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虹丸  作者: もんじろう
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3

 まるで小動物を手に乗せているような感触。


 忍びは顔の前に石を持って、その緑色の光に見入った。


 その瞬間、突風が吹いた。


 炎がうねり、忍びの這いつくばる穴へと注ぎ込まれた。


 炎は忍びの身体に燃え移った。


 生きながら全身を焼かれる激痛に七転八倒した。


 自らの絶叫が、何故か遠くから聞こえる他人の声のように思えた。


 肉体が破壊されていく中で、不思議と意識は冷静さを取り戻していった。


(もう死ぬのだな…)


 そう思った。


 ふと、昔を思い出す。


 それも束の間。


 猛烈な生への執着が頭をもたげ、膨らみ、爆発した。


 (死にたくない!!)


 髪は燃え、肌は溶けていたが、両眼はまだ開いていた。


 柔らかい緑色の光が、またしても視界に飛び込んでくる。


(!?)


 死の痛みにのたうち回りながらも、依然として光る石を握り続けていたのか?


 忍びは自らの両手を見た。


 石は消えていた。


 忍びの両腕が、肘の辺りまで緑色の光を発し輝いている。

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