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虹丸  作者: もんじろう
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「これで日の本をも斬れる!! ふははははは!!」


 すさまじい狂気が静香の笑顔に、べったりと貼りついていた。




 暁城が、まるで紙くずのように斬り刻まれる様を虹丸は林から見ていた。


 もちろん、先ほど斬られて死んだ虹丸とは別の虹丸である。


 静香の常軌を逸した様子と恐ろしい斬撃の威力に、虹丸の肝は冷えに冷えた。


(石の力とは、これほどのものなのか)


 両脚が、がくがくと震えた。


 身体を反らせ、大笑いしていた静香が、ぴたりと止まるのが見えた。


 そのまま動かなくなる。


(何だ?)


 ただならぬ雰囲気。


 嵐の前の静けさのように感じ、虹丸の背筋がぞっとなった。


 突然。


 虹丸と静香との丁度、真ん中の距離にある地面が、ばっくりと口を開けた。


 虹丸の足元が揺れ、激しい震動が襲ってきた。


 虹丸は咄嗟(とっさ)に身を伏せた。


(何だ!?)


 虹丸と静香の間に突如、出現した裂け目は巨大な斬撃によるものだった。


 そう、静香の斬撃である。


 暁城を斬り刻んだ目に見えぬ刃が、今度は地面に斬りつけているのだ。


 続けざまに放たれる斬撃は、虹丸の見える範囲全てに及ぶ裂け目を、さらに大きく深くしていく。


「ふははははは!」


 地響きの中、よく通る静香の笑い声が虹丸の耳に届いた。


「斬ってやる! この日の本を斬ってやる!」

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