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本来なら立ち向かえぬ恐怖に抗う勇気を、お互いの存在が湧き上がらせるのだ。
(あの女を倒す!!)
完全に震えの止まった虹丸が、十蔵に頷いた。
「十蔵さん、教えてください。どうすれば?」
「俺が奴の眼を見れば、それで勝てる。お前は分身で奴の注意を引いてくれ」
「分かりました」
虹丸が立ち上がった。
虹丸の両眼が緑色に光り輝いた。
「む!?」
静香は気づいた。
敵の動きが変化したことに。
緑の霧は収まり、代わりに大勢の男たちが現れ始めた。
武器や格好はばらばらだが、体格はそっくりだ。
否、顔が見えている男たちは皆、林で倒した忍びと同じ人相をしている。
裸の者も居るが、屍兵たちの武器を拾い、こちらに向かってくる。
(全て同じ人間か)
ここにきて、ようやく静香は己が戦っている敵の力を理解した。
この忍びは大量の自分自身を造りだせるのだ。
殺しても殺しても湧いてくる。
(だが、弱い!)
今の静香は強い。
日の本の切断を進めつつ近寄ってくる敵を斬り続けるのが、充分、可能だ。
(やれる!)
静香は迫り来る男たちを斬った。
斬った。
斬った。
猛烈な攻勢をかける男たちは一時的に静香のそばに迫る瞬間はあったが、その武器が届く範囲に入る前に、比較的、余裕を持って対応できた。
どれほどの時間が経ったか。




