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虹丸  作者: もんじろう
5/105

5

「あんた、変わってるね」


 女が言った。


「うん?」


 男が首を傾げる。


「おらとするなんて変わってる」


「?」


「自分で言うのも何だけど…おら、綺麗でもないし、その…」


「………」


「大きくて男みたいだろ?」


「………」


「前に、ここに乱暴な男たちが押し入ってきた。でもおらを見て、何もせずに帰っていったよ」


 そう言って女は笑った。


 男は真剣な顔で黙っていた。


 右手を伸ばし、女の顔を撫でる。


 女ははにかみ、顔を赤くした。


 女が男に身体を寄せ、肌を密着させる。


「あんた、明日出ていくの?」


 女が訊いた。


 寂しげな表情。


「いや」


 男は首を横に振った。


「ゆっくりするつもりだ」


 男の言葉に女は満面の笑みとなった。

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