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穂高市役所ストリートビュー年史  作者: 十二滝わたる
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猿女

 そのいつも眉間に縦軸のシワを付けた40歳をやや越えた女は、僕より年が少しだけ上だった。

そんなこともあり、異常な位に高いプライドを持つ彼女は僕からの指示を嫌った。

 若い頃は恐らくかなりの美人だったのだろう。別に素晴らしい体を持っている訳でもないが、若いということだけで、周囲の男どもからチヤホヤされてきたことは、その配慮のなさから十分に想像できた。

 地方の中心都市にある進学校から、東京の少し有名名門三流短大を卒業してきたという、お嬢様だという演出を未だに続け、自分一人で満足している。

 大して頭もよくなかったのだが、神経からくるつ不要なまらない自分基準によるチェックの細やかさ頭が良いと思い込んでいる。

 このままならば、ただの、昔でいう腐ればばあとなるところだが、幸いにして結婚して子供もいた。周囲への敵意むき出しの攻撃的な態度とは裏腹に、息子には異常な愛情を注いでいるらしい。娘には真逆に異常に厳しい。

 職場でも同じだ。

 女性には、特に年下には必要以上に固執した嫌がらせのような厳しさであたり、自分にマウントを取らせて気を使う同僚にだけは優しく、力を持っている年上の女には極端な猫なで声で猿のように媚びを売った。

 まるで、彼女だけ猿山の猿だった。周囲は彼女は猿と思って当たり障りのないように接した。

 毎朝、出勤時間に遅れて来ながらも、悪びれたところはなく、注意しても、ハイハイと毎日、受け流す。技術の課長も知らない振りだ。

 同じ年の臨時職員の子女に対して、無断の休みだと勘違いするほど遅れてきた彼女は、つかつかと重役出勤して、自席付くなり、臨時職員の子女に「私のお茶ない」とラーメンの注文のように要求する。

 朝のお茶だしは女性の役割などと言う暗黙の了解があり、しかも、お茶だしのための臨時職員がいた。同じ女性同士は、その事を気の毒に想い、手伝いをするのが一般的だったが、真逆な要求だ。

 そのくせに、女性の地位向上などの労働組合のアジテーションに乗っかり、もっと平等をと叫んでいる。

 なんのことはない。この女は、あの、どうしようもないハロインカボチャどもの残党であり仲間だ。 

 「あの女はかわいくないから、あの女の消耗品の購入は一番最後、1ヶ月かかるなあ」そんなことを平気で言い、実行する。

 サイコパスだ。簡単に誰もが分かった。

 しかし、こんなに性格は極端悪く、毎晩の酒でやはや腹の出っ張りを気にしているような、ナイスバデイでもない女にも、生物的な僅かなヘロモンをかぎ分けて、機嫌を取って近づいてくるような男どももいるのだ。

 ハロインカボチャどもだ。 

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