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虹丸  作者: もんじろう
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9

 それぞれに武器を手にしているが、小刀、鎌、手斧と種類がばらばらだった。


 敵の動きは、それほどの使い手ではないと時雨は見抜いた。


 少なくとも自分よりは格下である。


(これなら、切り抜けられる)


 時雨は微笑んだ。


 思いもよらない奇襲に一度は死を覚悟したが、運が味方してくれた。


 この五人は後悔することになるだろう。


 が。


 時雨は戦慄した。


 軽くかわせるはずの敵の攻撃が、異質であると気づいたからだ。


 五人の襲撃者は正確に時雨の身体の五つの急所を狙ってきたのだ。


 別々の箇所を五人が同じ速さで斬りつけてくる。


 時雨の身体への五人の武器の到達が完全に同じであるために、かわすことが出来ないのだ。


 これは、あり得ぬことであった。


 どんなに訓練し息の合った者同士でも、必ず「ずれ」は生じる。


 それも五人が攻撃を合わせるなど、まさに神業の域。


 複数が一人の敵に攻撃する場合は、相手が身をかわせば同士討ちになる可能性もある。


 それを恐れて思い切った攻撃が出来なくなるものだが。


 五人には、その躊躇(ちゅうちょ)微塵(みじん)も無い。


 互いの武器で命を落とす覚悟があるというのか?


 とにかく、尋常ではない攻撃は、現実に時雨に襲いかかっている。


 混乱した思考は時雨の動きを停止させた。


 結果。


 五つの武器は全て、時雨の急所へと到達した。

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