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我郎は反対する者たちを一喝し、山道を堂々と進んでくる法師を取り囲んだ。
「?」
我郎は驚いた。
法師の姿が、あまりにも奇異だったからだ。
まず、大男であった。
牙次も大男だったが、この法師はそれよりもまだ一回り大きい。
筋骨隆々である。
きれいに剃りあげられた、いやに平たい頭の下に大きな両眼と大きな鼻、大きな唇を付けた、これまた大きな顔が鎮座していた。
年齢は分かりにくいが、三十から四十の間といったところか。
格好は僧というよりも僧兵のようだ。
背中に大きな籠を背負って、その中には。
大量の刀が入っていた。
籠が大きいため、刀たちは柄の部分しか見えていない。
法師は大勢の野盗に囲まれても平然としていた。
「おお? 何かな、何かな?」
野太く汚い声は楽しげだった。
「わしは虎然」
訊かれてもいないのに名乗った。
「かわいそうな刀たちを供養するために、あちこち廻っておる者でな」
虎然は野盗たちをぐるっと見回した。
「おう、おう。お前たちの刀も供養されたがっておるわ」
虎然のあまりに堂々とした態度に、野盗たちはつい静香のことを思い出した。
皆、嫌な予感がしていた。
「わけの分からねぇことを言いやがって!」
自らの不安を消すために我郎は、ことさら大声で怒鳴った。




