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穂高市役所ストリートビュー年史  作者: 十二滝わたる
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年史外伝 6

 市役所で働く仲間達には、さまざまな人種がおり、大抵は類型化できる。

 これまで登場した人を相対的に貶めることを快楽とするハロウィーンカボチャやその仲間、ヒステリックに自己主張するだけの自己中の内証しない生涯独身の老女、品格など微塵もないバタバタ騒ぐだけの中年男、すべて殺しても死なないようなおめでたい連中は、いつまでも元気で職場に口害をもたらす有害な連中だ。勝手に無意味なこの世の春を謳歌するがいい。

 一方で、心の優し過ぎるが故に、他人に矛先を向けることができず、争いを避け、己を責め、潰れていく人達のなんと多かったことか。

 仕事のさばき方や人へのいなしが決して上手くはないものの、それが故に、責められ、反撃もできず、対応もできず、病み、去っていった人達を忘れることはできない。

 仕事をバリバリするとか、そんな評価は効率効果測定だけのテクニックの問題だ。そんなものに、どの位の価値があると言うのだ。

 すくなくとも、愚劣な評価制度の無能な上司からの評価とは別次元の人間評価なるものは、役所内には存在しないだろうが、どこか別の世界には存在していなければならない。

 僕は潰れて行ったあの方々を決して忘れはしないだろう。

 のうのうと生きているいまいましい茶坊主どもは、あっさりと切り捨て忘れ去って行くとしても。

 酒に溺れたこうさん、柔道の強かったたかさん、スキーが上手かったぬのさん、極限まで優しかったしばさん、正直なほりさん、がんばり屋のまつさん、責任感の強いまつさん。

 あの方々が元気で過ごせるような組織であることこそが、社会に対して、弱者に対して、胸を張って社会政策を展開できる真の組織の姿ではなかろうか。

 そんな受け皿もそんな価値観もない、無味乾燥な弱肉強食の考え方は、パブルのイケイケとその後の停滞により、何一つ改善されないまま、むしろ、強化されて現在に至っている。

 自己愛性偏狭の時代、喪失の社会病理の時代、そんな明るい絶望の社会、絶対権力が支配する時代だ。

 

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