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幻想奇譚

新旧、愛でる

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

物を大切にすると言うこと。

物語を大切にすると言うこと。

新旧を愛でると言うこと。

これら全て同じこと。

幻想奇譚です。

昨日私が紡いだ物語が不躾であったこと、それを抜きにしても、本日は訪れたいと思った場所。そこに向けて私は歩みを進めて参ります。

最寄り駅から歩いて直ぐの処、かつてはシートで覆われ、更地だった場所に、新しい建造物が登場致しました。大都会であれば皆様想像なさる超高層ビル、けれども本日お目に掛かったのは、非常に個性的な姿形をしておりました。

外壁が全て曲線で紡がれているのです。硬い石造りではとても想像も出来ない様な、まるで新体操で扱われるロープで描いた様な、その様な外観。余りにも、近代的かつ、前衛的、そして芸術的な建物で御座います。

私は暫く呆気に取られた後、当初の予定を思い出し、また、歩みを再開致しました。

「先日振りです。白羽様」

「来るんじゃ無いかと思ってた」

個性的な建物の真横、此方も再建された真新しい神社。光沢を放つ、穢れなき木目が日光を浴びて輝いておりました。その参道に得意気な顔をなさっている白い麗人が。ふさふさのセミロングを段カット、童顔と悪戯っ子を混ぜた顏は、女性が大層好みそう。其れは御本人も重々ご理解なさって居るようで、誇らしくウインク一つ。

白羽様は私の手をそっと包み込むと、腰に手を回し、橋にある長椅子へとお導き下さいます。お隣に腰掛けると、腿の上に膝を着いて、私の付近に身を乗り出しました。

「白羽様……あの……」

「この辺りも新しくなったなぁ」

私の言葉を遮る様に、白羽様はぐるり見回しました。何もかも新品な世界。御社から放たれる甘い檜と、い草の香。しっとりと体に染み渡って、なんだか生まれ変わった気分で御座います。そしてその背景に写し出されるのは、あの前衛的な建造物。古きものが淘汰された世界。

「寂しい……です」

一昨日だって、変化に唖然として覚悟を決めたばかりなのに……。

「そうか? 俺は結構好きなんだが。物が時を経て古くなり、新しく生まれ変わっても、人の持つ情は変わらない。大事に大事に扱ってくれたが故に次世代へと繋いだ」

そう仰る白羽様の双眸は、長らくこの場所に腰を据えて、時代を見てきた方の光を宿しておいでです。それから不意に私の方へと向き直ると、ぐいっと体を近付けて視線合わせ。済んだ黄色か私の心を見透かした様に、とろりと輝きました。

「あの……先日は……」

「だから渡、生み出した物をぞんざいに扱うのだけは良してくれよ? 間違っても、先日見た楠の雪の描写に謝罪するのだけは止めてくれ。其れは俺に対しての冒涜に当たる。生まれたての物語に対して余りにも可哀想だ」

全てお見通しの様で御座いました。昨日の心情を言葉足らずであった事も、其れを不完全な形で書き留めた事も、その事に対して罪悪感を感じて居るのも。皆、全て。

白羽様は口角を上げると、するりと距離をお取りになります。

「未来も過去も、新旧も、全部愛でてくれ。何方かが劣るなどという事はない。何方にも味がある」

「はい……はい」


渡のメモ帳

神社巡り 三つ目。水族館、博物館。完。

スペイン料理→ラーメン。(開店時刻は確認する事)


その後にも御社を発見。

雨風から守るように添えられた、お供え物を発見致しました。

お地蔵様のお顔が崩れても、愛は変わらずそこにある。

新旧大切に致します。

白羽様が御祭神の御社って結構多いんです。

総社序列を言うと完全にバレてしまうので、あえて口を噤みます。

周り全てが新しくなっても、歴史を感じさせても、何方も変わらずに愛を囁いてくれそうな気がします。

大事なのは、自分を思ってくれているかだと思ってそうです。


女性ウケ凄そうだなー。白羽様。

そりゃー、飆靡様の気性をマイルドにしたらモテますでしょう。という感想。

髪が白髪なのはお使いである、ある鳥から。

段カットなのは、社の内装?から。あとお使い。

段々なのです。凄く好き。

目の色は少し考え中です。橙でも良いかも知れない。


意思は貫き通せ、人の言葉、感情に惑わされるな。

其れは俺が不愉快、不機嫌に思っても、態度に出ていても気にするな。

これは繰り返し言われている言葉です。

其れはそれとして、ノリは良さそう。

渡の対応も、全部素ですよ。素。

でも、話を遮ったのは意図的。

この場合の謝罪は冒涜にあたるから、躱してます。

「俺に興味があるのか? なら、奉仕でもしてやるか?」

って、ウインクばちこーん、してそうです。

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