あばた花
「私は人より昇任は早い」と猿女は鼻にかけていた。明らかな実態を伴わない優遇がなされており、その事に竿を差すことは出来なかった。
トップマネージャーが
「今日はきれいだね」
「いやだぁ、役所の女子高の同窓会で、先輩である奥さんから教えてもらったせいですよ、先輩のように頑張ってます」
と、歯の浮いた会話が終わったあとに、気に入らない若い職員をつかまえては、
「やり直し」と説明もなく書類を投げる。
逆に、イケメンの若い男には、
「どのペンが書きやすい」と近づく。
直上の上司以外は皆して、消えてくれと願っていた。仕事の足しにならなかった、いないほうが、仕事がはかどるのだ。
しかし、コネクションと腐れフェロモンという二つの要素は現場労働にとっては最高の取り合わせであるということは、不可思議であり、驚きであった。
直接、利害や仕事の関係が伴わないところの近くのセクションにいる鴨鍋の料理は、作る食べる、両方からの好都合というわけだ。
仕事の最中に、セクションマネージャーに了解なく、猿女を数人して現場に連れ出し、案内と称して現場ではしゃぎ、隣の街まで食事に行って、夕方帰って、楽しかったとは、係長も一緒になっており、情けない話で、さすがに、現場を請け負う業者からの問合せで発覚し、注意を受けたが、それも形ばかりのものであった。
猿女は、今度そのことすらを、義理の兄貴の議長を使って、クレームを入れ、マネージャーをたじたじとさせ困らせる。
マネージャーはまた、猿女に出向いて機嫌をとる。この繰り返しだ。
手玉に取られる無能なマネージャー、手玉に取らていることも、その結果、自分を落としていることにも気づかない。
労働組合の目的なき見当はずれの介入。遅れてきたバブルの、あばた花が金と権力とでそちこちに咲き乱れた。




