1. プロローグ ~ 再会
宇宙の彼方アンドロメダ銀河の端にある惑星 『≡<*£』 から、あんな事情やこんな事情を経て、地球へ移住してきたminiなヤツらがいた。
miniというのはすなわち、地球基準でいえば、大きさ1mm程度のノミのような知的生命体である。
そして、彼らのリーダーは、その名を©*@«といった。また、©*@«の傍らには、片腕のmini・º*≅¿が、常に控えていた。
――― これさえ分かっていれば、賢明なる読者諸氏には、これから始まる物語が理解できよう。
従って、ここで、彼らが地球に来た経緯やその後の冒険は、語らぬことにしたい。
(気になる方も気にならない方も、是非とも 『部屋と宇宙ノミと私』 シリーズをご覧ください、かつ 『ブックマーク』 や 『☆』 をたくさんポチしてください……
などと実は作者は思ってはいるが、あくまで作者都合なので、賢明なる読者諸氏は気にしないでほしい。)
さて、今回物語の主役となるのは、彼らのリーダーの片腕・魅惑のNo.2にして天才科学者ことº*≅¿。
――― これから始まるのは、彼の、小さな恋の物語である……。
時は、miniたちが寄生していた、とある島国のとある一家に赤子が生まれて4年が経ったある日のこと。
当の赤子……ミワちゃんの血をウッカリ吸ってしまわないために、彼女が生まれて間も無く、離島ウラオモテへ移住した彼らではあったが。
(そして彼女が偶然ウラオモテに遊びに来てくれた時も、遠慮してくっついて帰るのをやめた、のではあったが。)
「ミワちゃん……」 「大きくなったでしょうね」 「生きていたらもう4歳か……」 「生きてますよ……!」
©*@«とº*≅¿は、重大なミワちゃんロスに陥っていた。
――― 無理もない。
その生誕時より彼らは、mini特有のテレパシーを駆使し、ミワちゃんを大切にあやしてきた…… その結果、ミワちゃんは人類の中で唯一、miniたちのテレパシーを受信できる子に育ったのだ。
つまりミワちゃんは、miniたちにとって、もはや 『至高のアイドル』 と言っても過言ではない存在となっているのである……!
「不安になること言わないでくださいぃぃ……! ©*@«様のバカバカバカっ!」
「す、すまなかった…… º*≅¿くん」
普段は仲良く忖度合戦を繰り広げる彼らも、ミワちゃんのためとあらば喧嘩する。
「かくなる上は…… 見てきたまえ」
「へ……?」
©*@«は威儀を正して高く跳びはねた。
「º*≅¿君。ミワちゃんが元気で暮らしているか、その目で確かめてくるのだ―――!」
「©*@«様……っ!」
上司よりやや低めの跳躍で忖度と感動を表現する、º*≅¿。
「ありがとうございますぅぅぅっ! ©*@«ざまぁ……! やっぱり©*@«さまは、最高ですっ……!」
「いやいやいやいや……」
「いえいえいえいえ……」
……ともかくも、こうして。
º*≅¿とその部下たる数名のminiたちは、ウラオモテ島より、ミワちゃん一家の元へと旅立ったのである……!
¤*≅¶©*@«º*≅¿≡<↑£
部下たちや弟子とともに、天然記念物ウラオモテヤマイヌの背に乗って小さな港へ。
そこから、持ち前の跳躍力で船を乗り継ぎ、一路、ミワちゃんの住む街へ……。
<ついに、たどり着きました……!>
ミワちゃんは、お家のアパートからすぐ近くの公園で、遊んでいた。
<ああ……お元気そうで、何よりです。ハルミ様も……>
ミワちゃんの母、ハルミはベンチに座り、幸せそうに遊ぶミワちゃんを眺めている。
その思考を読み、<今日の夕食はハンバーグなどいかがでしょう?> などと返答してみるº*≅¿である。
ハルミにはテレパシーは通じないとわかっていても、親しみと懐かしさから、ついそうしてしまうのだ。
……と。
ミワちゃんが、不意に遊びをやめ、とっとっとっ、とハルミの方に駆け寄った。
「ママぁ!」
「なあに、ミワちゃん。もういいの?」
「まだでちゅ! ちょれより、みわたん、ハンバァグがちゅきだからね!」
「わかった、今日の夕ごはんはハンバーグにしよう!」
「ありがとでちゅ!」
<ミワちゃん……っ!>
たった、と遊びに戻るミワちゃんの肩に、º*≅¿は感慨深く跳び乗った。
<テレパシー、ちゃんと通じているんですね……!>
「もちろんでちゅ! ……って、だれでちゅか?」
ぐいんぐいんと頭を巡らすミワちゃんの鼻先で、º*≅¿はぴょんぴょんと連続宙返りを披露してみせたのだった。
挿し絵製作:秋の桜子さま
※ キャラクターは、Picrewの「たまごむしメーカー」で製作しています。https://picrew.me/share?cd=YVAGJzI384 #Picrew #たまごむしメーカー
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