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第十四話 今晩のおかずはトンカツでした。

あらすじ 放り投げられて帰ってきた、以上!




 モラセスとニーダは光喜が扉に消えた後、女神の神殿から退場した。凶鳥被害の後始末のため宮殿の煌びやかな廊下を歩く。


 「……女神様はノア・レザンにお帰りくださいましょうか?」


 心配そうなニーダにモラセスは喉を鳴らして笑う。


 「さてな、それは女神のご意思のままってやつだろう?」


 双子巫女は光喜の帰還を信じている、その証拠に異世界への扉の前に誰よりも早くで向かえるため待っていた。


*** 


 当人の女神である光喜は。


 「なんで!?なんで!?何でお前が居るカラク!!」


 指をさしまるで亡霊を見たように恐れおののく。それを冷静に見ているカラクは上着を脱いでいるので結構ラフなカッコになっていた。


 それはいい、変態がどんなカッコをしていようと、俺が隣に居なければ問題はない。けど異世界の住人であるカラクが何がどうして地球へきているのだ。


 そしてついでにメチャ依然として俺の家にいる!


 「女神の守護者だからだ」


 なんですと?女神の守護者といえば何でもフリーパスかよ?俺に人権はないのですか?


 「だからどうやって来たんだ!」

 「お前と同じ扉を通った」


 先に下りるぞと、二階の俺の部屋がある廊下から階段を降りて行く。 


***


 あーそうかい、だから今一緒に飯食ってるんかい!そもそもお前には人の心遣いというものが無い、来るなら前もって知らせておくべきではないかね!?


 俺はカラクに呼ばれたとおり晩飯を食っている。怒りに任せ、トンカツのカツを箸でぶっさ刺した。


 とにかく問題は後にして、俺の家族構成を紹介しよう。


 俺の家族は剣道の師範(現役バリバリ)をしている爺っちゃんと、海外に日本武術を広めるため講習に行った親父と同じく、日本文化を伝えに父親についていった母さんは暫く不在で家を空けている。


 それと四つ上の姉の光瑠ひかるが俺の隣でトンカツを平然と食っていた。


 カラクに呼ばれた後、急ぎ神剣をベットの下に隠して、絹のドレスを脱ぎTシャツとジーンズに着替えた俺は恐る恐る階段を下りて、そろ~と顔をだして皆の様子を窺っていたのだけどカラクが俺の腕を掴んで食事が並ぶ居間まで連れて行かれた。


 唯一の救いは俺の髪が、純白の色から明るい茶色に変わっているのと、目も茶色に変わっていた事だ。


 ノア・レザンでは不便はなくても地球では不良になってしまう。それが作法に厳しい母さんがいい顔は絶対にしない。


 先に自分の席についている爺っちゃんと姉貴は、俺の変わった性別と姿にはてんで反応なし。当然のように俺が席につくのを待つ。


 いや、カラクと一緒に家から尻を蹴られて追い出されるより全然いい。


 でも何か釈然としない。


 俺を異世界へ飛ばし、女神として変え、そして家族の認識する光喜を変えた、知らない力が働いている気がする。


 正直、いい気分ではない。


 もぐもぐとカツを食う俺に隣の姉貴がひじで俺を突っつく。


 「あんたはこの外人さんの事聞いているよね?」


 俺は白けた目で姉貴を見た。外人さんって確かに日本人ではないけど地球人でもないのよ?それよりも真っ赤な髪とか眼帯とか気にしない?でも知らないフリをしとこう。


 「…なーんも知らない」

 「あそ、なんでも父さんが外国へ行っている間交換でこっちに来たって、すっごく強いみたいよ?」


 十分存じ上げております、大変助かりまりました。


 そうそう、若い男と一つ屋根の下で暮らす設定にあたって、姉貴とカラクの間にラブロマンが生まれる可能性は、一億円の宝くじを当てるよりも低いと予想しているので、その当たりの心配はしてない。


 姉貴は根っから養いたい系だ。別にダメンズとかではないのだけど産まれたての小鹿の様な男がタイプなんだとさ、さながら姉貴は血に飢えた北極グマ。


 逆に、そもそも姉貴はカラクの趣味でないと思う―――胸がない。この一言で察してくれ。


 それに比べて爺っちゃんはカラクを大いに気いった様子だった、先ほどから武士道について語っていたが、口数の多くないカラクは適当に相づちをうっていた。


 家族はカラクをウエルカムモードらしい。


 都合のよすぎる状況に釈然とせずに、口を動かす光喜をカラクは黙ってみていた。


 食事が終わると思い思い居間からでる、俺はご飯を作らない代わりに皿洗いを担当しているのでなれた手際で片付けた。


 最後の皿を水切りかごに並べると後ろに座っていたカラクと目が合う。俺がジャスチャーで俺の部屋に行くぞと合図するとカラクも無言で立ち上がった。


 俺の部屋につくとカラクを見据えて言う。


 「説明しろよ、中途半端に放置されるのはいやだって言ったろ?」

 「簡単だ、お前をノア・レザンに召喚した賢者が根回しをしただけだ。家族の記憶と戸籍を少々いじったといっていたな」

 「どんな権力者だ賢者って!知り合いか?賢者とか言うの」

 「いや、携帯電話に電話して知った」


 ……この異世界の住人の口から、現代文明の象徴とも言える携帯電話という単語がでてくるなんて、予想外なわけで。


 「ああもういい、携帯に繋がるなら直接本人に聞くわ…」

 「それがいい、この世界のことは俺より賢者のほうが詳しい」


 光喜は自分の携帯を机から手に取ると、カラクが番号を言った。番号は確かに某携帯メーカーの番号で通話を押すと機械音が聞こえアチラに繋がった。


 『はい、もしもし』


 声は若い男性の声、とても澄んで美声であられた。


 「あの、俺は光喜といいます」

 『……光喜?ああ、ファーロウが言っていた女神とか言う人ね。ちょっと待ってね、ファーロウ!』


 最初に電話に出た人が賢者ではなかった、数秒後には違う声が代わる。しかもとても幼い子供の声だった。


 『はい、代わりました。初めまして光喜さん、僕が第51578代目賢者ファーロウです』

 「……ア、アンタか?アンタが俺を!」


 震えた、一日と少しで色々なことがありすぎて俺の知らない事を全部知っている人がやっと見つかった。


 『落ちついてください、貴方に渡したい物もあります。会ってくれませんか?』

 「会う、俺に起こったこと全部教えてくれるなら」

 『勿論です、明日は日曜日でしたよね。大丈夫ですか?』

 「ああ、大丈夫だ」

 『では詳しいことはその時に、こちらの都合上あまり長電話ができないのです、すいません迷惑をかけているのは僕たちなのに』

 「いいや。ゆっくり話せるほうがこっちもいい」


 ファーロウとか言う賢者は、俺の住んでいる町から少し離れた場所と時間を指定してから電話を切った。


 電話の最後にアルバムを見てくれといわれたので携帯を机に戻すと、棚においてある最近のアルバムを出して開いてみた。


 俺が消えて女神――女になった俺に全て代わっていた。


 俺すっごい男友達多くねぇ?アルバムをそのまま男から女にしたんでそうなってしまっている。


 はーっこれからどうなるんだろう?俺は。


 ずるずるベットに乗っかると深いため息をついた。


 「安心しろ、何があっても俺が守ってやる」


 カラクはベットに近づいて俺の前で膝をついた。


 うん、ありがとうさん。コイツがいると心強いよ。


 「でも堂々と乳揉むな!!!」


 変態は地球に来ても変態だった。己をそこまで貫けるのは正直すごいと思う。でも俺の乳揉むな!

あけましておめでとうございます。

最近いまいちリズムにのって小説がかけないです。自分でもうわーっと思う出来なので申し訳ない。

はやくギャグを盛り沢山の展開にしたいです。

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