死んだ時も養子に来ないかと熱心に説得しにきてくれたが、思いでのある家を俺たちは捨てられなかった。


 一年間の話はお互い尽きず、深夜まで笑い合って話し込む街の話に魔法を取得するまでの経歴、そして精霊と契約した時の話を大げさにするとアナナは喜んで聞いていた。


***


 そして次の日はアナナを連れて湖の近くまで来ていた、此処なら動物も集まりやすい狩りの場で運がよければ鳥が群れてくる穴場だ。


 アナナに最初から大物を狙わす気は無い、鳥でも狙ってもらう。


 おじさんに教えてもらった弓は11歳のアナナにしてはちゃんと型ができていた、あれこれアドバイスをしてお昼近くまでアナナに付き合う。


 アナナの小さな手のひらを見るとタコと傷が多い、こんな小さな子が俺の助けになるため必死に練習してくれたと思うと心からこみ上げてくるものがあった。


 同時に申し訳なく思える、俺がもっとしっかりしていればこんな思いはさせなかったのに。


 さて、お昼を過ぎたら本格的に狩りをしないと、一日でも早く旅費を貯めないといけない。


 城下街でお金を貯めてアナナに立派な学校へ通わせなくてはならない。アナナを絶対に泉から離れるなと言いつけ、アナナもそれに従う。


 大きな動物はもっと森の奥くにいる、湖は人の気配があるので近づかない。狼でも熊でも鹿でもいい、高く売れる動物を探さないと。


 しかし、探せど探せど動物の気配は全くなかった。異常なまでに森が静まり返っている。


 おかしい、小さい頃から狩り場として足を運んでいたがこんなのは一度もない、気味が悪くなってアナナを一度家につれて帰ろうと湖に戻った。


 アナナが弓の練習をしている後ろ姿が見え、ちょっとホッとして声をかけようとした瞬間。


 俺の真横を黒い何かが高速で通った、アナナに向かって。


 原罪の霧だ。


 霧はアナナに一直線に向かい、アナナに覆いかぶさった。


 俺は声にならない悲鳴をあげて駆け寄った、アナナは抵抗してもがき暴れた。


 「お兄ちゃん!助けて!!私穢れた者になるのはいや!!」

 「心配するな俺が助ける!!絶対に助けるアナナ負けるな!!」


 でも、霧を浄化できるのは女神しかいない。


 そんなことは分かっていた!だから何だ!?アナナを見捨てるなんて出来ない!


 段々とアナナの体が黒ずみ、もうアナナの体は黒いもやになって大きくなっていく。


 小さい少女が、今や熊ほどの黒い大きなもやの塊になっていた。


 「お兄ちゃん…私の心と体がどんどん離れていく…」


 黒い霧が肉体に変わる、とアナナではない違う物になってしまう。


 何してんだ女神よッ!あんたを一番信じていたのはアナナなんだぞ!?頼むから助けてくれ!アナナはあんたに毎日祈りを捧げて生きてきたんだ、俺を代わりに穢れた者にしていいからアナナを助けてくれ!!


 「…お兄ちゃん…」


 霧にとり憑かれてアナナとは思えない声で、アナナは俺に訴えた。

 

  ≪殺して≫


 「いやだ!!いやだ!!アナナ!!」


 俺の顔から涙が滝のようになだれ落ちる、それだけは許してくれ!お前を殺させないでくれ!!


 アナナは立ち上がり手を振り上げた、もう理性がないのか俺を殺そうとしているのかもしれない。


 それでも良かった、いずれアナナも死ぬなら俺も死のう。

 

 何も出来なかった罰として有難く受け取る。


 でも、アナナは自分の体を振り上げた手で自らの胴体を貫いた。


 「アナナ!!?」

 ≪駄目、自分じゃ死ねない≫

 「止めろ!!止めろぉぉぉ!!」


 何度も自分を刺すアナナに、俺は張り上げられ全力の声でアナナを止める、縋ろうにもアナナは近づかせず手を振って俺を弾き飛ばした。


 ≪お兄ちゃんを殺すのは絶対にいや!穢れた者になるのもいや!!私は死んで女神様に死の祝福をうけるの!!≫


 女神の祝福なんてデタラメだ、霧にとり憑かれ暴れる前に殺害したならば女神の祝福を受けれる、なんて美化して殺しを正当化する呼び方だ。


 ≪お兄ちゃんの妹のままで死なせて≫


 クソ、クソ!!


 俺は手のひらにありったけの魔力をかき集めた、こんなはずじゃなかった。


 アナナを幸せにするはずの魔法で


 アナナのために覚えた魔法で


 初めて使う魔法を


 アナナの為だけの魔法を、俺はアナナにむかって風の刃を放った。


 刃がアナナの体に食い込み胴体から真っ二つに裂けるアナナの身体。


 本体が死に、霧は次の宿主を探してアナナの身体から離れた。


 露になる体、広がる血。


 走りより、抱き上げる物言わぬ妹に俺は死ぬほど泣いた。アナナの上半身を抱いてそのまま血で染まった地面に頭を擦りつけ、肺が破れるほど叫び泣いた。


 全てを呪った、自分を、女神を、世界を。


 何のためにアナナは生まれてきた?何でアナナは死ななければならない?


 何故、俺はアナナを殺さねばならない。


 アナナの瞳は魂を失い虚ろな視線を俺に向ける。その瞳が俺を駆り立てた。憎しみを。 


 だから、俺はアンタを許さない。俺からアナナを奪った世界と女神を。


 俺は呆然とした顔で思い出の詰まった家を燃やし、アナナの墓を両親の隣に作りそのまま町を出た、俺の全てを捨てた、生きる理由は自分で殺した。


 ふらふらと夢遊病のような足取りで、道を歩く。


 それが俺の三年前の話だ。


***


 シナモンとであった日の夜。


 王宮の一角、賓客をもてなす部屋の今は光喜が使用している部屋でロウソクに火をつけたり消したりして、魔法の練習をしていた。


 光喜の魔力が強大すぎ、魔法のコントロールが上手くできないのだ。ニーダの監視の元に小さい火を操る。


 「「光喜様、今よろしいでしょうか?」」


 控えめなノックをしてマリとヨミが入ってきた。


 「どうぞ」


 返事をした光喜はロウソクの火を消し双子姉妹に向き合う。一瞬だけ双子とニーダがにらみ合ったが、マリは天使の微笑を光喜に向けて手にしている物を光喜に渡した。


 「はい、完成しました。地球のスニーカーを基礎にした新しいブーツです」


 わお、と歓喜をあげ光喜が嬉しそうに受け取る。


 この世界の靴はイマイチ慣れなくて俺のスニーカーを基に魔法を使って専用のブーツを作ってもらった、慣れない靴でもスニーカーでも森や旅をするのには限界がある。


 ちょっとの距離だったらいいのだけど長時間をたち歩くにはちゃんとした旅用の丈夫な靴が必要だった。


 俺のズボンは太ももまでしかなく、ブーツは膝上ちょっとある。


 お帰り俺の絶対領域。


 我が身ながらこの絶対領域は気に入っていた、次にヨミが俺に布製のものを渡してきた。


 広げると、それはマント。


 純白の厚い生地に金糸で見事な刺繍が施された、お金の掛かったマント。しかもそんなに重くない。


 俺の体にあててみるとピッタリで、ゲームの回復系の魔法使いになったみたいだ。


 マントにはちゃんとフードもついて、顔を雨風から防げる仕様でフードを被ればすぐに髪の色で女神だとばれないだろう。


 何で旅支度しているのかというと、明日俺と双子姉妹とカラクでヴァニーユの街に近い遺跡へ行く。


 最近遺跡のある森で異変があるそうだ、なんでも遺跡の森で人が失踪したり動物が異常な行動をしたりして遺跡に封印されている封玉の力が弱くなっているのかもしれない。


 それを浄化しに行く、モラセスも行きたがっていたが皇帝という役職は大変らしい。


 マントを脱ぎ綺麗にたたむと、次にカラクが俺の部屋にやってくる。


 カラクも俺に荷物を持ってきたようだ。


 「これを付けろ」


 布袋に入っているのを俺に渡す、俺は受け取りだしてみた。


 「何だ?俺の新しい服か何かか?」


 引っ張りだしてみるとブラジャーだった。綺麗な刺繍をした大きいカップのブラジャーだった(大切なので二度言いました)。


 悲愴感漂う顔でカラクを見つめる俺。


 これを俺に付けろと……。


 無表情で俺を見ないでくれ。


 「もしかしなくても俺のか?」


 一応聞いてみる、万が一にも違うかもしれない。僅かながらの希望だってあるはずだ。


 「お前のに決まっている」


 一刀両断で俺の希望をぶった切った。


 さすがカラク俺の守護者、頼むから俺を守ってくれ。


 ふう、と笑顔でため息をつき。


 ダッシュで部屋から逃げようとする光喜を片腕で止めるカラク。


 暴れる女神ににじり寄る双子姉妹とニーダ。


 モラセス以外に全員いるこの状況に嵌められたと悟った光喜と、嬉しそうに服を剥ぐ双子姉妹とブラジ

ャーを持つニーダ。


 万歳した状態に光喜をさせて両手首を掴むカラクに奇声を発して抵抗している。


 仕事の息抜きに様子を見に来たモラセスが光喜の悲鳴を聞き、大爆笑をして。


 ドア越しに聞こえるモラセスの笑い声に光喜は殺意を抱く。


 四人がかりで付けられた、ブラの感想は意外に楽だった。


 プルプルゆれる振動が少なくなり、胸が支えられて軽くなった。


 女の子がブラジャーをつけるのはオシャレや胸の形を綺麗に見せるだけじゃなかったんだ。


 合理的で動きやすくなったが、でも大切な何かを奪われた気分になる。


 こっそり外しちゃおうかな?


 「外せば俺が代わりに乳を支えるからな」


 カラクが俺の背後からぼそりと恐ろしいことを言ってきた。ビクッと震える光喜。


 この変態なら絶対やる!


 光喜はがっくりと肩を落とし、明日の遺跡へ行く旅が不安なものになった。

やっとこさ、旅にでます。

そして光喜は始めてのブラジャーデビューでした。


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