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もう死んでいる者をどうやって殺すというのか?
皆、恐怖に震え、戦意が急速に萎んでいく。
身体を動かす度にどこかの骨が、かたかたと鳴る死の軍団が、さっと左右に割れた。
そこを奥から進んでくる者が居る。
馬に乗っている。
馬と言っても、骨の馬だ。
馬の屍だ。
馬上には立派な具足を着けた武将の姿。
恐れで金縛りのようになっていた清秀だが、その武将の鎧に見覚えがあった。
三年前の戦いで、何度か見た。
敵の大将、惨鬼義盛の鎧にそっくりだ。
しかし、義盛は三年前の戦で城ごと燃やされて死んだはず。
馬が歩みを止めた。
義盛らしき人物が顔を上げて、清秀を見た。
「!!」
義盛の顔は暁城の兵たちと同じく、肉の無いどくろだった。
「豪里清秀よ! 待ちに待ったぞ、この時を!」
馬上のどくろ武者が出した大声は、清秀が記憶している義盛の声と完全に一致した。
「今度こそ、戦で尋常に勝負せよ!この前は兵糧攻めに不覚を取ったが此度はこれ、この通り!」
どくろの義盛は、からからと笑った。
「腹が減らぬ身体ゆえ、互角の勝負が出来ようものよ! お主の首をはね、城内の飾りにしてくれるわ!」
義盛は自らの軍勢を振り返った。
そして叫ぶ。
「者共、かかれ!」
義盛の肉の無い頭が、ぼうっと緑色の光を発した。




