5 頼み
[頼みですか?]
頼みと聞いて少し驚いてしまったが
特に昨日と今日の影響じゃなくてと
安心出来たのは束の間だった。
[そうだ……こんな事は普通は頼めないんだが]
[君は……異端者なんだ]
[それが何かと思うが最後まで聞いて欲しい]
アサクラ先生の言葉のトーンからしてこれはとても
重大な事なんだなと察せれた
[異端者となんの関係性があるんですか?]
興味本位で聞いたつもりだった……しかし先生の返答はとても現実とはかけ離れた事だった
[実はな……月影アリスを救って欲しいんだ]
救う?何を言ってるのかさっぱり理解できない様子である
それは当たり前だ入学して2日目で
まだ完全に知らない人を救えと言われたら
それはぽかんとなるはずだ。
[救うってどう言う意味なんですかアサクラ先生]
その返答は正しい……だっていきなりそんな事を
言われたら誰だってその返答をする。
[実はな……月影アリスの両親から頼まれた事でな]
[アリスは……過去のトラウマで]
[笑顔を出せなくなってしまったんだ……]
理解が追いつかない……
いきなり過去のトラウマなんて言われても。
[それが救ってくれの理由になるんですか?]
その返答は当たり前で正しい、しかし先生は
最後まで聞いてくれという表情をしている。
[そう思うのは当たり前だろう……]
[だからこそ聞いて欲しいんだ………]
[アリスが笑顔を出せ無くなったのは過去のトラウマ]
[それを探してくれる人を求めてこの学園に入学した]
[その原因を探してくれる人は]
[異端者であると両親から言われてな]
[それで、探してたら神は味方してくれたのか]
[お前が現れたと言う訳だ……]
これだけ言われても全く理解できない
[アリスの両親によると異端者は]
[アリスと接点が必ずあると言っていた………]
[だから頼みたい……引き受けてくれないか?]
ここではい、そうですねと簡単に引き受けてしまえば
色々と負けてしまいそうだ……しかし仮にその話が
真実ならば自分は悪人になってしまうのでは?
[分かりました……本当か分かりませんが引き受けます]
[本当か……ありがとう黒咲]
先生は満面の笑みだった……そんなに苦労してたんだなと伝わってきた。
[それで、救うと言っても具体的にはどうすれば?]
[簡単な話だ……救うまで月影と同居してもらう]
あまりにも突然だったので理解が追いついていないが
これだけは言える。
[えぇ、そんな突然……言われても困りますよ]
そんなのは当たり前だ……出会って2日のやつと
同居しろなんて言われたら普通はこうなる……
こうなるはずなんだけど……
彼女とは昔にも会った気がする………
[あ、一つ言っておくが]
[ちゃんとお前の両親にも連絡はつけてるから安心しろよ]
手配が早いと思った瞬間であった。
………こうして、黒咲剣魔は今日の放課後から
月影アリスを救うまで一緒に同居する事になりました。
月影編は感動と恋愛重視でせめれたら良いなと思っています。