09 勉強
楽しかったパーティーも無事お開き。
片付けの方はメイドギルドの方々にお任せとのことで、
僕たちは、施設内の孤児院のお疲れさま会にお呼ばれです。
みんな、本当にお疲れさまでした。
「お芝居、すごく楽しかったね」
そうだね、モノカ。
あの大好評っぷりは、全てニケルちゃんたちの頑張りの成果だよね。
「あのサプライズがあってこそ、でしょ」
その節は御協力のほど、誠に感謝感激であります。
「『ゲートルーム』は忙しさも増しちゃったけど、楽しいこともいっぱいだよね」
本当にそうだよね。
でも、講師の仕事はちょっと勘弁、かな。
「カミスって、どんな講座なんだっけ」
えーと、『美味しく楽しく惣菜パン作り』……
「人気、出そうな感じなんだけどな」
実は最近、そっちはご無沙汰なんだ。
「?」
ノノカちゃんの最新刊が出てから、講座に集中出来ない空気になっちゃってて……
「アレか……」
アレです……
「一度本として出版されちゃうと、もうどうしようもないよね」
ほとぼりが冷めるまで、外出にはあの眼鏡が必須かな。
「眼鏡、似合ってるよ」
モノカも、ね。
「……」
……
『お母さんたち、あいかわらずらぶらぶだよねっ』
『ニケルちゃんもいっしょにらぶらぶしてきたら?』
『ダメだよ、ハルシャちゃん、あんまりおじゃま虫する子はお馬さんに蹴られちゃうって、セシエラ先生が教えてくれたよっ』
『……痛そう』
えーと、ちっちゃな四人娘さんたちは、日々勉強中なのです……




