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虹丸  作者: もんじろう
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2

 すぐに立っていられなくなり、忍びは地に伏した。


 獣のように四つん這いで移動する。


 このままでは呼吸することさえ叶わなくなるだろう。


(もう、助からない…)


 死が頭をよぎった。


(?)


 前方に炎と煙以外のものが見えた。


 緑色の光。


 煙を突き抜け、眼の中に飛び込んでくる。


 何の光かは分からない。


 だが、忍びは無我夢中で光の方へと進んだ。


 そうしなければならないという、強烈な欲求が身体を突き動かした。


 それが生き残るための唯一の道だと本能が叫んでいた。


 這い進む忍びの両腕が突然、空を掻いた。


 地面が無い。


 穴だ。


 大きな穴が空いていた。


 忍びの身体は穴に転げ落ちた。


 穴の中心から緑色の光が発せられている。


 眼を細めて光の元を見た。


 石だ。


 大人の拳ほどの大きさの石が柔らかい光を放っている。


(何だ、これは?)


 見たこともない物体の出現に己の窮状も一瞬、忘れた。


 無意識に両手を伸ばす。


 石を掴んだ。

 

 温かい。


 それに脈打っている。

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