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虹丸  作者: もんじろう
21/105

21

 狼の吠える声が聞こえた。


 そう遠くはない。


 新吉を恐怖が襲った。


 必死に雄叫びと逆の方向へと歩く。


 全身から冷や汗が吹き出してきた。


 狼の声が後ろから迫ってくる。


 明らかに複数の声だ。


 脚の痛みは増し、息も苦しくなってきた。


 それでも進まなければ、食い殺される運命が待っている。


(?)


 前方に何かが光っていた。


 暗闇の中で柔らかい緑色の光が輝いている。


 恐怖に混乱した新吉は、吸い寄せられるように光の方向へ進んだ。


 あまりに急いだため、枝で造った杖がへし折れた。


 新吉は地面に倒れた。


 それでも光へと這い進む。


 ついに光の元へとたどり着いた。


 光は小石から発している。


 親指大の小石。


 浅い穴の中心で下半分は地面に埋まっていた。


 新吉は無意識に石に手を伸ばす。


 石は温かくて、まるで生き物の如く脈打つ。


(これは何だ?)


 少なくとも新吉は今まで見たことがない。


 突然、間近から狼の声がした。

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